313 / 434
【R-15】稀子編 第2章
第311話 鈴音さんとピアノレッスン その1
しおりを挟む
「では、比叡さん。最初は、鍵盤の位置を覚えましょう!」
「電子ピアノの場所に来てください!!」
鈴音さんは俺にそう言いながら、電子ピアノの場所に向かい、鈴音さんは自分で用意した置いたキッチンの椅子に座る。
俺は、電子ピアノと一緒に付いてきた椅子に座る。
稀子も当然付いて来るが、稀子は椅子を特に持ってこようとはせずに、立ったままで有る。
「では、比叡さん!」
「良く、見ていてくださいね!!」
「ここが、“ド”の位置です!!」
鈴音さんは、電子ピアノ真ん中付近の鍵盤を指で押す。
「♪~」
すると電子ピアノ、ドの音が鳴る。
「ここが、ドですか!」
「鈴音さん!!」
「はい。そうです、比叡さん。ここが“ド”です!」
「比叡さんも、押して見てください!!」
俺は鈴音さんが押した場所を押す。
(たしか、此処だったよな?)
「♪~」
「はい、比叡さん。良く出来ました♪」
「では、その位置から右の方に鍵盤を押して行ってください!」
「レミファソラシドと、音色が変わっていきます♪」
鈴音さんに言われた通り、俺はドの場所から右方向へ、鍵盤を弾いていく。
「♪、♪、―――」
「はい、はい、良いですよ~~♪」
「比叡さん!!」
「上手ですね~~~♪」
鈴音さんは嬉しそうに言う。
鈴音さんの教え方は、子どもに教えている様な感じもするが、ちっとも不満にも感じないし、それに褒められて嫌な顔をする人も居ない。
俺も自然と、笑みがこぼれてしまう!!
「そっ、そうですか///」
「鈴音さん/!/////」
「……」
俺と鈴音さんの真横で、ピアノレッスンを無言で見ている稀子だが、表情は不服そうだった!
「では今から、鍵盤位置の説明をしますね♪」
「良く、聞いてくださいね。比叡さん!」
「左端から―――」
鈴音さんは、電子ピアノ鍵盤位置の説明をしてくれる。
鍵盤はドレミファソラシ、ドレミファソラシと続いて居て、この法則さえ理解出来れば、どの位置にドが有るのかが、一目瞭然で分かる様に成る。
「何となくで良いですから、分かりましたか。比叡さん?」
「追々、ピアノを弾いていく内に身体が覚えますので、今日はおぼろげで大丈夫ですよ!」
「はい…。鍵盤の法則は理解出来ました」
「鈴音さん!」
「では、今度は音符の読み方ですね!」
すると、鈴音さんは古びた音符の書かれたイラストを、前もって準備して置いた段ボール箱から取り出す。
これは多分、鈴音さんが幼少の頃に使っていたのだろう。
「比叡さん!」
「音符はこの様に成っていまして、―――」
鈴音さんはイラスト見せながら、丁寧に説明してくれる。
本当に、ピアノ教室に来ている感じがする!
「……」
稀子は鈴音さんの話に、興味を見せる素振りは無く、相変わらずのご不満顔のまんまだ。
俺が鈴音さんで“デレデレ”しているから、稀子が不満なのは分かるが、側で見ている稀子が悪い!!
「音符はこんな感じです♪」
「理解出来ましたか。比叡さん!」
「はっ、はい」
「えっと…、1本目の線にぶら下がっている音が“レ”で、1本目の線につきささっている音が“ミ”で良いんですね…!」
「はい。その通りです♪」
「良く、理解出来ていますね~~♪」
鈴音さんは嬉しそうに言う。
「あっ、ありがとうございます!」
「鈴音さん♪///」
『ピクッ!』
「…………」
(稀子は無言のままで、表情が一瞬険しく成った気がするが、気の所為か…?)
「では、比叡さん!」
「保育士実技試験で行われている、課題曲練習に行きましょうか!」
「去年の実技試験で実際に行われた、課題曲を私の方で準備してきました!!」
「これは電子ピアノですので、練習もしやすいと思いますよ!!」
そう言い終えると鈴音さんは、ポケットからUSBメモリを取り出した!
そのメモリの中に、過去の実技試験で行われた曲が入っているのだろうか?
世の中、便利な時代だ。
「電子ピアノの場所に来てください!!」
鈴音さんは俺にそう言いながら、電子ピアノの場所に向かい、鈴音さんは自分で用意した置いたキッチンの椅子に座る。
俺は、電子ピアノと一緒に付いてきた椅子に座る。
稀子も当然付いて来るが、稀子は椅子を特に持ってこようとはせずに、立ったままで有る。
「では、比叡さん!」
「良く、見ていてくださいね!!」
「ここが、“ド”の位置です!!」
鈴音さんは、電子ピアノ真ん中付近の鍵盤を指で押す。
「♪~」
すると電子ピアノ、ドの音が鳴る。
「ここが、ドですか!」
「鈴音さん!!」
「はい。そうです、比叡さん。ここが“ド”です!」
「比叡さんも、押して見てください!!」
俺は鈴音さんが押した場所を押す。
(たしか、此処だったよな?)
「♪~」
「はい、比叡さん。良く出来ました♪」
「では、その位置から右の方に鍵盤を押して行ってください!」
「レミファソラシドと、音色が変わっていきます♪」
鈴音さんに言われた通り、俺はドの場所から右方向へ、鍵盤を弾いていく。
「♪、♪、―――」
「はい、はい、良いですよ~~♪」
「比叡さん!!」
「上手ですね~~~♪」
鈴音さんは嬉しそうに言う。
鈴音さんの教え方は、子どもに教えている様な感じもするが、ちっとも不満にも感じないし、それに褒められて嫌な顔をする人も居ない。
俺も自然と、笑みがこぼれてしまう!!
「そっ、そうですか///」
「鈴音さん/!/////」
「……」
俺と鈴音さんの真横で、ピアノレッスンを無言で見ている稀子だが、表情は不服そうだった!
「では今から、鍵盤位置の説明をしますね♪」
「良く、聞いてくださいね。比叡さん!」
「左端から―――」
鈴音さんは、電子ピアノ鍵盤位置の説明をしてくれる。
鍵盤はドレミファソラシ、ドレミファソラシと続いて居て、この法則さえ理解出来れば、どの位置にドが有るのかが、一目瞭然で分かる様に成る。
「何となくで良いですから、分かりましたか。比叡さん?」
「追々、ピアノを弾いていく内に身体が覚えますので、今日はおぼろげで大丈夫ですよ!」
「はい…。鍵盤の法則は理解出来ました」
「鈴音さん!」
「では、今度は音符の読み方ですね!」
すると、鈴音さんは古びた音符の書かれたイラストを、前もって準備して置いた段ボール箱から取り出す。
これは多分、鈴音さんが幼少の頃に使っていたのだろう。
「比叡さん!」
「音符はこの様に成っていまして、―――」
鈴音さんはイラスト見せながら、丁寧に説明してくれる。
本当に、ピアノ教室に来ている感じがする!
「……」
稀子は鈴音さんの話に、興味を見せる素振りは無く、相変わらずのご不満顔のまんまだ。
俺が鈴音さんで“デレデレ”しているから、稀子が不満なのは分かるが、側で見ている稀子が悪い!!
「音符はこんな感じです♪」
「理解出来ましたか。比叡さん!」
「はっ、はい」
「えっと…、1本目の線にぶら下がっている音が“レ”で、1本目の線につきささっている音が“ミ”で良いんですね…!」
「はい。その通りです♪」
「良く、理解出来ていますね~~♪」
鈴音さんは嬉しそうに言う。
「あっ、ありがとうございます!」
「鈴音さん♪///」
『ピクッ!』
「…………」
(稀子は無言のままで、表情が一瞬険しく成った気がするが、気の所為か…?)
「では、比叡さん!」
「保育士実技試験で行われている、課題曲練習に行きましょうか!」
「去年の実技試験で実際に行われた、課題曲を私の方で準備してきました!!」
「これは電子ピアノですので、練習もしやすいと思いますよ!!」
そう言い終えると鈴音さんは、ポケットからUSBメモリを取り出した!
そのメモリの中に、過去の実技試験で行われた曲が入っているのだろうか?
世の中、便利な時代だ。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
大嫌いな幼馴染の皇太子殿下と婚姻させられたので、白い結婚をお願いいたしました
柴野
恋愛
「これは白い結婚ということにいたしましょう」
結婚初夜、そうお願いしたジェシカに、夫となる人は眉を顰めて答えた。
「……ああ、お前の好きにしろ」
婚約者だった隣国の王弟に別れを切り出され嫁ぎ先を失った公爵令嬢ジェシカ・スタンナードは、幼馴染でありながら、たいへん仲の悪かった皇太子ヒューパートと王命で婚姻させられた。
ヒューパート皇太子には陰ながら想っていた令嬢がいたのに、彼女は第二王子の婚約者になってしまったので長年婚約者を作っていなかったという噂がある。それだというのに王命で大嫌いなジェシカを娶ることになったのだ。
いくら政略結婚とはいえ、ヒューパートに抱かれるのは嫌だ。子供ができないという理由があれば離縁できると考えたジェシカは白い結婚を望み、ヒューパートもそれを受け入れた。
そのはず、だったのだが……?
離縁を望みながらも徐々に絆されていく公爵令嬢と、実は彼女のことが大好きで仕方ないツンデレ皇太子によるじれじれラブストーリー。
※こちらの作品は小説家になろうにも重複投稿しています。
【完結】双子の伯爵令嬢とその許婚たちの物語
ひかり芽衣
恋愛
伯爵令嬢のリリカとキャサリンは二卵性双生児。生まれつき病弱でどんどん母似の美女へ成長するキャサリンを母は溺愛し、そんな母に父は何も言えない……。そんな家庭で育った父似のリリカは、とにかく自分に自信がない。幼い頃からの許婚である伯爵家長男ウィリアムが心の支えだ。しかしある日、ウィリアムに許婚の話をなかったことにして欲しいと言われ……
リリカとキャサリン、ウィリアム、キャサリンの許婚である公爵家次男のスターリン……彼らの物語を一緒に見守って下さると嬉しいです。
⭐︎2023.4.24完結⭐︎
※2024.2.8~追加・修正作業のため、2話以降を一旦非公開にしていました。
→2024.3.4再投稿。大幅に追加&修正をしたので、もしよければ読んでみて下さい(^^)
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
お嬢様は没落中ですが、根性で這い上がる気満々です。
萌菜加あん
恋愛
大陸の覇者、レイランドの国旗には三本の剣が記されている。
そのうちの一本は建国の祖、アモーゼ・レイランドもので、
そしてもう二本は彼と幾多の戦場をともにした
二人の盟友ハウル・アルドレッドとミュレン・クラウディアのものであると伝えられている。
王家レイランド、その参謀を務めるクラウディア家、そして商業の大家、アルドレッド家。
この伝承により、人々は尊敬の念をこめて三つの家のことを御三家と呼ぶ。
時は流れ今は王歴350年。
ご先祖様の想いもなんのその。
王立アモーゼ学園に君臨する三巨頭、
王太子ジークフリート・レイランドと宰相家の次期当主アルバート・クラウディア、
そして商業の大家アルドレッド家の一人娘シャルロット・アルドレッドはそれぞれに独特の緊張感を孕みながら、
学園生活を送っている。
アルバートはシャルロットが好きで、シャルロットはアルバートのことが好きなのだが、
10年前の些細な行き違いから、お互いに意地を張ってしまう。
そんなとき密かにシャルロットに思いを寄せているジークフリートから、自身のお妃問題の相談を持ち掛けられるシャルロットとアルバート。
驚くシャルロットに、アルバートが自分にも婚約者がいることを告げる。
シャルロットはショックを受けるが、毅然とした態度で16歳の誕生日を迎え、その日に行われる株主総会で自身がアルドレッド商会の後継者なのだと皆に知らしめようとする。
しかし株主総会に現れたのはアルバートで、そこで自身の婚約者が実はシャルロットであることを告げる。
実は10年前にアルドレッド商会は不渡りを出し、倒産のピンチに立たされたのだが、御三家の一つであるアルバートの実家であるクラウディア家が、アルドレッド商会の株を大量購入し、倒産を免れたという経緯がある。その見返りとして、アルドレッド家は一人娘のシャルロットをアルバートの婚約者に差出すという取り決めをしていたのだ。
本人の承諾も得ず、そんなことを勝手に決めるなと、シャルロットは烈火のごとく怒り狂うが、父オーリスは「だったら自分で運命を切り開きなさい」とアルドレッド商会の経営権をアルバートに譲って、新たな商いの旅に出てしまう。
シャルロットは雰囲気で泣き落とし、アルバートに婚約破棄を願い出るが、「だったら婚約の違約金は身体で払ってもらおうか」とシャルロットの額に差し押さえの赤札を貼る。
冷血弁護士と契約結婚したら、極上の溺愛を注がれています
朱音ゆうひ
恋愛
恋人に浮気された果絵は、弁護士・颯斗に契約結婚を持ちかけられる。
颯斗は美男子で超ハイスペックだが、冷血弁護士と呼ばれている。
結婚してみると超一方的な溺愛が始まり……
「俺は君のことを愛すが、愛されなくても構わない」
冷血サイコパス弁護士x健気ワーキング大人女子が契約結婚を元に両片想いになり、最終的に両想いになるストーリーです。
別サイトにも投稿しています(https://www.berrys-cafe.jp/book/n1726839)
【完結】聖女の手を取り婚約者が消えて二年。私は別の人の妻になっていた。
文月ゆうり
恋愛
レティシアナは姫だ。
父王に一番愛される姫。
ゆえに妬まれることが多く、それを憂いた父王により早くに婚約を結ぶことになった。
優しく、頼れる婚約者はレティシアナの英雄だ。
しかし、彼は居なくなった。
聖女と呼ばれる少女と一緒に、行方を眩ませたのだ。
そして、二年後。
レティシアナは、大国の王の妻となっていた。
※主人公は、戦えるような存在ではありません。戦えて、強い主人公が好きな方には合わない可能性があります。
小説家になろうにも投稿しています。
エールありがとうございます!
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?
おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。
『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』
※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる