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【R-15】稀子編 第2章
第323話 昼食の時間 その1
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ハンバーガーショップのカウンターで、俺と稀子は食べたい物を注文する。
俺はフライドチキンがサンドされたハンバーガーのセットと、単品でチーズバーガー。
稀子は期間限定のハンバーガーセットとチキンナゲットを注文する。
「お会計は―――」
注文も決定させ、店員さんからお会計を言われて、俺が支払いに入ろうとした時に、稀子が俺を指で突く!
「ねぇ、比叡君!」
「私、ハンバーガーショップの値引きクーポン持っているし、ポイントカードも有るから私に支払わせて♪」
稀子は和やかな表情でそう言ってきた。
ハンバーガーショップでの代金は、全額俺が出そうとしていたが、此処は稀子が支払い、その代金を後で俺が支払えば良いかと思う。
「なら、稀子。お会計を頼む!」
「後で払うから!」
「オーケー♪」
「任せといて!!」
稀子は和やかに返事をする。
支払いは稀子に任せて、俺は席の確保に向かう。
お昼の時間帯だけど、席は問題なく確保出来そうだ。
年下の女の子に代金を支払わせるのは、男としては失格だろうが、俺はクーポンも準備していなかったし、ポイントカードも近所のスーパーのしか持っていない。
電子マネー機能が有る、交通系ICカードは持っているが、此処のお店では支払いが出来ても、ポイントは提携を結んでいないから付かない。
それだったら、クーポンやポイントカードを持っている稀子に支払って貰った方が値引きもされるし、稀子のポイントカードにもポイントが付く。
結果的に俺も稀子も喜ぶ。
俺は窓際の席を確保して、その席に座ると直ぐに稀子がやって来るが、ハンバーガー類は持って無くて、プラスチックで出来た立て札を手に持っていた。
言うまでも無く、お昼の時間帯だから直ぐには用意出来ないのだろう。
稀子も俺の向かいの席に着席する。
「お昼は久しぶりのハンバーガーだ♪」
「それも、期間限定品だから楽しみ~~♪」
嬉しそうに言う稀子。俺もハンバーガーは数ヶ月ぶりだ!
そして、俺はふと気付く!
(稀子がハンバーガー好きなら、晩ご飯で出せば良いのに…)
(鈴音さんも手作りのハンバーガーなら、喜んで食べるだろう!)
俺は思った疑問を稀子に聞いて見る。
「なぁ、稀子!」
「稀子がハンバーガーが好きなら、晩ご飯で出してみたらどうだ!」
「稀子の作るハンバーグはとても美味しいし、それに手作りに成るから鈴音さんも喜ぶだろう!!」
俺は笑顔で稀子にそう問いかけたが、稀子は“やれやれ”の表情をする!?
俺……変な事は言っていないぞ!!
稀子は“やれやれ”の表情で話し始める。
「……比叡君。この国のハンバーグは、ご飯(白米)に合わせて作って有るのだよ」
「私の作るハンバーグを比叡君が褒めてくれるのは嬉しいけど、私のハンバーグはパンには合わないと思う!」
「けど、それは改良すればどうにか成る!」
「後それにね…、私も一度提案した事が有るんだ!」
「今日の晩ご飯。ハンバーガーを作っても良いかなって♪」
「鈴ちゃんやおばさんは賛成してくれたのだけど、山本さんがね……」
『稀子ちゃんには悪いが、晩ご飯時は白米を食べるのが僕のポリシーだ!』
『パンなんぞで夜が寝られるか!!』
『ハンバーガーなんぞ飯では無い。あれは“おやつ”だ!!』
「とね……、山本さんに一蹴されてしまったんだよ///」
「また、山本さんか……」
「どれだけ、自分大好きなんだか……」
(山本さんはパンが嫌か……そう言えば、俺がこの町に来た歓迎会をしてくれた時、稀子達はサンドイッチを出してくれたが、山本さんは“おにぎり”だったな……)
「まぁそんな理由で、晩ご飯でハンバーガーは出せないのだよ。比叡君!」
「朝食でハンバーガーは流石に手間だし、昼食で出しても良いけど、昼食は基本みんなが揃わないからね」
「おばさんは販売の仕事が有るし、山本さんも工場で作業していたり、何処か出掛ける時も有る」
「鈴ちゃんは販売や、山本さんのお手伝いをするから、中々作れなくてね///」
少し寂しそうに言う稀子。
けど、その表情は直ぐに消える!?
「でも、今は比叡君が居るから平気だけどね!」
「ハンバーガーの話はこれでお終い!」
「今日は目一杯楽しもうね♪」
「稀子……」
稀子は俺の事を本当に好いていてくれる。
この前の、稀子の告げ口によってピアノ練習を中止に追い込まれた時は、流石に腹が立ったが、此処まで好かれているなら、完全に許しても良いかと思った。
俺ももっと、稀子の事を好きに成らないとな!
俺はフライドチキンがサンドされたハンバーガーのセットと、単品でチーズバーガー。
稀子は期間限定のハンバーガーセットとチキンナゲットを注文する。
「お会計は―――」
注文も決定させ、店員さんからお会計を言われて、俺が支払いに入ろうとした時に、稀子が俺を指で突く!
「ねぇ、比叡君!」
「私、ハンバーガーショップの値引きクーポン持っているし、ポイントカードも有るから私に支払わせて♪」
稀子は和やかな表情でそう言ってきた。
ハンバーガーショップでの代金は、全額俺が出そうとしていたが、此処は稀子が支払い、その代金を後で俺が支払えば良いかと思う。
「なら、稀子。お会計を頼む!」
「後で払うから!」
「オーケー♪」
「任せといて!!」
稀子は和やかに返事をする。
支払いは稀子に任せて、俺は席の確保に向かう。
お昼の時間帯だけど、席は問題なく確保出来そうだ。
年下の女の子に代金を支払わせるのは、男としては失格だろうが、俺はクーポンも準備していなかったし、ポイントカードも近所のスーパーのしか持っていない。
電子マネー機能が有る、交通系ICカードは持っているが、此処のお店では支払いが出来ても、ポイントは提携を結んでいないから付かない。
それだったら、クーポンやポイントカードを持っている稀子に支払って貰った方が値引きもされるし、稀子のポイントカードにもポイントが付く。
結果的に俺も稀子も喜ぶ。
俺は窓際の席を確保して、その席に座ると直ぐに稀子がやって来るが、ハンバーガー類は持って無くて、プラスチックで出来た立て札を手に持っていた。
言うまでも無く、お昼の時間帯だから直ぐには用意出来ないのだろう。
稀子も俺の向かいの席に着席する。
「お昼は久しぶりのハンバーガーだ♪」
「それも、期間限定品だから楽しみ~~♪」
嬉しそうに言う稀子。俺もハンバーガーは数ヶ月ぶりだ!
そして、俺はふと気付く!
(稀子がハンバーガー好きなら、晩ご飯で出せば良いのに…)
(鈴音さんも手作りのハンバーガーなら、喜んで食べるだろう!)
俺は思った疑問を稀子に聞いて見る。
「なぁ、稀子!」
「稀子がハンバーガーが好きなら、晩ご飯で出してみたらどうだ!」
「稀子の作るハンバーグはとても美味しいし、それに手作りに成るから鈴音さんも喜ぶだろう!!」
俺は笑顔で稀子にそう問いかけたが、稀子は“やれやれ”の表情をする!?
俺……変な事は言っていないぞ!!
稀子は“やれやれ”の表情で話し始める。
「……比叡君。この国のハンバーグは、ご飯(白米)に合わせて作って有るのだよ」
「私の作るハンバーグを比叡君が褒めてくれるのは嬉しいけど、私のハンバーグはパンには合わないと思う!」
「けど、それは改良すればどうにか成る!」
「後それにね…、私も一度提案した事が有るんだ!」
「今日の晩ご飯。ハンバーガーを作っても良いかなって♪」
「鈴ちゃんやおばさんは賛成してくれたのだけど、山本さんがね……」
『稀子ちゃんには悪いが、晩ご飯時は白米を食べるのが僕のポリシーだ!』
『パンなんぞで夜が寝られるか!!』
『ハンバーガーなんぞ飯では無い。あれは“おやつ”だ!!』
「とね……、山本さんに一蹴されてしまったんだよ///」
「また、山本さんか……」
「どれだけ、自分大好きなんだか……」
(山本さんはパンが嫌か……そう言えば、俺がこの町に来た歓迎会をしてくれた時、稀子達はサンドイッチを出してくれたが、山本さんは“おにぎり”だったな……)
「まぁそんな理由で、晩ご飯でハンバーガーは出せないのだよ。比叡君!」
「朝食でハンバーガーは流石に手間だし、昼食で出しても良いけど、昼食は基本みんなが揃わないからね」
「おばさんは販売の仕事が有るし、山本さんも工場で作業していたり、何処か出掛ける時も有る」
「鈴ちゃんは販売や、山本さんのお手伝いをするから、中々作れなくてね///」
少し寂しそうに言う稀子。
けど、その表情は直ぐに消える!?
「でも、今は比叡君が居るから平気だけどね!」
「ハンバーガーの話はこれでお終い!」
「今日は目一杯楽しもうね♪」
「稀子……」
稀子は俺の事を本当に好いていてくれる。
この前の、稀子の告げ口によってピアノ練習を中止に追い込まれた時は、流石に腹が立ったが、此処まで好かれているなら、完全に許しても良いかと思った。
俺ももっと、稀子の事を好きに成らないとな!
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