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【R-15】稀子編 第2章

第367話 稀子と初詣の道中 その2

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「……んっ!?」
「比叡君は、行き成り何を言い出す!?」
「もしかして……さっきの日本酒で酔いましたか!?」

 俺が稀子に感謝の言葉を述べたのに、稀子は『何、言っているの比叡君!』の目つきで見てくる!?

「俺は只、稀子に感謝の言葉を言っただけだよ!///」
「稀子に出会えて良かったと……」

 俺はそう言うが、稀子の表情は変わらない!?

「ふうん~~……」
「今の言葉からして、比叡君物語エンディングの感じがしたけど……、比叡君の人生はまだ、スタートラインにも立っていないのだよ!!」
「気が早すぎるよ。比叡君!!」

 稀子は少し怒った表情と、口調で言ってきた!
 確かに言われてみればそうだ……

 俺の目的は、稀子との性行為が終着点では無い。
 保育士資格を無事に取得して、更には稀子の実家が有る地域に移り住んで、その地域で学童保育指導員として、社会生活を再スタートさせてこそ、俺の物語は章の区切りを付けるのだろう!!

「……比叡君と話している間に、バス停に着いちゃった!」
「さて、さて、バスは何時来るかな~~♪」

 稀子は陽気な口調で、バス停に設置されている時刻表を見ている。
 俺と稀子は、俺のアパートを出発してからバス停まで、ずっと喋りながら来た。

 さっきの話はまだ終っていないが、バス停に着いてしまったし、稀子もバスの時刻表に意識を向けてしまったため、この話は此処で区切りを付けようと俺は思った。

(結局……コートの話は聞けなかったな?)

 俺はバスの時刻表を見ている、スクールコート姿の稀子を見ている。
 青色系のスクールコート。学生らしいコートで有る。
 鈴音さんも、稀子と同じスクールコートを着て学園に通っているが、鈴音さんの場合は別の防寒具をきちんと持っている。

(別に悪いデザインでは無いから、その姿でも良いのだが……稀子の場合は、茶色系の防寒具が似合うような気がする?)

 俺はそんな事を思いながら稀子を見ていると、稀子はバスの時刻表から顔を上げて、俺の方を見ながら穏やかな表情で話し掛けてくる。

「比叡君!」
「バス、もうすぐ来るよ~~」

「おぉ! タイミングバッチリだな。稀子!!」
「ちなみに……ここ(中町)から、どれだけ掛かるのだ?」

 初詣に行く神社は、波津音はずね神社と聞いているが、場所はバスで行くとしか聞いていない。

「ここからね、大体30分位だよ。比叡君!!」

 稀子は微笑みながら言う。

「30分か!」
「ちょっとした旅行気分だね。稀子!!」

「?」
「そうなの、比叡君…?」

 稀子は澄ました表情で聞いてくる。
 路線バスを30分近く乗れば、結構遠い所まで行けてしまうのに、稀子の中では近所間隔の雰囲気で言う!?
 まぁ、その辺に関しては……今後、知る事に成っていくのだが……

「あっ、バス来た~~♪」

 俺が稀子の疑問に返事をする前に、バスが来てしまった。
 お互い交通系ICカードを持っているので、バスの乗車時にセンサー部分にICカードをかざしてバスに乗り込む。

 波津音神社方面に向かうバスだが、そんなに車内は混んでいる感じはしない。
 バスの車内、後部座席方向に空いている席が有るので、その席に稀子と横並びで座る。
 勿論、稀子は窓側の席に座った。

「♪~~」

 バス1本で神社付近まで行けるので、後はバスに揺られるだけで有る。
 稀子は話し疲れたのか、鼻歌を歌いながら車内から見える景色を見ている。
 俺はその稀子を見ている……

(よくよく見れば……スクールコート姿の稀子も悪くないな…!)
(稀子が通っている学園は良い所らしいから、このコートも良い生地使っているのかも知れないな!!)

 以前、稀子とショッピングモールデートをした時。
 稀子達が通っている、学園制服が販売されている売り場が有った。

 俺は稀子達が通っている学園制服で、いかがわしい行為を意識して、それ用に買おうと考えたが……その値段が一般的な制服の、倍以上したので諦めた経緯が有る!?

(稀子の所(家)は鈴音さんと比べれば、お金持ちでは無いはずだ!)
(お金持ちの家なら……まぁ、良いや!)

 稀子の実家は農家で有る事は知っているが、俺は農業に興味が無いので詮索はしないし、稀子も俺には農業に関する事は言ってこない。
 俺が学童保育指導員に成りたい事を、稀子が理解しているからだ。

 不思議ちゃん要素がたくさん有る、俺の彼女稀子で有るが、それもまた悪くないのかなと思った……
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