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【R-15】稀子編 第2章

第372話 出店を楽しむ その1

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「あちゃ~~、比叡君は末吉か~~!//////」
「今年は、大変な年に成ると思うのに残念だね~~。比叡君//////」

 稀子は残念そうな表情をしているが、口調は何時も通りの軽さで有る。
 口調も残念そうな口調で喋れば良いのに……

「……まぁ、おみくじ1枚で、今年1年の運勢が完全に決まる訳では無いからな!///」
「さて……縛りに行こう」

 俺のおみくじは『末吉』で有ったが、気にしない事に決める。
 例え『大吉』を引いても、駄目な年は有るに決まっているし『凶』を引いてしまっても、日頃の行いが良ければ幸運は勝手にやって来るだろう!?

 俺はおみくじを縛る場所に『末吉』のおみくじを縛るが、稀子は『大吉』のおみくじを縛らずに財布に入れていた。
 稀子いわく『幸運』を持ち帰るらしい……

「さて、比叡君!」
「約束通り、奢って貰うよ♪」

 俺がおみくじを縛り終えると、稀子は“うきうき”笑顔で言ってくる。
 今からは羽津音はずね神社に出ている、屋台さん巡りの始まりで有る。

「まぁ……約束だからな!」
「稀子のリクエストはなに?」

 羽津音神社は規模の大きい神社では無いが、屋台も有る程度は出ている。
 稀子が食べたがっていた『玉せん』の屋台も有ったし、定番のたこ焼きやチョコバナナを売っている屋台も有る。
 まさか……全部食べたいとは流石に言わんよな。稀子……

「まずは、やっぱり“たません”だね♪」
「アレを食べないと私の初詣は始まらない♪♪」

 稀子は笑顔で言っているが、既に願も掛け終わっており、おみくじも引いて有る。
 一般的な初詣ならもう終了で有るが……、余計な事は言わないで置こう。
 此処で稀子をまた不機嫌にさせると、更に食べ物による出費が増えるからだ!?

「たませんね!」
「確か……最初に入った、出入り口方向だったね!!」

「うん。そう♪」
「じゃあ、行こう。比叡君♪♪」

 この神社の屋台配列は駐車場が有る側では無く、俺と稀子が最初に鳥居をくぐってきた側に配列されていた。
 どんな理由で、そんな配列にしたかは俺には分からんが、色々と有るのだろう?

 俺と稀子は、玉せんが売っている屋台に到着する。
 この神社で、玉せんを売っている屋台は1件しか無くて結構賑わっていた。

 たこ焼きとかと比べれば値段が安いので、家族連れや学生が中心であり、屋台付近で美味しそうに食べていた!
 注文の順番が来るまでの間、稀子は玉せんのトッピングメニューを遠目で見ている。

「今年のたません屋は……たこ焼きは無いが、焼きそばとチーズが有るか!」
「何時もは天かすや千切りキャベツにするけど、今日は比叡君が奢ってくれるからな~~♪」

 屋台に貼って有るトッピングメニューを見ながら、稀子は1人喋りをしている。

(……焼きそばをトッピングしたら、焼きそばパン風にでも成るのか??)
(けど、えびせんべいには本当に合うの!?)

 俺の中で玉せんは今まで、一番安いタイプしか食べた事が無い。
 トッピングも、千切りキャベツや天かす程度なら100円もしないが、チーズとかと成ると100円を超えてくるしそれ位なら、たこ焼きでも食べた方が俺はマシだと感じるからだ。
 俺達に注文の順番がやって来て、屋台のお兄さんかおじさんが俺達に声を掛けてくる。

「へい、いらしゃい~~!」
「嬢ちゃん、兄ちゃん。何を入れる?」

 張りの有る声で喋る屋台の男性。
 稀子は慣れた口調で、注文を言い始める。

「おじさん!」
「私はね卵をダブルで、焼きそばとマヨネーズでお願い!!」

(やっぱり一番高いトッピングの焼きそばを、稀子は入れて来たか!!)

 俺は心の中で思うが俺も男だ。
うだうだ言っては行けない!?

「あいよ!」
「……そっちの兄ちゃんは?」

 稀子の注文を聞き終えた、屋台の男性は俺に注文を聞いてくる。
 俺はトッピングをするつもりは無いので、普通のを注文する。

「あっ……えっと、普通ので……」

 俺がそう注文をしようとすると稀子が『待って、比叡君!』と言って、俺と屋台の人との話しに割り込んできた!?

「比叡君!」
「普通のも美味しいけど、折角なんだからトッピングしなきゃ~~!!」

 稀子は少し興奮気味で言う?
 トッピングに金を、俺は余り掛けたくは無いのだが……
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