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一時の安心・・・

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 その日は当然だけど少し寝坊をしてしまい、急いで準備をして学校に向かう。
 一本遅い電車だが電車にも乗れて、ギリギリに成るが遅刻は回避出来そうだ。
 始業時間5分前の所で学校に着き教室に入る。
 俺は教室に入ると、日生の席にめずらしく真央が来ており何か話している。俺は早速2人に挨拶をする。

「おはよう! 日生ちゃん。真央」

 挨拶をすると2人は気付いたらしく・・・

「おはよう~」

「おはっ!」

 それぞれ挨拶を返してくれるけど・・・日生の挨拶『おはよ~』に思わず胸がドキッとしてしまう。

(やっぱり、かわいい・・・)

 振られてからの挨拶は真顔に近いのばかりだったけど、今日の日生の挨拶は、100点中80点位の笑顔だった。

「あれ?」
「良輔。顔がにやけてるけど、そんなに嬉しい? 日生からの挨拶?」

 状況を知っている真央は、いきなりからかいだす。

「えっ、にやけてないよ! これが普通だよ!!」

「そんな事無いよね~~。ねぇ、日生?」

「うっ、うん・・・そうだね。良い事有った?」

「うん、有ったよ! すごく良い事!!」

「へぇ~、それは教えて欲しいね。どんな良い事?」

 真央のからかいが更にエスカレートする。

「えっと・・・まあ、後で!」
「もう、チャイム鳴るよ、真央。そろそろ教室戻らないと」

「少しくらい大丈夫だよ! さあ、どんな良い事?」

 真央が結構大きな声で言うので、いつの間にかクラスの連中が俺に注目をしている。

(言える訳がない!)
(日生と関係を修復出来たなんて!!)

 どうしようかと思った時に丁度、担任が教室に入ってくる。

「はい。もうチャイム鳴りますよ」
「よそのクラスの人はそれぞれの教室に戻って!」

 真央は『残念・・・』の顔をしている。真央が渋々教室に戻ろうとした時・・・

「今日は3人仲良くお昼を食べようね!」
「2人からは色々聞きたい事有るしさ~♪」

 “ニヤッ”との顔をして、教室に戻って行く真央。それを見ている俺と日生。

「ねぇ、日生ちゃん」
「真央って俺たちの状況知っているの?」

「うん。知っているよ。昨日の夜とさっき話した!」

「そうなんだ・・・」

「それと・・・良輔。2時間目終わったら、少し付き合って・」

「えっ!」
「うん・・・分かった」

 俺は理由を聞こうと一瞬考えたが、日生から只ならぬ雰囲気を感じたので了解だけする。
 俺の中では一段落着いたかと感じたが、日生の中では、まだ終わって無いようだ・・・
 ・・・・・・
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