1 / 539
ハプバー~同居開始 編
人生初ハプニングバーです!
しおりを挟む
目の前に、ポールダンスのステージがある。
その前にいるのは全裸の美女……ではなく、全裸のおじさんだ。
美中年なんて優しいフィルターはかかっていない。
お腹の出た、ごくごく普通のおじさんだ。
おじさんは店内にかかっている音楽に合わせてフリフリと腰を振り、見事にエレクトした一物――しかもデカい!――を揺らしていた。
ただ音楽に合わせて腰を揺らす程度なら、ずぶの素人にもできる。
だがおじさんはポールダンスを使った動きをある程度分かっているのか、ポールを使ってそれは見事に踊っていた。
全裸で、フル勃起したまま。
巨大なスピーカーから、ズンズンとお腹の底に響く音楽がかかっている。
ピンクや紫の毒々しいネオンがフロアを照らし、スタッフであるバーテンデーや案内係のバニーガールだけは、きちんと制服を着たまま働いていた。
そう、ここは店である。
世間的にはハプニングバーと呼ばれている、法的に言えばグレーゾーンな風俗店だ。
店内にいれば、何かしら〝ハプニング〟がある。
ただし幾つかのルールはあり、カップルで来店した場合は、シングルで来店した人に声を掛けてはならない、またその逆も然りという決まりがある。
受付時には顔写真のついた身分証明書を提示し、何者であるかをきちんと明確にする。
そして更衣室で服を脱ぐ、もしくは店側が用意したコスプレ衣装に着替えたあとは、店内ではスマホの持ち歩きは禁止となる。
勿論、この店で起こっている事をネットなどに流布しないための防止策だ。
若い女性客は無料のアルコールを飲んで、店内の雰囲気を楽しんだあと二十時頃には帰ってしまう事もざらだそうだ。
また単身で訪れた男性客があぶれてしまい、もとを取れないまま帰って行くのもよくある。
うまくいけば非日常を求めている客――素人と、本番行為にも及べる。
しかしゴムは必須。
そして相手のルックスが好みではない場合、きっぱり断る事ができる。
親友から聞いた話では、ハプバーでは女性優位であるため、女性が「あなた好みじゃないの」と偉そうに断っても全然いいようだ。
それらの情報を聞いたあと、私――折原優美は単身五反田にあるハプニングバーを訪れていた。
店内はとても暗く、濃い化粧をしていなければ顔面アピールができない。
そこまで気合いを入れるのも……と気が引け、いつもより少し濃い目にアイメイクをした程度にしておいた。
急に警察の摘発が来た場合、客であっても全裸であれば公然猥褻になってしまう。
なので親友からは、いざという時のためにコスプレ衣装を着て、体を守る布を身につけていたほうがいいとアドバイスされていた。
私はセクシーナースの超ミニなワンピースを着て、頭にもナースキャップをピンで留めていた。
下着はオープンブラにガーターストッキングと、オープンクロッチのTバック。
これらは私物だ。
七センチヒールをコツコツと鳴らしてゆっくり店内を歩いていると、下着一枚の男性たちの視線が纏わり付くように感じる。
私のルックスは、友達によると「完全にS女」らしい。
背は高い方で百六十後半。ジムに行って体を鍛えるのが好きなので、バストもヒップも我ながらプリンプリンだ。
自分でもボディメイクを心がけているので、ある程度自慢したい点ではある。
というのも、子供の頃に太っていたから……というトラウマはさておき。
仕事時にはきっちり纏めているロングヘアも、今はサラリと流している。
キャットアイ気味にアイラインを引き、ルージュは濃い目。
完全に「キツそうな女」である。
自分でもよく分かっているので、今さら他人に「私ってどう見える?」なんて質問はしない。
ジムでストイックに鍛えるメンタルがある分、負けず嫌いな面はあると思う。
過去の悔しい体験があるからこそ、「ふざけんなゴラァ!」というメンタルで筋トレをしている。
だからなのか、男女構わず競争率の高い営業部で、「えっぐ……」と男性社員に引かれるほどの成績をだしている。
飲みの席でだって「お酒飲めなぁい」なんて言った事はない。
売られた酒は買う主義だ。
何なら一人でだって居酒屋に行って日本酒飲み比べをするし、一人ラーメンも焼き肉も、一人フレンチだって行く。
その前にいるのは全裸の美女……ではなく、全裸のおじさんだ。
美中年なんて優しいフィルターはかかっていない。
お腹の出た、ごくごく普通のおじさんだ。
おじさんは店内にかかっている音楽に合わせてフリフリと腰を振り、見事にエレクトした一物――しかもデカい!――を揺らしていた。
ただ音楽に合わせて腰を揺らす程度なら、ずぶの素人にもできる。
だがおじさんはポールダンスを使った動きをある程度分かっているのか、ポールを使ってそれは見事に踊っていた。
全裸で、フル勃起したまま。
巨大なスピーカーから、ズンズンとお腹の底に響く音楽がかかっている。
ピンクや紫の毒々しいネオンがフロアを照らし、スタッフであるバーテンデーや案内係のバニーガールだけは、きちんと制服を着たまま働いていた。
そう、ここは店である。
世間的にはハプニングバーと呼ばれている、法的に言えばグレーゾーンな風俗店だ。
店内にいれば、何かしら〝ハプニング〟がある。
ただし幾つかのルールはあり、カップルで来店した場合は、シングルで来店した人に声を掛けてはならない、またその逆も然りという決まりがある。
受付時には顔写真のついた身分証明書を提示し、何者であるかをきちんと明確にする。
そして更衣室で服を脱ぐ、もしくは店側が用意したコスプレ衣装に着替えたあとは、店内ではスマホの持ち歩きは禁止となる。
勿論、この店で起こっている事をネットなどに流布しないための防止策だ。
若い女性客は無料のアルコールを飲んで、店内の雰囲気を楽しんだあと二十時頃には帰ってしまう事もざらだそうだ。
また単身で訪れた男性客があぶれてしまい、もとを取れないまま帰って行くのもよくある。
うまくいけば非日常を求めている客――素人と、本番行為にも及べる。
しかしゴムは必須。
そして相手のルックスが好みではない場合、きっぱり断る事ができる。
親友から聞いた話では、ハプバーでは女性優位であるため、女性が「あなた好みじゃないの」と偉そうに断っても全然いいようだ。
それらの情報を聞いたあと、私――折原優美は単身五反田にあるハプニングバーを訪れていた。
店内はとても暗く、濃い化粧をしていなければ顔面アピールができない。
そこまで気合いを入れるのも……と気が引け、いつもより少し濃い目にアイメイクをした程度にしておいた。
急に警察の摘発が来た場合、客であっても全裸であれば公然猥褻になってしまう。
なので親友からは、いざという時のためにコスプレ衣装を着て、体を守る布を身につけていたほうがいいとアドバイスされていた。
私はセクシーナースの超ミニなワンピースを着て、頭にもナースキャップをピンで留めていた。
下着はオープンブラにガーターストッキングと、オープンクロッチのTバック。
これらは私物だ。
七センチヒールをコツコツと鳴らしてゆっくり店内を歩いていると、下着一枚の男性たちの視線が纏わり付くように感じる。
私のルックスは、友達によると「完全にS女」らしい。
背は高い方で百六十後半。ジムに行って体を鍛えるのが好きなので、バストもヒップも我ながらプリンプリンだ。
自分でもボディメイクを心がけているので、ある程度自慢したい点ではある。
というのも、子供の頃に太っていたから……というトラウマはさておき。
仕事時にはきっちり纏めているロングヘアも、今はサラリと流している。
キャットアイ気味にアイラインを引き、ルージュは濃い目。
完全に「キツそうな女」である。
自分でもよく分かっているので、今さら他人に「私ってどう見える?」なんて質問はしない。
ジムでストイックに鍛えるメンタルがある分、負けず嫌いな面はあると思う。
過去の悔しい体験があるからこそ、「ふざけんなゴラァ!」というメンタルで筋トレをしている。
だからなのか、男女構わず競争率の高い営業部で、「えっぐ……」と男性社員に引かれるほどの成績をだしている。
飲みの席でだって「お酒飲めなぁい」なんて言った事はない。
売られた酒は買う主義だ。
何なら一人でだって居酒屋に行って日本酒飲み比べをするし、一人ラーメンも焼き肉も、一人フレンチだって行く。
8
お気に入りに追加
1,829
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
隠れ御曹司の手加減なしの独占溺愛
冬野まゆ
恋愛
老舗ホテルのブライダル部門で、チーフとして働く二十七歳の香奈恵。ある日、仕事でピンチに陥った彼女は、一日だけ恋人のフリをするという条件で、有能な年上の部下・雅之に助けてもらう。ところが約束の日、香奈恵の前に現れたのは普段の冴えない彼とは似ても似つかない、甘く色気のある極上イケメン! 突如本性を露わにした彼は、なんと自分の両親の前で香奈恵にプロポーズした挙句、あれよあれよと結婚前提の恋人になってしまい――!? 「誰よりも大事にするから、俺と結婚してくれ」恋に不慣れな不器用OLと身分を隠したハイスペック御曹司の、問答無用な下克上ラブ!
地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~
あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる