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番外編

第20話 咲子は賢い!? その1

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 部屋に戻った俺と咲子。
 朝食の時間は朝7時から、昨夜と同じ様にレストランで食べられるが、俺達家族の希望時間は7時半で有る。
 朝6時過ぎを目安に家族は起きて、行きたい人は朝風呂に行く予定だったが、俺と咲子がフライングしてしまった。

 今の時刻は、午前6時半手前……。朝風呂も入ってしまったので、やるべき事は無い。
 俺はテレビを付けて、朝のニュース番組を見始める。
 話題のニュースや、地域情報を見ていると……

「お父さん! また2人の時間が来たね!」

 嬉しそうに言う咲子。また、何か企んでいるか?
 昨夜は、浴衣の胸元をはだけさせて来たが、今朝はどうするつもりだ?

「お父さん! 久しぶりにハグしてよ!!」

 ここで咲子は、ハグを求めてきた。
 咲子とハグをしたのは、俺の単身赴任元から戻る日に咲子として以来だ。

「……朝からするのか?」
「雰囲気もムードも無いのに…?」

 まだ、お互いが温泉から上がったばかりで体が温かいのに、こんな時に抱き合ったりしたら汗に成る……

「お父さん。今しか、チャンス無いじゃん!!」
「それに今を逃すと、二度と無いかも知れないし…」

「俺的には二度と無くても一向に構わないが…」

 すると……咲子は少し怒った口調で言う。

「私が嫌なの!!」
「さぁ、お父さん立って!!」
「さっととするよ!!」

 相変わらずの強気な性格だ。
 そんなに俺とハグをしたいのか?

「浴衣姿の咲子が俺とハグをしたら……咲子は恥ずかしく無いのか?」
「下着だって見えるかも知れんぞ!」

 咲子に羞恥心を分からせる様に言うが……

「別に!!」
「義理でも親子だし!!」
「あの時(前回)だって、上着は服1枚だったから大して変わらないよ!」

(咲子の考えが俺の中では、全く理解が出来ない!)
(咲子は俺が手を出せない事を知っていて、やっているのか!?)

「さぁ、早く!」

 咲子は諦める気は無いし、グズグズしていると母さん達が戻って来る。
 普通にハグをするだけだ! 親子愛の確認だ!!
 俺はそう考えを纏めて、咲子と2回目のハグをすることした。

「じゃあ、行くぞ…」

「うん!」

 笑顔で嬉しそうに言う咲子。
 折角、俺の事を諦めた者だと思っていたのに……
 宮子も口では恐ろしい事は言うが、行動には出ないからな。
 咲子もその辺に気付いたから、また俺を振り向かせようとし始めたのだな!

 俺は咲子を優しく抱く。決して、咲子に好意が有ってしている訳では無い!
 親子のスキンシップだ!!

「あ~~、お父さんに抱かれると安心する」
「私が求めているのかな…」

 咲子は甘える感じで言う。本当にハグされたかったのか…?
 最後の方の言葉は……聞き流そう。

「お父さん……。もう少し、強く抱きしめても良いよ…」
「物足りないでしょ!」

「いや……それは、浴衣同士だから、あまり…」

 情けない事に、俺は咲子をハグしている最中に、下腹部の物が反応してしまった。
 咲子にそれを察知されると、ろくな展開しか見えてこない!!

「……」

 俺の足下を見始める咲子。どうやら……、咲子はそれに気付いた様だ!

「お父さん…。本当に浴衣が好きなんだね!」
「前、ハグした時は、そんなのじゃ無かったね♪」

「あぁ…」

 咲子の中では浴衣で反応して、俺の物が変化したと感じているらしい。
 前回ハグをした時は、俺がGパンを履いていたので、咲子は気付かなかっただけだ!

「これ以上すると、襲われるから終わるね…」

「あぁ、そうしてくれ…」

 お互いが体を離そうとした時に……

『ガラッ!!』

 ふすまの扉が急に開く!!

「あっ! 咲子お姉ちゃんとお父さんが抱き合っている!!」

 大声で言う主! それは真央だった!!

 俺と咲子は急いで離れるが……

「お父さん! 咲子お姉ちゃん!!」
「どうして、抱き合っていたの?」

 真央は当然聞いてくる! それも悪気の無い顔で!!
 しかし、温泉から出て来るのは早くないか?

「真央……。真央は朝風呂に入ったのだよな?」

 俺は真央に聞く。

「うん! 入ったよ!!」
「でも、昨日は2回もお風呂に入ったし、お風呂からの景色も見飽きたら戻って来た!!」

 小学生の真央に、温泉に浸かる楽しみを知る年代には少し早い。
 それに真央は咲子に一番懐いている。咲子に口答えを最近する様に成った真央だが、それでも咲子が好きなんだろう……

 しかし……不味い場面を見られてしまった。
 こう成らない様に、早めに咲子とハグをしたのだが、真央の行動までは考えてなかった。咲子の方も、少し困った表情をしていた。

 どうやって、真央を誤魔化して、母さんや宮子に話さない様にするべきか?
 朝から頭を使う事が起きてしまった……
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