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馴れ初め編/第三章 不明瞭な心の距離
31.心の安寧には程遠く
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昼時で社員の往来がいつもより激しい廊下を、食堂を目指し千優達は歩き続ける。
その途中、前方には景子と明美、両隣には文香と郁という布陣の中で歩く自分を改めて認識し、無性に首を傾げたくなった。
まるで警察に捕まった容疑者のごとく、周囲を固められているのは何故だろう。
(めちゃくちゃ目立ってる)
ただでさえ、自分を覗く総務部女性メンバーは、社内の男性達からそれぞれ好かれている事が多い。
彼氏がいる文香以外、いつも浮いた話は無いと嘆いているが、千優は数回、告白現場に遭遇したことがある。
それについてこちらから話を振るのは微妙かとあえて触れないが、こんなにモテているのに、何故三人に恋人が出来ないのかと、千優はずっと疑問を抱いている。
そんな彼女達が揃っているだけでも凄いというのに、その中心にいるのは特に目立つ容姿でもない自分。
普段は感じることのない好奇な視線を向けられ、心がザワザワと落ち着かず、早々にこの場から離脱したくなった。
「どうせなら、水谷先輩も来れればよかったのに」
「仕事が忙しいのなら、仕方ないじゃない」
しかし、せっかくのお誘いを無下に断ることも出来ず、そのまま歩いていると、同期の明美と文香が交わす会話が聞こえてくる。
この場にいる四人と顔見知りとなった茅乃ではあるが、彼女がこの総務部の輪に入ったことは、今まで一度もない。
『え? どうして笹沼さん達の誘い断ったかって? そりゃ決まってるでしょう。社会人オタクにとって、昼休みは貴重な時間なの。ソシャゲのイベント走らないと順位が落ちる!』
『それじゃ、私のことも無理して誘わなくてもいいよ?』
『千優はいいの。他の人と違ってむやみに話しかけて来ないし。でも適度に話してくれるし。……はっ、イベガチャに天使が! 千優、代打頼むわ』
『皆と私の違いがよくわからない。……っと、これでいいの?』
『うんうん、オッケー。何て言うか、オタクと一般人の中間、みたい……あぁあ、天使キター! ありがとう、ありがとう。やっぱり千優が回すと推しが必ず出るわー。本当に毎回ありがとう!』
小学生のころから、ずっと弟達の世話ばかりしていたせいで、漫画、アニメ、ゲームといった類のものに触れた経験は限りなくゼロだ。
強いて言えば、弟や妹が見ていたアニメを一緒に見るくらいはしたが、所詮その程度。
そんな自分に、オタク的要素はあるのだろうかと、過去の会話を脳内で掘り起こしながら首を傾げる。
真意は不明だが、どうやら茅乃の中で自分と他のメンバーは何かが違うらしい。
もしかしたら、好奇な視線を集める華やかさの有無でも関係しているのだろうか。
(いや、でも……茅乃だって、どちらかと言えばモテてるよね。……外見だけ、見れば)
何故自分の周囲には顔面偏差値の高い女性ばかりが集まるのかと頭を悩ませながら、千優は皆にバレないよう小さくため息を吐いた。
「あれ? あの人、國枝さんじゃないですか?」
「……っ!」
食堂まであと数メートル。今日は何を注文しようかと頭を悩ませていると、隣を歩く郁の声が聞こえた。
反射的に足元を見つめていた視線をあげると、食堂から出てくる國枝の姿が目に止まる。
彼の顔を見つめ、姿を認識すれば、これまで正常だった脈拍が急に激しさを増すのがわかった。
「あ、本当だ。國枝さーん、こんにちは」
(あ、明美のやつー! 何で話しかけるんだ)
明るい声を発し、軽く手をあげて振る明美の姿に、ギョッと目を見開くと、心のざわつきまでもが脳を伝わり、幻聴として鼓膜を震わせる。
このままではマズい。詳細はわからないが、とにかく何かがマズいと判断した千優は、咄嗟に歩調を緩め、皆に気づかれないようグループの後方へ下がった。
そのまま壁際へ移動し俯くと、自分の足元を見つめながら皆の後に続く。
「こんにちは。これからみんなでお昼?」
「えぇ。國枝君はもう食べ終わったの?」
「そうなんです。午後一で会議があって、少し早めに休憩貰いました」
そんな状態で聞こえてくるのは、先輩である景子と國枝のやりとりだ。
彼が敬語を使う場面に初めて遭遇したが、年齢的な面も考慮し、その口調から二人の関係性を察することが出来た。
千優の意思とは関係なく、初めて聞く敬語口調な國枝の声を、耳が拾ってしまうのが困りものだ。
これはただの偶然。そう何度も頭の中でくり返すが、鼓動は一向に落ち着かない。
じんわりと頬や耳に感じる熱に、どうしてあの時頷いてしまったのかと、数分前の行動を酷く後悔した。
しかし、どんなに後悔した所でこの場から國枝の姿が消えるわけではない。
それならせめて、早くこの場から立ち去ってくれと、自分の存在に気づくなと、千優は願わずにいられなかった。
「……いっ!」
数秒後、額に強い衝撃と痛みを感じた千優は、思わずその場にうずくまった。
徐に少しばかり顔をあげると、生理的に出た涙で滲む視界に、壁により補強された柱が映り込む。
嫌でも近づく声から意識をそらそうと、周囲を確認せず歩いていたため、目の前に迫るそれに気づかず自ら突撃した様だ。
(いったあああ!)
ジンジンと額に広がる痛みに声をあげそうになった千優は、咄嗟にスカートの裾を握り痛みと声を堪える。
こんな場所で大声で騒ぐなど、更なる注目を集めるだけだ。
「えっ! 柳先輩、大丈夫ですか?」
「ちょっと、千優ったら何やってんの!」
柱に激突した音と一緒に、押し殺しきれなかった千優の声が聞こえたようで、次から次へと心配の声が頭上へ降り注ぐ。
心配の声に混じり、呆れを含んだものも混じっているが、そこは気にしたらおしまいだろう。
それに、一人で勝手に思い込んで行動した結果、他人に迷惑をかけている現実を嫌という程突きつけられては、気にする余裕などない。
酷く情けない気持ちになりながら、まだ少し痛む額をさすり、一先ずその場で立ち上がろうと、千優は両足に力を込めた。
「あらー。大丈夫? 柳ちゃん」
「……っ!」
しっかりと体勢を立て直し、顔をあげた彼女は、次の瞬間言葉を失った。
自分は大丈夫だ、心配しなくてもいいと、心配をかけてしまった面々に向けて開きかけた口が中途半端な形で固まる。
数回瞬きをした瞳が最初にとらえたのは、毎日顔を合わせる女性達ではなく、今この場で最も会いたくない人の姿だ。
(何で……そんな普通の顔していられるんだ)
心配した様子で眉を下げ、呆れ混じりの苦笑を浮かべながら、國枝が声をかけてくる。
真っ直ぐ自分を見つめる瞳から、必死に目をそらそうと試みるが上手くいかず、見開いた瞳を震わせることしか出来なかった。
千優がここしばらく頭を悩ませていた原因は、何もあの一件だけではない。
あんな爆弾を自ら投下しておいて、顔色一つ変えず普段と変わらぬ態度で、彼はその後も日々接してくるのだ。
そんな男へ怒りにも似た感情を抱けば、スッと頭の中が白くなり、全身をめぐる血をやけに熱く感じた。
その途中、前方には景子と明美、両隣には文香と郁という布陣の中で歩く自分を改めて認識し、無性に首を傾げたくなった。
まるで警察に捕まった容疑者のごとく、周囲を固められているのは何故だろう。
(めちゃくちゃ目立ってる)
ただでさえ、自分を覗く総務部女性メンバーは、社内の男性達からそれぞれ好かれている事が多い。
彼氏がいる文香以外、いつも浮いた話は無いと嘆いているが、千優は数回、告白現場に遭遇したことがある。
それについてこちらから話を振るのは微妙かとあえて触れないが、こんなにモテているのに、何故三人に恋人が出来ないのかと、千優はずっと疑問を抱いている。
そんな彼女達が揃っているだけでも凄いというのに、その中心にいるのは特に目立つ容姿でもない自分。
普段は感じることのない好奇な視線を向けられ、心がザワザワと落ち着かず、早々にこの場から離脱したくなった。
「どうせなら、水谷先輩も来れればよかったのに」
「仕事が忙しいのなら、仕方ないじゃない」
しかし、せっかくのお誘いを無下に断ることも出来ず、そのまま歩いていると、同期の明美と文香が交わす会話が聞こえてくる。
この場にいる四人と顔見知りとなった茅乃ではあるが、彼女がこの総務部の輪に入ったことは、今まで一度もない。
『え? どうして笹沼さん達の誘い断ったかって? そりゃ決まってるでしょう。社会人オタクにとって、昼休みは貴重な時間なの。ソシャゲのイベント走らないと順位が落ちる!』
『それじゃ、私のことも無理して誘わなくてもいいよ?』
『千優はいいの。他の人と違ってむやみに話しかけて来ないし。でも適度に話してくれるし。……はっ、イベガチャに天使が! 千優、代打頼むわ』
『皆と私の違いがよくわからない。……っと、これでいいの?』
『うんうん、オッケー。何て言うか、オタクと一般人の中間、みたい……あぁあ、天使キター! ありがとう、ありがとう。やっぱり千優が回すと推しが必ず出るわー。本当に毎回ありがとう!』
小学生のころから、ずっと弟達の世話ばかりしていたせいで、漫画、アニメ、ゲームといった類のものに触れた経験は限りなくゼロだ。
強いて言えば、弟や妹が見ていたアニメを一緒に見るくらいはしたが、所詮その程度。
そんな自分に、オタク的要素はあるのだろうかと、過去の会話を脳内で掘り起こしながら首を傾げる。
真意は不明だが、どうやら茅乃の中で自分と他のメンバーは何かが違うらしい。
もしかしたら、好奇な視線を集める華やかさの有無でも関係しているのだろうか。
(いや、でも……茅乃だって、どちらかと言えばモテてるよね。……外見だけ、見れば)
何故自分の周囲には顔面偏差値の高い女性ばかりが集まるのかと頭を悩ませながら、千優は皆にバレないよう小さくため息を吐いた。
「あれ? あの人、國枝さんじゃないですか?」
「……っ!」
食堂まであと数メートル。今日は何を注文しようかと頭を悩ませていると、隣を歩く郁の声が聞こえた。
反射的に足元を見つめていた視線をあげると、食堂から出てくる國枝の姿が目に止まる。
彼の顔を見つめ、姿を認識すれば、これまで正常だった脈拍が急に激しさを増すのがわかった。
「あ、本当だ。國枝さーん、こんにちは」
(あ、明美のやつー! 何で話しかけるんだ)
明るい声を発し、軽く手をあげて振る明美の姿に、ギョッと目を見開くと、心のざわつきまでもが脳を伝わり、幻聴として鼓膜を震わせる。
このままではマズい。詳細はわからないが、とにかく何かがマズいと判断した千優は、咄嗟に歩調を緩め、皆に気づかれないようグループの後方へ下がった。
そのまま壁際へ移動し俯くと、自分の足元を見つめながら皆の後に続く。
「こんにちは。これからみんなでお昼?」
「えぇ。國枝君はもう食べ終わったの?」
「そうなんです。午後一で会議があって、少し早めに休憩貰いました」
そんな状態で聞こえてくるのは、先輩である景子と國枝のやりとりだ。
彼が敬語を使う場面に初めて遭遇したが、年齢的な面も考慮し、その口調から二人の関係性を察することが出来た。
千優の意思とは関係なく、初めて聞く敬語口調な國枝の声を、耳が拾ってしまうのが困りものだ。
これはただの偶然。そう何度も頭の中でくり返すが、鼓動は一向に落ち着かない。
じんわりと頬や耳に感じる熱に、どうしてあの時頷いてしまったのかと、数分前の行動を酷く後悔した。
しかし、どんなに後悔した所でこの場から國枝の姿が消えるわけではない。
それならせめて、早くこの場から立ち去ってくれと、自分の存在に気づくなと、千優は願わずにいられなかった。
「……いっ!」
数秒後、額に強い衝撃と痛みを感じた千優は、思わずその場にうずくまった。
徐に少しばかり顔をあげると、生理的に出た涙で滲む視界に、壁により補強された柱が映り込む。
嫌でも近づく声から意識をそらそうと、周囲を確認せず歩いていたため、目の前に迫るそれに気づかず自ら突撃した様だ。
(いったあああ!)
ジンジンと額に広がる痛みに声をあげそうになった千優は、咄嗟にスカートの裾を握り痛みと声を堪える。
こんな場所で大声で騒ぐなど、更なる注目を集めるだけだ。
「えっ! 柳先輩、大丈夫ですか?」
「ちょっと、千優ったら何やってんの!」
柱に激突した音と一緒に、押し殺しきれなかった千優の声が聞こえたようで、次から次へと心配の声が頭上へ降り注ぐ。
心配の声に混じり、呆れを含んだものも混じっているが、そこは気にしたらおしまいだろう。
それに、一人で勝手に思い込んで行動した結果、他人に迷惑をかけている現実を嫌という程突きつけられては、気にする余裕などない。
酷く情けない気持ちになりながら、まだ少し痛む額をさすり、一先ずその場で立ち上がろうと、千優は両足に力を込めた。
「あらー。大丈夫? 柳ちゃん」
「……っ!」
しっかりと体勢を立て直し、顔をあげた彼女は、次の瞬間言葉を失った。
自分は大丈夫だ、心配しなくてもいいと、心配をかけてしまった面々に向けて開きかけた口が中途半端な形で固まる。
数回瞬きをした瞳が最初にとらえたのは、毎日顔を合わせる女性達ではなく、今この場で最も会いたくない人の姿だ。
(何で……そんな普通の顔していられるんだ)
心配した様子で眉を下げ、呆れ混じりの苦笑を浮かべながら、國枝が声をかけてくる。
真っ直ぐ自分を見つめる瞳から、必死に目をそらそうと試みるが上手くいかず、見開いた瞳を震わせることしか出来なかった。
千優がここしばらく頭を悩ませていた原因は、何もあの一件だけではない。
あんな爆弾を自ら投下しておいて、顔色一つ変えず普段と変わらぬ態度で、彼はその後も日々接してくるのだ。
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