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【R-15】稀子編 第2章

第385話 あの時の約束 その1

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 俺はみんなに、就寝の挨拶をしてアパートに戻る。
 無事に合格出来て良かったと思いながら、布団を敷いて就寝の準備を始めているが……

(これで、学科試験も合格出来た訳だし、稀子はあの時の約束を果たしてくれるのかな…?)

『学科試験に合格したら、真剣に考えて上げる♪』

(稀子は真面目な性格だから、真剣に考えてくれると良いのだが…)

 俺は稀子の事を思いながら、布団に潜り込む。
 仮に稀子と本当に性行為をするならこの部屋でするか、ラ○ホテルでの選択に成るが、お金の事を考えればこの部屋の方が安く済む!?

(あっ……そうすると、避妊具の準備もしないとな…)
(稀子の性格上、準備していそうな気は……無いか…)

 稀子の年齢は大学生で有るが時々、中学生に見えてしまう時が有る!?
 何時までも子ども心忘れない、素晴らしい彼女では有るが、性に関しても子どもで止まっているので、全てが良い訳では無い!!

(避妊具の準備は早い内にして……後は何時、稀子をその気にさせるかだな……)

 俺は稀子との初S○Xにたどり着くのは、まだ先だよなと思いながらその日は眠りに就くが……その予想は良い意味で裏切られた!?

 ☆

 学科試験に合格した週末……

 今日は土曜日で有り、明日は日曜日で有る。
 今日も俺の実技試験練習に、稀子は午前中から喜んで付き合ってくれている。
 途中で昼食の時間を挟んで、午後からも順調良く練習も進んで、一区切りが着いたところで稀子が穏やかな表情で、俺に話し掛けてくる。

「もう、殆ど練習は要らないぐらいだね。比叡君!」
「…実技試験は来月の中旬だっけ?」

「うん。実技試験は来月の中旬だよ。稀子!」
「今の状態だと、実技試験も一発合格出来るかも知れないな!!」

 俺は和やかな表情で稀子に言う。
 実技試験練習も、ほぼ一年以上前から取り組んでいるから、これで合格出来ないのはおかしいくらいだ!?

「比叡君が保育士さんの資格を無事に取れたら、いよいよ学童保育士さんの仕事に就けるね♪」

 稀子は嬉しそうな笑顔と口調で言う。
 アルバイトやパート社員なら、そう言った流れに成るだろうが、俺の場合は正規職員を目指している。

 それに俺の場合は、稀子の実家が有る地域と稀子から指定されているから、その地域で正規職員を目指すと成ると、市町村採用の道を辿らないと行けない。
 その地域は、民間運営の学童保育所や施設が無いからだ。

 市町村採用は公務員に近い待遇に成るので、採用のハードルも一気に高くなる。
 正規職員の採用試験は年に1回しか無いし、採用選考もこの夏付近を中心に行われてしまう。

 これが大学生とかの学生なら卒業・取得見込みで、来年度採用の正規職員に応募出来るが、俺の場合はそれが出来ない。
 俺の場合は学生でも無いし、取得見込みを保証してくれる機関や団体は無い。

 俺の場合は完全に保育士資格を取得してからで無いと、市町村採用の放課後児童支援員の応募要件を満たさない。
 まだまだ俺が、学童保育の仕事に就くまでの道のりは本当に険しい……

「アルバイトやパート社員なら、そう成るよね……」
「でも、俺の場合は正規職員を目指しているからな!」

「うん、うん。そうだよね!」
「私の地域に有る学童保育所で、比叡君は学童の先生に成ってくれるもんね♪」

 稀子は嬉しそうな笑顔で言うが、決定事項で言っている。
 その通りに……実現が出来るかは未知数なのに……

「だからね、比叡君!」
「お盆の時期に、私は今年も実家に帰るのだけど、その時に比叡君も一緒に来て貰いたいんだ!!」

「えっ……稀子の実家に、俺が付いて行く?」

 稀子突然の言葉で、俺は驚く……
 稀子にとっては里帰りかも知れないが、俺にとっては稀子の両親に挨拶に行くのと変わらないからだ!!

「……まだ早くないか、稀子///」
「今年や来年に、結婚出来る状況では無いし!//////」
「それにお盆の時期だと、まだ実技試験の結果は分からないし、折角稀子の両親と会っても予定や願望の話しか出来ない…」

 俺は冷静な口調で言って、稀子からの誘いを断ろうとした。
 俺は稀子が大好きだが、まだ稀子の両親と逢うのは早すぎる……
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