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浜崎&五十嵐トラブル 編

副社長

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「わざわざ来てくれてありがとう。少し話せるか?」

 副社長はプレジデントチェアから立ち上がり、ゆったりとこちらに歩み寄ってくる。
 そして秘書にお茶を出すよう言って、応接ソファに座るよう促してきた。

「失礼いたします」

 私は挨拶をして、少し谷間を強調して座る。
 副社長は向かいに座り、しばらく私を見て微笑んでいた。

 ……これって、脈ありなのかな?
 社内のどこかで私を見て、一目惚れしちゃったとか?
 それとも総務部辺りから、私についていい噂が広がっていったのかな?

 ニコニコして見つめ返していると、秘書がお茶を出してくれた。

「まず、お茶をどうぞ」

「ありがとうございます。いただきます」

 本当は緑茶ってあんまり好きじゃないけど、一口飲んでおく。

「寿退社すると聞いたが、おめでとう」

「ありがとうございます。本当は産休……という形にしたかったのですが、子育てに専念したいと思いまして」

 あーん、副社長格好いい!
 海外モデル並みの体型に、クォーターならではの美形さ。
 ジムでストイックに鍛えているっていうから、スーツ越しにもいい体なのが分かる。

 こういう体つきがしっかりしてる人って、華奢めの女の子をグチャグチャにしたいとか思わないのかな? 駅弁とか軽々とやってくれそう。

 私は正樹さんとセックスする妄想をして、はしたなく濡らした。

 だってもう、手からしてエロいもん。
 指が長くて太くて、あれでアソコを掻き混ぜられたら……。
 想像するだけでドキドキして、頬が赤らんでしまう。

「お相手が株式会社E&Eフーズの、やり手営業マンだって?」

「やだぁ。そこまでご存知なんですか? そうなんです」

「それで彼には、祖父の遺産があるらしい……、と」

「…………え?」

 なんでそこまで知ってるの?
 さすがに何かおかしいと感じ、私の笑顔が凍り付く。

「悪い事は言わない。彼には相応に相続税がかかる上、これから私が訴えを起こす。経済的に頼ろうと思っているなら、期待しないほうがいいと思うので参考までに。彼のもとに入る金額程度なら、半分以上飛ぶんじゃないかな?」

「…………え。訴え……って……」

 どう反応したらいいのか分からず、私は笑ったままぎこちなく尋ねた。

「彼は私の恋人に対して執拗に迫り、暴行を起こすところだった。彼女が嫌がっているのも構わず、社内で不名誉な噂を流した上でつきまといをしている。これ以上は看過できないのでね」

 ……なんか、どこかで聞いた話……。

「あの、副社長の恋人……とは」
「おや? 知らなかったか? 君が先日路上で声を掛け、カフェで彼女に対し覚えのない疑いを掛けた折原優美さんだ。君はあのあと、友人たちと共謀してE&Eフーズに複数の捨てアドレスで苦情を入れたそうだな?」
「な……っ、なんっ、……の、話でしょうか?」

 ――まずい、あの淫乱女の恋人だったの?

 っていうか、女の趣味悪っ!
 化粧の濃い女の虜になってるだけじゃん。

「君の〝友人〟には、私の部下が話を聞き、条件を呑んで〝すべて〟話してくれた」

 ……この男の笑顔が怖い。
 さっきからニコニコ笑ってるのに、目だけ笑ってない。

〝すべて〟ってまさか……。

 懸命に微笑もうとするけれど、唇が震えてしまう。

「君は彼――浜崎慶吾さんと付き合う前、相当遊んでいたようだね?」

「そっ! ……んな事、ありません!」

 アレがバレるはずがない……!

 冷や汗を流して否定したけれど、副社長は秘書に合図をしてノートパソコンをテーブルの上に置かせた。
 秘書が隣室に立ち去ったあと、副社長はそれを開き、操作して動画ファイルを開いた。

「あ……っ」

〝それ〟が何であるか理解した時、全身の血が引いた。
 ラブホテルでコスプレをして騎乗位になり、腰を振っているのは〝私〟だ。

『おっ、おぉんっ、んおーっ! いぐっ、いぐぅっ!』

『あっはは! ミナコちゃん今日も腰振り激しいね!』

 下になっている男が〝私〟に声を掛けると、さらに二人の男性が現れる。

『おちん×ぉ! しゅきぃ! ミナヨ、おちん×しゅきなのぉ!』

 仰向けになっている男性にグリグリと腰を押しつけ、慣れた手つきで男性器をしごき、フェラをしているのも、――――私。
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