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【R-15】稀子編 第2章

第344話 3人での久しぶりランチタイム! その3

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(子どもが大好きメニューばかり作る、お子ちゃま舌稀子だとずっと思っていたが、やっぱり見かけ以上に大人なんだな……)
(これ位しっかりとしていれば……本当に稀子を将来の人にしても大丈夫だよね…!)

 俺はそんな事を思いながら、カツサンドを眺めていた……
 今は稀子とは恋人関係だが、恋人関係から夫婦関係に変わるにも、そう遠くないと俺は感じた。

 鈴音さんがサンドイッチを準備している中、稀子は魔法瓶に入ってる飲み物を紙コップに注いでいた。
 魔法瓶の中身はミルクティーで有った。
 きっと市販品では無く、鈴音さんが紅茶を入れてから作ったのだろう。

 テーブルには大きなタッパー2つと紙皿。それぞれの座布団の場所にミルクティーが入った紙コップが置かれている。
 昼食準備も終わり、3人での昼食開始で有る。

『いただきます♪』

 3人で食事前の挨拶を元気よくして、昼食開始で有る!!
 鈴音さんはツナサンド。稀子は玉子サンドを取る中、俺はカツサンドを取って食べる。

「もぐ、もぐ、―――」
「美味しい!!」

「ソースだけでは無く、辛子も塗ってあるな!」
「トンカツに辛子を塗るとは、流石稀子だね!!」

 たっぷりソースの甘みと、少しツンと鼻に来る辛子の風味が良く合っているカツサンドだ!!
 千切りキャベツもソースと良く馴染なじんでおり、非常に美味しいカツサンドだ!!
 中々、やるでは無いか。稀子!!

「どう! 比叡君!!」
「私のカツサンドのお味は!♪」

 稀子は和やかな表情で、カツサンドの感想を求めてきた!
 俺も稀子と同じ様な和やかな表情で答える。

「凄く美味しいよ。稀子!!」
「これぞ、お弁当のカツサンドと言う感じする!!」

「本当!」
「そう言ってくれると嬉しいな。比叡君!♪」

「うん。美味しいよ、稀子!」
「ソースが完全トンカツに浸みているのが、また良いよね!!」
「お持ち帰りや駅弁等の、カツサンドの感じがして!!」

 俺が稀子を褒める中、ツナサンドを食べ終えた鈴音さんは、今度はカツサンドを取って食べ始めていた。

「もぐ、もぐ、―――」

 鈴音さんは何故か、目を瞑りながらカツサンドを食べている。
 良く味わっているのか、それとも鈴音さんの中で評価でもしているのだろうか?
 カツサンドを半分位食べた所で、鈴音さんは目を開き、それを紙皿に置いた。

「……」

 しかし、鈴音さんの表情が、小難しい表情をしていた??
 一体、どうしたのだ!?

「……私には、少し味が濃いですね…」

 鈴音さんは悩んだ表情で呟く!
 鈴音さんが、他人めるこが作った料理にケチを付けるとは珍しい!!

「おや?」
りんちゃんには濃かったか…!」

 鈴音さんにケチを付けられた稀子だが、それを特に驚きやショックを受ける訳でも無く、微笑んだ表情で鈴音さんに話し掛ける。

「鈴ちゃんはコロッケとかにも、ソースを余りかけないからね!」
「時にはソース無しで食べる位だし!!」
「これは今回初めて作ってみたから、しょうが無いけど、今度からは普通のタイプを作るよ。鈴ちゃん!!」

「はい…。すいません、稀子さん…///」
「折角、作って貰いましたのに……カットや仕上げは私がしましたが…」

 微笑みながら言う稀子とは対照的に、残念そうな表情で言う鈴音さん。
 ハンバーガーと言い、鈴音さんはジャンクフード全般が、駄目なのかも知れないな?

「まぁ、鈴ちゃんの分は私と比叡君で食べるから、大丈夫だよ!」

 稀子はそう言いながら、自分が作ったカツサンドを食べている。

「うん!♪」
「鈴ちゃんには悪いけど、私にはこれ位、味のガツンとさが欲しいな!♪」

 稀子は笑顔で言いながら、カツサンドを食べている。
 鈴音さんの言う通り、ソースのくどさは多少感じるが、弁当で食べるならこれ位無いのと、冷め切ってしまったトンカツを味わえない。

 鈴音さんは自分が取ったカツサンドは完食したが、その後はカツサンドに手を付けようとはしなかった……
 本当に鈴音さんの口には合わなかったのだろう。

(結婚する上で、味の好みも大事だよな……)
(鈴音さんが作る料理はどれも美味しいが、薄味と感じる時も有る)

(稀子が作る料理は、濃い味付けが多いメニューばかりだから、気にしていなかったが、俺は稀子が作る料理の方が合っているかも知れない……)

 俺はそんな事を思いながら、2個目のカツサンドを手に取った。
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