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【R-15】稀子編 第2章

第345話 午後からの過ごし方

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「ふぅ、お腹いっぱい♪」
「これ以上は、食べられないや!♪」

 稀子は満足顔で言いながら、ミルクティーを飲み干す。

「俺も……ごちそうさまだな」
「これ以上食べると、後が食べ過ぎに成りそうだ…」

 俺はそう言いながら、稀子と同じようにミルクティーを飲み干すが、タッパーの中にはまだサンドイッチが残っている。でも、俺もお腹いっぱいで有った。
 鈴音さんがカツサンドを『味が濃い……』の理由で食べなかったので、代わりに俺と稀子で鈴音さんの分を食べていたが、その影響でお腹が膨れるのが早くなってしまった。

「♪~~~」

 俺はもとより、稀子より小食で有る鈴音さんは、早々と昼食を終えており、静かに食後のお茶(ミルクティー)を楽しんでいた。
 俺の『ごちそうさま』の声で、稀子が俺に話し掛けてくる。

「比叡君も、ごちそうさま?」

「うん…。カツサンドは腹に来るね!」

「だね…!」
「トンカツ2枚分のカツサンドは、ボリューム有りすぎだね…///」

 稀子は、少し恥ずかしそうに笑いながら言う。
 俺と稀子で頑張っての言葉もおかしいが、2人で鈴音さんのカツサンドを食べたが、それでも2個余ってしまうし、他のサンドイッチも2~3個余ってしまった。
 正直言えば、カツサンドは余分だったのだろうけど、稀子が朝から頑張ってトンカツを揚げたのだし、それにケチを付けてはいけない……

「残ってしまったのは仕方ないから、3時のお茶で食べよう!!」

 稀子は穏やか表情で言いながら、タッパーの蓋を閉め始める。

「では、お片付けしますか!」

 鈴音さんも穏やか表情で言って、昼食の後片付けを始める。
 俺も、その後片付けの手伝いに加わった……

 ☆

 昼食の後片付け後、鈴音さんは山本さんの家に戻る事なく、稀子と同じように差布団に座るが、今度は崩して座っていた。
 足が疲れてきたのか、リラックスして来た証拠だろう。

「さて、比叡君!!」
「午後からはりんちゃん先生も加わるからね!!」

「よろしく、お願いします!」
「比叡さん!!」

 稀子が陽気な声で言い終えると、鈴音さんは微笑みながら言う。
 鈴音さんがピアノ依頼、再び先生になる!

「比叡君!」
「鈴ちゃんは美術が5だから、私より厳しいよ~~♪」
「上手に描いてね~~♪」

 俺に向けて、冗談っぽく言う稀子!

「めっ、稀子さん…//////」
「比叡さんに、余計な事は言わなくても良いです!!//////」

 その稀子の言った言葉に、制止をかけている鈴音さん!

(うん…。普段は物静か鈴音さんだが、稀子の側だと感情豊かに成るな!)
(これも、稀子の長所か??)

「じゃあ、比叡君!」
「比叡君に内緒で、鈴ちゃんと相談したのだけど、午後からは試験らしいお絵かきをしようか!!」

「……午後からは、試験課題に沿った絵を描く訳か。稀子?」

「うん、そう!」
「人物や物を良く描けているし、表現も出来ている!!」
「これだったら、試験に沿った絵を描けるのでは無いかと、私と鈴ちゃんは思った!!」

「今の比叡さんなら、良い感じの絵が描けるはずです!」
「頑張ってください!///」

 稀子は和やかな表情で言い、鈴音さんは優しい表情で言ってくれる!
 鈴音さんも稀子も現役学生だ。
 鈴音さんは美術が5だと言うし、稀子もお絵かきは好きそうな感じだから3以上は有るだろう?

「……じゃあ、本格的な勉強を始めますか!」

 俺は気合いの入れた言葉を言う。
 実技試験過去問題から、描く内容はおおよそ見当が付くし、今の自分なら、絵の下手くそ・上手関係無しに表現出来ると感じたからだ。

「おっ、やる気だね! 比叡君!!」
「その勇ましい顔も、私は好きだよ!!」

「……//////」

 稀子は鈴音さんが側に居るのに、好意の有る声掛けをする!?
 それを、やり場のない気持ちで見ている鈴音さん……

(稀子……そう言う事は、2人きり時に言ってくれよ!)
(俺も困るし、鈴音さんも対応に困っているだろ……)

 感情豊かな稀子は大好きだが、出来ればもう少し空気読んでから、発言して欲しいと俺は感じた。
 この状況では、俺は曖昧な返事しか出来ない……
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