偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった！

【R-15】稀子編 第2章

第398話 稀子の両親に逢う その2

「クスッ…」

「！？」

「？？」

　稀子母親はしばらく俺を見据えていたが、急に吹き出し始める！？
　何が何だか、さっぱり理解出来ない！！///
　稀子の方も自分の母親で有るのに、理解出来ない表情をしている。

「……比叡さん。遠い所から……ようこそいらっしゃいました！」
「稀子の母親で有る。真庭楓まにわかえでです…」
「稀子とは大変、仲良くさせてもらっているそうで……」

　稀子母親で有る楓さんは、急に穏やかな表情に変わって俺に挨拶を始める！
　何かのドッキリを感じるほどの豹変さだ！！///
　楓さんは、その表情で言葉を続ける。

「ごめんね…」
「あなたの素性が知りたくて、少し意地悪したのよ///」

「……素性ですか」

　俺は澄ました表情で楓さんに聞くと、楓さんは穏やかな表情で俺に話し始める。

「比叡さんの事は、あなたが以前住んでいた町で、稀子と出会った頃から聞いているわ」
「真面目で優しい好青年で有り、同時に夢を追い掛けていると……稀子は嬉しい事は何でも話す娘だからね！///」

「今回は稀子のお願いを聞いて貰って、こんな辺鄙な地まで来て貰ったのだろうけど、私は比叡さんの中身を全く知らない」
「それで、軽いお芝居をして、あなたの素性を見てみたかったのよ！」

「……そうでしたか！」
「俺も急に楓さんに怒られるので、本当に“びっくり”しました…」

　俺は納得した表情で、楓さんに話す。
　楓さんは、和やかな表情で俺に話し始める。

「私が言うのも何だけど、二人はお似合いだと思うわ！」
「稀子は比叡さんの様な人がタイプだから！♪」

「……さっきの言葉で比叡さんが逆ギレしたり、稀子のフォローが無ければ、信用出来ない人と見ていたかも知れないけど、私の中では合格だわ！♪」
「目上の人への対応も出来ているし、髪型や服装もふざけた姿では無い！」
「少し……年齢が離れているのが問題だけど、今の時代だから良いとして……」

　最後の文節は、歯切れの悪い口調で言う楓さん。
　稀子は困った笑顔で、楓さんに話し始める。

「もう、お母さん。急にビックリしたよ！（汗）」
「お母さんが急に比叡君へ怒り出すから……」

「ごめんね…。稀子///」
「お母さんも、比叡さんの中身を見てみたかったから…///」

　楓さんは頬を染めた、困った微笑み表情で稀子に言う。
　稀子への言葉の後。楓さんは穏やかな表情に変わって、俺に向けて話し始める。

「では、比叡さん！」
「お父さんへの案内の前に、部屋の案内をするね！！」

「あっ、はい！///」
「お願いします。楓さん！///」

　俺は緊張した表情で楓さんに話す。
　此処でやっと、俺は稀子実家の玄関内に入る。

　……

　俺は楓さんに、この滞在中の部屋を案内して貰う中。稀子は当然自室が有るので、稀子とは少し離れる。

「比叡さん…。こちらの部屋です！」
「稀子に呼びに来させる様にしますので、しばらく待っていてくださいね」

　俺は俗に言う、客間に案内される。
　和室の何にも無い部屋。

　だが、座布団が一枚と、小さな座卓は用意されていた。
　流石にまだ夜では無いので、布団は敷かれてなかった。

　楓さんは和やかな表情で俺に言い終えると、俺の元から離れていく。
　俺はカバンを部屋の隅に置きながら、客間を軽く見回す。

（今日から三日間。ここで寝泊まりをするのだよな…）
（俺はお客さんだから、客間に案内されるのは当然としても、何も無い部屋だな）

　俺の今回の用事は、稀子両親への自己紹介だけである。
　稀子の家は農家だが、農業の手伝いとかは聞いていないし、イベントも特に聞いていない。

　本来なら日帰りで済む用事で有るが、場所が場所であるし、俺は稀子と恋人関係で有る。
　でも、稀子の事だから……色々と隠し球を持っているんだろうな！