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イギリス 編

僕はアレはいいかなぁ ☆

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「動くよ」

 慎也が告げたあと、腰を動かし始め私の粘膜と太腿の間が擦られる。

(硬い……)

 クチュックチュッと音がし、ベッドが軋む。
 また、正樹も私の手に屹立を擦りつけ始める傍ら、私の頭を撫で、頬や唇に触れてきた。

 変な話だけれど、二人とも実に私好みの手をしている。

 大きくて、指が長くて、けれど関節は太い〝男〟の手。
 口に出したら調子に乗るから言っていないけれど、普段の何気ない仕草の中で、彼らの手を見てジン……と反応してしまう事があった。

 今、慎也は私の太腿に指先を食い込ませ、熱の籠もった眼差しで私を見つめている。
 正樹は愛玩するように私の顔を撫で、首筋から肩に手を這わせては、乳房にフワッと五指を広げて、くすぐったいと思えるほどの愛撫を与えてきた。

「あぁ……っ、あ……、ん……」

 私は微かに声を上げ、ハッとして口を噤む。
 けれど呼吸はどんどん荒くなり、二人が擬似的に私を犯している状況に興奮していく。

 ――もしも階下や周囲の部屋に、聞こえてしまっていたらどうしよう。

 そんな不安と背徳感が湧き起こる。

 他人の家で、しかも貴族のお城でこんな事をするなんて、不敬にもほどがある。

 なのに、この貪るような獣の行為をやめられない。

 シャーロットさんに嫉妬していた分、私は二人が求めてくれる状況に、トロリとした愉悦を感じていた。

「く……っ、気持ちいい……っ」

 荒い呼吸を繰り返しながら、慎也が呻く。

「優美ちゃんの手、すべすべして柔らかくて気持ちいい……っ」

 正樹も手の中でさらに屹立を張り詰めさせ、陶酔した表情で私を見る。
 二人とも熱の籠もった、それでいてギラギラとした視線で私を見つめていた。

 さながら、素股をしながら脳内では私を犯しているかのように。

「ん……っ、ん、んぅ、うーっ」

 私は慎也に激しく秘所を擦られ、絶頂寸前だった。
 あとわずかな刺激で限界を超えてしまうという時に、正樹が私の乳首をキュウッとつまんできた。

「っんぅううぅうっ!!」

 思いきり声を上げられず、私は必死に唇を引き結んで絶叫する。
 膣内がキュウーッと締まり、最奥がピクピク痙攣して子宮から脳髄にまで激しい悦楽が駆け抜けた。

「出る……っ」

 慎也がうなり、一際激しく私の秘唇を擦ったかと思うと、私の両脚を抱きしめてゴムの中にビュクビュクと白濁を吐き出した。

「僕も……っ」

 正樹は両手で私の手を握り、圧力を掛けた中で数度激しく腰を前後させ、吐息を震わせながら被膜に吐精する。

(あ……、凄い……。出てる……)

 目の前には正樹の亀頭があり、ゴムの先端にある精液溜めの部分が真っ白になっていく。
 私はそれをぼんやりと見ていた。

 よほど大量に射精したのか、正樹の精液は先端のでっぱりだけでは収まらず、逆流して亀頭全体を白く包んでいる。
 慎也を見れば、彼も似た状態になっていた。

 しばらく、三人とも放心して呼吸を荒げていたけれど、慎也と正樹はゴムを処理する。

 衣服を整えたあと、慎也は洗面所で濡らしてきたタオルで私の体を正式してくれる。

「ご、ごめん。そんな事しなくていいよ。恥ずかしい……」

 赤ちゃんみたいに世話をされるのが居たたまれなく、私は起き上がろうとした。
 けれど酷い倦怠感に包まれ、ベッドに手をついて体を起こすのも一苦労だ。

「まぁまぁ、優美ちゃんは休んでてよ」

 そんな私を正樹が寝かしつけ、頭を撫でてチュッと額にキスをした。
 その間にも慎也は私の秘部を綺麗にし、下着とホットパンツをはかせ「お疲れ」と頬にキスをしてくる。

「あー……、スッキリした。優美は? 気持ちよかった?」

 慎也に尋ねられ、私は頷く。

「ん……うん」

 最後までしないで終わるのは、初めての気がする。

 お腹の奥がピクピクしていて、二人の肉棒がほしいと訴えている。

 ……のを、必死に押し殺し、私は平気なふりをした。

 お腹に両手を当て、仰向けになって目を閉じていると、正樹が囁いてきた。

「ロンドンに戻ったら、嫌っていうほど抱いてあげるからね」

「優美の大好きな二輪差し、してやるからな」

 反対側からも慎也に囁かれ、恥ずかしくてうつ伏せになる。
 しばらく、二人は私を見てクックックッ……と意地悪く笑っていた。

「女の子って、絶頂が長いから大変だよね。僕らは出しちゃったらそれで終わりだけど」

 正樹がポンポンと私のお尻を叩いて言ってくるので、ちょっと悔しくなった私は恨みがましい目で彼を睨んだ。

「へぇ? 男性にもドライオーガズムっていうのがあるって聞いたけど。前立腺を刺激すると、射精しないでイッちゃうんだって」

「いやー、ドライは経験済みだけど、僕はアレはいいかなぁ」

「…………はぁ?」

 思いも寄らない答えに、私は声を上げる。
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