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【R-15】鈴音編 第2章
第295話 2人で過ごす夜の時間
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我が家に戻った、俺と鈴音さんは普段着に着替えてから、晩ご飯の準備を2人で進める。
この日の晩ご飯は、結婚式の時に頂いた物を中心に晩ご飯を済ます。
簡単に調理出来る物が多いので、今晩の様な日は助かる。
晩ご飯後も2人で後片付けをして、順番にお風呂に入ってから、夜の団らんの時間を2人で過ごす。
音が無いのは少し寂しいので、テレビのニュース番組を流しながら、鈴音さんと団らんを過ごす。
俺は今晩、まだ飲み足りなかったので、結婚式の時に頂いた日本酒を“冷や”で飲んでおり、鈴音さんも紅茶を飲みながら本を読んでいた。
明日も農作業の予定は入れてないので、今晩も夜更かしが出来る。
「……静かな夜ですね!」
本に区切りが付いたのだろうか。
本を閉じて、鈴音さんが話し掛けてきた。
「昨日、一昨日は、賑やかでしたからね!」
一昨日の夜は涼子さん、昨日の夜は稀子と一緒だった。
両日共この時間帯は、お酒の力も有って盛り上がっていた!
「賑やかな夜も良いですが、私自身を振り返られる、静かな夜の方が好きですわ!」
そう言う鈴音さん。
俺も夜は静かに過ごす方が性に合っているが、鈴音さんは夜遊びには興味は無いのだろうか?
けど、この場所では、夜遊び何てしようが無いが……
しばらくは他愛のない話を鈴音さんとしていたが、俺は今後の夫婦生活が気に成った。
俺は良い機会だと思い、鈴音さんに聞いてみる。
「結婚式が終わって、これで正真正銘の夫婦に成ったのですが鈴音さん……、子どもは何時作りましょうか?」
結婚式と言う一大イベントも終えて、次のイベントは家族を作るイベントだと俺は思っている。
以前鈴音さんに聞いた時は『数年間は無理…』と言われたが、今でも心境は変わらないのだろうか……
「子どもですか……」
「あの時から1年の時が経ちますが、まだまだ子どもを授かる時期では無いですね…」
「すいません……比叡さん」
「あっ、やっぱり……そうだよね」
「変な事聞いてしまって、ごめん。鈴音さん…」
「……いえ」
鈴音さんは申し訳なさそうに言った。
農業で大変なのは、これからで有るし、特にこの2~3年の間に確実な実績と経験を積まなければ、この地区で営農をしていく事は出来ない。
気候も平野部と比べれば、厳しい場所だし、栽培出来る作物も限られてくる。
そして、今最大の課題は作物の栽培より、どうやって圃場を増やすかが、課題で有る。
これは鈴音さんも危惧している。
道路の接続が良くて耕作がしやすい圃場や、大型農業機械が入りやすい圃場は、元々農家自体が手放さないし、跡継ぎの問題等で手放しても、農業法人や営農組合がその圃場を借りてしまっている。
今、貸借している圃場を全て、大根やナス等の果菜に切り替えれば、営農は出来ない事は無いが、今度は人手の問題が出て来る。2人で出来る作業量では無いからだ。
この地区で人手を募集しても、直ぐに応募してくる人は居ないだろう。
それにこの地区も、高齢者問題を抱えている。
この集落で学生を除く若手なんて、本当に俺と鈴音さん、稀子以外にいない。
そんな状況下で、働き手で有る鈴音さんを身籠もらせるのは自殺行為に等しい!
水稲だけは食べていけない圃場面積。
果菜類も1人でやるのは事実上無理。
そんなのは判りきっているが……それでも、俺は家族を早期に望んでいた。
ハネムーンベイビーでは無いが、俺もベイビーの顔を早くみたい。
(そんな事を思っても、無理は無理だよな)
(人の伝手と言っても……あっ、有るでは無いか!)
(俺の親友は稀子以外に居ないが、鈴音さんには沢山の親友が、鈴音さんを祝福しにこの地まで来てくれた!)
(鈴音さんの親友の中に、1人位は農業に興味が有る人が居るはずだ!)
「……鈴音さんの親友で、農業に興味が有る人とかは居ないかな?」
「もし、いたら、紹介してくれると嬉しい……」
「人が増えれば、果菜栽培にシフトチェンジ出来るかも知れない」
俺はダメ元で聞いてみる。
もし、鈴音さんの親友の中に興味が有る人が居れば、また流れが変わるからだ!!
けど、鈴音さんの表情が明るく成る事は無かった。
「……比叡さん。そんな方が居れば、私から紹介しています…」
「それに、この地区は市街地からかなり離れていますから、居たとしてもボランティアでは無く、賃金を支払う必要性が出て来ます」
「此処に来る燃料代も馬鹿に成らないし、最近は人件費も上がっているからな」
「唯一居るのは稀子だけか……」
「けど、稀子を当てにし出したら、稀子は怒らないと思うが、幸村さんが怒り狂うだろうな…」
幸村さんは本当に仕事に厳しい人だ。
稀子を有償で雇えば問題は無いだろうが、度々のボランティアは絶対に怒る筈だ。
助成金も貰っているに、稀子を当てにしては行けない。
今後の夫婦生活と将来が、全く描けない状態で有った。
この日の晩ご飯は、結婚式の時に頂いた物を中心に晩ご飯を済ます。
簡単に調理出来る物が多いので、今晩の様な日は助かる。
晩ご飯後も2人で後片付けをして、順番にお風呂に入ってから、夜の団らんの時間を2人で過ごす。
音が無いのは少し寂しいので、テレビのニュース番組を流しながら、鈴音さんと団らんを過ごす。
俺は今晩、まだ飲み足りなかったので、結婚式の時に頂いた日本酒を“冷や”で飲んでおり、鈴音さんも紅茶を飲みながら本を読んでいた。
明日も農作業の予定は入れてないので、今晩も夜更かしが出来る。
「……静かな夜ですね!」
本に区切りが付いたのだろうか。
本を閉じて、鈴音さんが話し掛けてきた。
「昨日、一昨日は、賑やかでしたからね!」
一昨日の夜は涼子さん、昨日の夜は稀子と一緒だった。
両日共この時間帯は、お酒の力も有って盛り上がっていた!
「賑やかな夜も良いですが、私自身を振り返られる、静かな夜の方が好きですわ!」
そう言う鈴音さん。
俺も夜は静かに過ごす方が性に合っているが、鈴音さんは夜遊びには興味は無いのだろうか?
けど、この場所では、夜遊び何てしようが無いが……
しばらくは他愛のない話を鈴音さんとしていたが、俺は今後の夫婦生活が気に成った。
俺は良い機会だと思い、鈴音さんに聞いてみる。
「結婚式が終わって、これで正真正銘の夫婦に成ったのですが鈴音さん……、子どもは何時作りましょうか?」
結婚式と言う一大イベントも終えて、次のイベントは家族を作るイベントだと俺は思っている。
以前鈴音さんに聞いた時は『数年間は無理…』と言われたが、今でも心境は変わらないのだろうか……
「子どもですか……」
「あの時から1年の時が経ちますが、まだまだ子どもを授かる時期では無いですね…」
「すいません……比叡さん」
「あっ、やっぱり……そうだよね」
「変な事聞いてしまって、ごめん。鈴音さん…」
「……いえ」
鈴音さんは申し訳なさそうに言った。
農業で大変なのは、これからで有るし、特にこの2~3年の間に確実な実績と経験を積まなければ、この地区で営農をしていく事は出来ない。
気候も平野部と比べれば、厳しい場所だし、栽培出来る作物も限られてくる。
そして、今最大の課題は作物の栽培より、どうやって圃場を増やすかが、課題で有る。
これは鈴音さんも危惧している。
道路の接続が良くて耕作がしやすい圃場や、大型農業機械が入りやすい圃場は、元々農家自体が手放さないし、跡継ぎの問題等で手放しても、農業法人や営農組合がその圃場を借りてしまっている。
今、貸借している圃場を全て、大根やナス等の果菜に切り替えれば、営農は出来ない事は無いが、今度は人手の問題が出て来る。2人で出来る作業量では無いからだ。
この地区で人手を募集しても、直ぐに応募してくる人は居ないだろう。
それにこの地区も、高齢者問題を抱えている。
この集落で学生を除く若手なんて、本当に俺と鈴音さん、稀子以外にいない。
そんな状況下で、働き手で有る鈴音さんを身籠もらせるのは自殺行為に等しい!
水稲だけは食べていけない圃場面積。
果菜類も1人でやるのは事実上無理。
そんなのは判りきっているが……それでも、俺は家族を早期に望んでいた。
ハネムーンベイビーでは無いが、俺もベイビーの顔を早くみたい。
(そんな事を思っても、無理は無理だよな)
(人の伝手と言っても……あっ、有るでは無いか!)
(俺の親友は稀子以外に居ないが、鈴音さんには沢山の親友が、鈴音さんを祝福しにこの地まで来てくれた!)
(鈴音さんの親友の中に、1人位は農業に興味が有る人が居るはずだ!)
「……鈴音さんの親友で、農業に興味が有る人とかは居ないかな?」
「もし、いたら、紹介してくれると嬉しい……」
「人が増えれば、果菜栽培にシフトチェンジ出来るかも知れない」
俺はダメ元で聞いてみる。
もし、鈴音さんの親友の中に興味が有る人が居れば、また流れが変わるからだ!!
けど、鈴音さんの表情が明るく成る事は無かった。
「……比叡さん。そんな方が居れば、私から紹介しています…」
「それに、この地区は市街地からかなり離れていますから、居たとしてもボランティアでは無く、賃金を支払う必要性が出て来ます」
「此処に来る燃料代も馬鹿に成らないし、最近は人件費も上がっているからな」
「唯一居るのは稀子だけか……」
「けど、稀子を当てにし出したら、稀子は怒らないと思うが、幸村さんが怒り狂うだろうな…」
幸村さんは本当に仕事に厳しい人だ。
稀子を有償で雇えば問題は無いだろうが、度々のボランティアは絶対に怒る筈だ。
助成金も貰っているに、稀子を当てにしては行けない。
今後の夫婦生活と将来が、全く描けない状態で有った。
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