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馴れ初め編/序章 ミステイク・オブ・ゴッド
02.開発部の三人組
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さかのぼること数か月前、この日も千優は自分専用のデスクでいつものように仕事をこなしていた。
パソコンの画面を見ながらカタカタとキーボードを叩いていれば、不意に自分の名を呼ぶ声が耳に届く。
一旦手を止め、キーボードから手を離しながら後ろをふり向くと、すぐそばにたたずむ部長の姿が目につく。
視界に映り込んだ上司の登場に、千優は急いでデスクに手をつき立ち上がった。
「何ですか、部長」
「あぁ、仕事中悪いね。ちょっとおつかいを頼まれて欲しいんだ。この書類を、商品開発部に届けてくれないか?」
そう言って彼は、ホチキスやクリップでまとめられた紙束を、千優の目の前へ差し出す。
いつもの癖で、「あ、はい」と反射的に両手を前へ出し受け取ると、ドサドサと書類同士が重なる音が聞こえた。
次いで両手にわずかな重みを感じ、落とさないよう、軽く胸元で乱れたそれを軽く整える。
「商品開発部の何方に?」
「田所部長に頼むよ。それじゃあ、よろしく」
一度手元へ落とした視線をあげながら問いかければ、部長はにこやかな笑みを浮かべ、千優の肩をポンポンと軽く叩きその場を去っていった。
(今の……相手が相手なら、セクハラだって騒がれるんじゃないか?)
少し離れた場所で、別の男性社員と談笑する上司の姿に、思わずため息が出てしまう。
今の世の中、何気なく喋った一言や、ちょっとしたスキンシップで、女性から訴えられる男性達は昔より多くなったと聞く。
千優自身、これくらいのことを一々気にするような性格ではないので問題ない。
しかし、今この場に居るのが自分ではなく、部長にとって相性の悪い相手だったら。
そんなもしもの可能性が頭を過る。
(まぁ、いっか。とりあえず総務には、セクハラだなんだって騒ぐ女の人居ないだろうし)
同じ総務部で働く同僚達を思い出しながら、千優は一人、ウンウンと納得した様子で頷くのだった。
千優は改めて、今しがた受け取ったばかりの資料に目を落とすと、たった数百グラムであろう重さが腕から脳へ伝わる。
(めんどくさ。でも、放り出すわけにもいかないし……)
顔をあげて周囲を見回せば、他の社員達は皆パソコンとにらめっこしていたり、電話をしていたりと忙しい様だ。
他部署へ書類を届けるなど、新入社員に任せるような雑務。しかし、これもれっきとした仕事の一つなのだ。
朝からずっとデスクワークが続いていた。なので、これは気分転換も兼ねた散歩のようなもの。
そう自分に言い聞かせながら小さく息を吐き、書類を抱えなおした千優は、総務部フロアの入口横にあるボードへ近づく。
「開発部に……届け物、っと」
紙束を片手に抱え、空いた右手で目についた白いチョークを取る。そのままスラスラと文字を書けば、学生に戻ったような気分になる。
目の前にあるのは、学生時代よく目にした黒板と同じ色をしたボード。
特殊な加工がされているらしく、各部署にあるボードはすべて、チョークで文字が書けるそうだ。
総務部全員の名が並ぶそれは、いわば自分の居場所を示す伝言板。
柳と印字されたマグネットの横に文字を書き終え、手にしていたものを元の場所へ戻す。
わずかに白に染まった指同士を擦り合わせてみるものの、すぐには綺麗にならない。
「いってきます」
皆仕事に集中しているフロアへ一礼し、千優はその足で商品開発部のフロアへ向かった。
「あの書類どこにやった!?」
「おい、もうすぐ会議始まるぞ」
(うわぁ……マズい時に来たかも)
エレベーターを降り、しばし廊下を歩く。そして目的地へ一歩足を踏み入れた千優は、己のタイミングの悪さをひどく後悔した。
無意識に引きつる口元を隠せない程、目の前の空間は騒然としている。
引っ切り無しに目の前を行き交う人々の姿に加え、電話の着信音や社員同士がやりとりする声が休みなく聞こえるせいだ。
自分が配属された総務部の数倍は忙しいであろう社員達の迫力に圧倒され、後退りそうになるが、床から伸びた根が足に絡み身動きが取れない。
(さっさと部長を探して、書類を渡して帰ろう)
場違いすぎるフロアの空気を感じ取り、早々に撤退を決めた千優は、書類の届け先でもある田所部長の姿を探し、キョロキョロと内部を見回す。
しかし、ざっと見回した限りでは、部長らしき人物は見当たらない。入り口近くにいるせいか、室内の奥まで見渡せないのが難点だ。
もう少し内部に踏み込んでみるべきか。いっその事、近くを通った社員をつかまえ、部長の居場所を聞き出すか。
まるで、学生時代に職員室を訪問する生徒のように、千優は目の前を通り過ぎる人々を目で追いながら、次の行動を躊躇ってしまう。
なるべく忙しくなさそうな人に声をかけようと、行き交う人々を吟味する。
「……あれ? 柳じゃないか。どうしたお前、何かうちに用か?」
暇人を求め念を送らんばかりにフロアを見回していた時、背後から自分を呼ぶ聞き覚えのある声が聞こえた。
反射的に声の方へ顔を向けると、そこには見知った顔が三つ並んでいる。
「あぁ、丁度良かった。後藤さん、この書類を田所部長に渡してください。うちの部長から頼まれたんで」
眉間に皺をよせ、念を送った効果があったのかもしれない。
そう思いながら、千優は声をかけてくれた男に持っていた紙束を押しつける。
彼の名前は後藤悠介。千優にとっては先輩であり、飲み仲間の一人だ。
「あーらら……部長なら、今は外出てていないぞ。タイミング悪かったな、お前」
「篠原……重いから腕どけて」
苦笑いを浮かべる後藤が、「わかったよ」と書類を受け取る様子を見つめていた時、やけに明るく元気な声が耳に飛び込んできた。
しかも、頭に正体不明の何かがズシリと圧し掛かるオマケつきで。
後藤とは違う口調と声色だが、千優にとって犯人を特定するなど朝飯前。
大きなため息を吐き、視線を斜め上へ向ける。
すると、真横から人の頭に腕を乗せ、こちらへ体重をあずけ寄りかかる男の姿が目についた。
名前は篠原寿明。千優とは同期入社であり、後藤と同じ飲み仲間でもある同僚だ。
後藤と篠原の二人は、共に商品開発部に所属している。
他部署の彼らと仲良くなったきっかけは、会社が定期的に主催してくれる飲み会の席だ。
篠原の紹介で、千優は後藤と知り合って以来、時々三人で居酒屋へ行き、愚痴をこぼし合う関係になった。
頭の上から退く気配の無い篠原の腕を気にしながら、千優の眼差しは、こちらを見つめるもう一人へ向けられる。
商品開発部の中で最も有能、近い将来昇進間違いなしと言われている男、國枝螢。
他二人に比べれば付き合いは少ないものの、普通に言葉を交わす程度には親しい間柄だ。
「はぁ、まったく……。あーんーたー達ー、柳ちゃんに構ってばっかりじゃなくて、ちゃんと仕事しなさいよっ!」
「うぉ!?」
國枝がわざとらしく肩を上下させため息を吐くと、首元でまとめられた彼の長い黒髪が、肩の動きに合わせわずかに揺れる。
その様子に目を奪われていると、不意に右手を誰かに握られ、そのままグイっと力強く引っ張られる。
上半身が右へ傾く感覚に驚き、千優は大きく目を見開いた。
己の身に起こっていることを理解出来ずにいると、次の瞬間、ポスンと暖かく大きなモノに身体をすっぽり包み込まれる。
「っと。大丈夫? 柳ちゃん」
すると、先程まで右側から聞こえていたはずの國枝の声が、何故か頭上から聞こえてくる。
不思議に思いながら恐る恐る顔をあげた先には、なんと間近でこちらを見下ろす彼の顔があった。
あまりの近さに、喉元まで出かかった叫び声を必死に飲み込んだ千優は、一度上げた視線をゆっくり床へ下していく。
その途中、自分が彼に抱き留められていることに気づかされた。
「だ、大丈夫ですっ! ……あ、ありがとう、ございます」
反射的に、スーツ越しに國枝の胸元へ両手をついた千優は、自分を包むぬくもりから逃げるように、彼から数歩距離をとった。
予期せぬ動きに一瞬よろけるも、すぐに両足に力を入れ、体勢を立て直す。
体に力が入ったせいか、返事をする声のボリュームが少しだけ大きくなる。
だが、続く感謝の言葉は一転し弱々しくなっていく。
足元を見つめる視線をあげると、「そう、よかったわ」と微笑む國枝と視線が交わる。
先程の状況を冷静に頭の中で分析する。
きっと彼は、篠原に絡まれていた自分を助けてくれたのだろう。
この歳になって、という気恥しさのせいか、感謝を伝える声は、思った以上に小さくなってしまった。
きちんと気持ちを伝えられただけでも及第点と言ったところだろうか。
誰かに手を差し伸べられたり、助けてもらうという経験を、これまであまりしてこなかった気がする。
どちらかと言えば逆で、千優は子供の頃からずっと、困っている人に手を差し伸べたり、助けたりという立場になることが多かった。
そのせいだろうか。
何てことのない國枝の行動を思い出し、未だ抜けぬ気恥しさから、胸の辺りがむず痒くなる。
やわらかく、木漏れ日のような彼の笑みから、つい目をそらしたくなった。
パソコンの画面を見ながらカタカタとキーボードを叩いていれば、不意に自分の名を呼ぶ声が耳に届く。
一旦手を止め、キーボードから手を離しながら後ろをふり向くと、すぐそばにたたずむ部長の姿が目につく。
視界に映り込んだ上司の登場に、千優は急いでデスクに手をつき立ち上がった。
「何ですか、部長」
「あぁ、仕事中悪いね。ちょっとおつかいを頼まれて欲しいんだ。この書類を、商品開発部に届けてくれないか?」
そう言って彼は、ホチキスやクリップでまとめられた紙束を、千優の目の前へ差し出す。
いつもの癖で、「あ、はい」と反射的に両手を前へ出し受け取ると、ドサドサと書類同士が重なる音が聞こえた。
次いで両手にわずかな重みを感じ、落とさないよう、軽く胸元で乱れたそれを軽く整える。
「商品開発部の何方に?」
「田所部長に頼むよ。それじゃあ、よろしく」
一度手元へ落とした視線をあげながら問いかければ、部長はにこやかな笑みを浮かべ、千優の肩をポンポンと軽く叩きその場を去っていった。
(今の……相手が相手なら、セクハラだって騒がれるんじゃないか?)
少し離れた場所で、別の男性社員と談笑する上司の姿に、思わずため息が出てしまう。
今の世の中、何気なく喋った一言や、ちょっとしたスキンシップで、女性から訴えられる男性達は昔より多くなったと聞く。
千優自身、これくらいのことを一々気にするような性格ではないので問題ない。
しかし、今この場に居るのが自分ではなく、部長にとって相性の悪い相手だったら。
そんなもしもの可能性が頭を過る。
(まぁ、いっか。とりあえず総務には、セクハラだなんだって騒ぐ女の人居ないだろうし)
同じ総務部で働く同僚達を思い出しながら、千優は一人、ウンウンと納得した様子で頷くのだった。
千優は改めて、今しがた受け取ったばかりの資料に目を落とすと、たった数百グラムであろう重さが腕から脳へ伝わる。
(めんどくさ。でも、放り出すわけにもいかないし……)
顔をあげて周囲を見回せば、他の社員達は皆パソコンとにらめっこしていたり、電話をしていたりと忙しい様だ。
他部署へ書類を届けるなど、新入社員に任せるような雑務。しかし、これもれっきとした仕事の一つなのだ。
朝からずっとデスクワークが続いていた。なので、これは気分転換も兼ねた散歩のようなもの。
そう自分に言い聞かせながら小さく息を吐き、書類を抱えなおした千優は、総務部フロアの入口横にあるボードへ近づく。
「開発部に……届け物、っと」
紙束を片手に抱え、空いた右手で目についた白いチョークを取る。そのままスラスラと文字を書けば、学生に戻ったような気分になる。
目の前にあるのは、学生時代よく目にした黒板と同じ色をしたボード。
特殊な加工がされているらしく、各部署にあるボードはすべて、チョークで文字が書けるそうだ。
総務部全員の名が並ぶそれは、いわば自分の居場所を示す伝言板。
柳と印字されたマグネットの横に文字を書き終え、手にしていたものを元の場所へ戻す。
わずかに白に染まった指同士を擦り合わせてみるものの、すぐには綺麗にならない。
「いってきます」
皆仕事に集中しているフロアへ一礼し、千優はその足で商品開発部のフロアへ向かった。
「あの書類どこにやった!?」
「おい、もうすぐ会議始まるぞ」
(うわぁ……マズい時に来たかも)
エレベーターを降り、しばし廊下を歩く。そして目的地へ一歩足を踏み入れた千優は、己のタイミングの悪さをひどく後悔した。
無意識に引きつる口元を隠せない程、目の前の空間は騒然としている。
引っ切り無しに目の前を行き交う人々の姿に加え、電話の着信音や社員同士がやりとりする声が休みなく聞こえるせいだ。
自分が配属された総務部の数倍は忙しいであろう社員達の迫力に圧倒され、後退りそうになるが、床から伸びた根が足に絡み身動きが取れない。
(さっさと部長を探して、書類を渡して帰ろう)
場違いすぎるフロアの空気を感じ取り、早々に撤退を決めた千優は、書類の届け先でもある田所部長の姿を探し、キョロキョロと内部を見回す。
しかし、ざっと見回した限りでは、部長らしき人物は見当たらない。入り口近くにいるせいか、室内の奥まで見渡せないのが難点だ。
もう少し内部に踏み込んでみるべきか。いっその事、近くを通った社員をつかまえ、部長の居場所を聞き出すか。
まるで、学生時代に職員室を訪問する生徒のように、千優は目の前を通り過ぎる人々を目で追いながら、次の行動を躊躇ってしまう。
なるべく忙しくなさそうな人に声をかけようと、行き交う人々を吟味する。
「……あれ? 柳じゃないか。どうしたお前、何かうちに用か?」
暇人を求め念を送らんばかりにフロアを見回していた時、背後から自分を呼ぶ聞き覚えのある声が聞こえた。
反射的に声の方へ顔を向けると、そこには見知った顔が三つ並んでいる。
「あぁ、丁度良かった。後藤さん、この書類を田所部長に渡してください。うちの部長から頼まれたんで」
眉間に皺をよせ、念を送った効果があったのかもしれない。
そう思いながら、千優は声をかけてくれた男に持っていた紙束を押しつける。
彼の名前は後藤悠介。千優にとっては先輩であり、飲み仲間の一人だ。
「あーらら……部長なら、今は外出てていないぞ。タイミング悪かったな、お前」
「篠原……重いから腕どけて」
苦笑いを浮かべる後藤が、「わかったよ」と書類を受け取る様子を見つめていた時、やけに明るく元気な声が耳に飛び込んできた。
しかも、頭に正体不明の何かがズシリと圧し掛かるオマケつきで。
後藤とは違う口調と声色だが、千優にとって犯人を特定するなど朝飯前。
大きなため息を吐き、視線を斜め上へ向ける。
すると、真横から人の頭に腕を乗せ、こちらへ体重をあずけ寄りかかる男の姿が目についた。
名前は篠原寿明。千優とは同期入社であり、後藤と同じ飲み仲間でもある同僚だ。
後藤と篠原の二人は、共に商品開発部に所属している。
他部署の彼らと仲良くなったきっかけは、会社が定期的に主催してくれる飲み会の席だ。
篠原の紹介で、千優は後藤と知り合って以来、時々三人で居酒屋へ行き、愚痴をこぼし合う関係になった。
頭の上から退く気配の無い篠原の腕を気にしながら、千優の眼差しは、こちらを見つめるもう一人へ向けられる。
商品開発部の中で最も有能、近い将来昇進間違いなしと言われている男、國枝螢。
他二人に比べれば付き合いは少ないものの、普通に言葉を交わす程度には親しい間柄だ。
「はぁ、まったく……。あーんーたー達ー、柳ちゃんに構ってばっかりじゃなくて、ちゃんと仕事しなさいよっ!」
「うぉ!?」
國枝がわざとらしく肩を上下させため息を吐くと、首元でまとめられた彼の長い黒髪が、肩の動きに合わせわずかに揺れる。
その様子に目を奪われていると、不意に右手を誰かに握られ、そのままグイっと力強く引っ張られる。
上半身が右へ傾く感覚に驚き、千優は大きく目を見開いた。
己の身に起こっていることを理解出来ずにいると、次の瞬間、ポスンと暖かく大きなモノに身体をすっぽり包み込まれる。
「っと。大丈夫? 柳ちゃん」
すると、先程まで右側から聞こえていたはずの國枝の声が、何故か頭上から聞こえてくる。
不思議に思いながら恐る恐る顔をあげた先には、なんと間近でこちらを見下ろす彼の顔があった。
あまりの近さに、喉元まで出かかった叫び声を必死に飲み込んだ千優は、一度上げた視線をゆっくり床へ下していく。
その途中、自分が彼に抱き留められていることに気づかされた。
「だ、大丈夫ですっ! ……あ、ありがとう、ございます」
反射的に、スーツ越しに國枝の胸元へ両手をついた千優は、自分を包むぬくもりから逃げるように、彼から数歩距離をとった。
予期せぬ動きに一瞬よろけるも、すぐに両足に力を入れ、体勢を立て直す。
体に力が入ったせいか、返事をする声のボリュームが少しだけ大きくなる。
だが、続く感謝の言葉は一転し弱々しくなっていく。
足元を見つめる視線をあげると、「そう、よかったわ」と微笑む國枝と視線が交わる。
先程の状況を冷静に頭の中で分析する。
きっと彼は、篠原に絡まれていた自分を助けてくれたのだろう。
この歳になって、という気恥しさのせいか、感謝を伝える声は、思った以上に小さくなってしまった。
きちんと気持ちを伝えられただけでも及第点と言ったところだろうか。
誰かに手を差し伸べられたり、助けてもらうという経験を、これまであまりしてこなかった気がする。
どちらかと言えば逆で、千優は子供の頃からずっと、困っている人に手を差し伸べたり、助けたりという立場になることが多かった。
そのせいだろうか。
何てことのない國枝の行動を思い出し、未だ抜けぬ気恥しさから、胸の辺りがむず痒くなる。
やわらかく、木漏れ日のような彼の笑みから、つい目をそらしたくなった。
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