上 下
204 / 434
【R-15】鈴音編 第2章

第202話 嫌な予感…… その2

しおりを挟む
 有る週末……

 今日は鈴音さんと九尾きゅうお市に出て、買物デートである。
 ストーカー問題も解決していなかったので、稀子も誘ったが『私は今日家に居るし、2人も偶には外でもラブラブしないとね♪』と、遠慮してくれた。

 家には真理江さんも居るし、近所には真理江さん妹夫婦も居る。
 稀子1人なら別だが、ストーカーもそこまで馬鹿では無いだろう。

 今日の買物デートは、鈴音さんの衣類と雑貨が中心で有った。
 折角、都市部に出るので、それ以外の場所も巡りたいと俺は感じていた。

 朝の家事を済ませてから、俺と鈴音さんは公共交通機関で九尾に向かう。
 夕方の時間まで、たっぷりとデートを楽しむ予定だ。

「2人でのデートは久し振りですね♪」

 バスの車内で嬉しそうに言う鈴音さん!
 職業訓練中はデートをする金銭的余裕は無かったし、稀子が俺達に遠慮をする様に成ったのは、数ヶ月前からで有ったからだ。
 今の仕事が慣れるまではデートをする、心と体の余裕も無かったし、本当に久し振りのデートで有った。

「鈴音さん!」
「今日は目一杯、楽しみましょうね!!」

「はい!!」
「楽しみましょう♪」

 元気な笑顔で言う鈴音さん!
 デートのプランに……ラ○ホテルを加えたい位で有った。
 バスは九尾市に向かって走っていく……

 ……

 午前中は鈴音さんの買物が中心で有って、俺は実質の荷物持ちで有った。
 昼食は事前に決めて有り、この町にオムライス専門店がオープンしたため、昼食はオムライスを取る。
 昼食後は、俺の行きたい所に成ってくるが……この先の同棲の事も考えて、駅前に有る大型家電量販店に向かう。

「どうです。鈴音さん!!」
「この冷蔵庫!!」

「これ位の大きさなら、3人でも大丈夫ですよ!!」

 冷蔵庫売り場で、お値打ち品の冷蔵庫を見掛けたので、鈴音さんに勧めてみる。

「まだ……気が早いですよ。比叡さん//////」
「それに……もう、家族まで意識しているのですか!?///」

 鈴音さんは恥ずかしそうに、驚きながら言っている。
 同棲を始めたら、近い内に新しい命は生まれるだろうし、どうせ冷蔵庫を買うなら将来性を考えた方が良い。

「2人なら小型冷蔵庫で良いけど、買い直す事を考えたら、大きいのを買った方が良いと俺は思うんだ!」

「比叡さん……」
「それはせめて……住処が決まってからにしましょう///」
「もしかしたら、家具・家電付きの家を選ぶ場合だって有るのですから…」

「却って、その方が最初は良いかも知れません!」
「出費は成るべく抑えて、無理をしない程度から始めないと、私は感じます!!」

 何だかんだで、鈴音さんも俺との同棲を意識している様で有った。

 家電量販店で電化製品を見た後は、鈴音さんの提案でウィンドウショッピングをする。
 もし、気に成った店を見付けたら、その店に入るらしい。
 2人のんびりと大通りを歩いている。天気も良くて、散歩気分でも有った!

「鈴音さん!」
「これから夏になるけど……今年こそは海に行きたいね!」

「ですね! 比叡さん!!」
「去年は結局、行けませんでしたもんね…」

「予定は組んだけど、運悪く台風が来てしまったからね」
「鈴音さん。今回はBBQセットを思い切って買って、海辺でBBQでもしますか?」

「BBQですか~~。懐かしい響きですね!」
「比叡さんは……BBQ出来るのですか?」

「やった事は無いけど…、動画サイトを参考にすれば大丈夫だと思う」

「比叡さんは、インドアっぽい感じがしますからね♪」
「でも、海でのBBQも最高でしょうね♪」

 鈴音さんは嬉しそうに言う。
 恐らく……山本さん達と海に行っていた時は、BBQもしていたのだろう……

 鈴音さんは、山本さんの作った“焼きそば”が好きだそうだ。
 BBQもかなりの頻度で、開催していたのかも知れない……
 俺は鈴音さんとの会話に夢中になり始めていた……

「……」

 俺の前方に…、人が向かって歩いて来る。
 相手は俺を気付いている感じだが、大きく避ける事無く近づいて来る。

 その人は帽子を被っており、サングラスもしている。
 見た目で不気味な人と思う。
 今日は結構暑い日なのに、その向かって来る人はコートを着ていた!

(何だか、怪しい人だし……前にも何処かで見た様な…?)

 俺は注意して、その前方の人とすれ違う時に……コートの人はコートのポケットに手を急に入れて、そこから小型のナイフを取り出す!?

「えっ…!?」

 俺は一瞬、理解が出来なかった……
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈 
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

妻がエロくて死にそうです

菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。 美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。 こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。 それは…… 限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常

側室は…私に子ができない場合のみだったのでは?

ヘロディア
恋愛
王子の妻である主人公。夫を誰よりも深く愛していた。子供もできて円満な家庭だったが、ある日王子は側室を持ちたいと言い出し…

婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが

マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって? まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ? ※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。 ※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。

見捨てられたのは私

梅雨の人
恋愛
急に振り出した雨の中、目の前のお二人は急ぎ足でこちらを振り返ることもなくどんどん私から離れていきます。 ただ三人で、いいえ、二人と一人で歩いていただけでございました。 ぽつぽつと振り出した雨は勢いを増してきましたのに、あなたの妻である私は一人取り残されてもそこからしばらく動くことができないのはどうしてなのでしょうか。いつものこと、いつものことなのに、いつまでたっても惨めで悲しくなるのです。 何度悲しい思いをしても、それでもあなたをお慕いしてまいりましたが、さすがにもうあきらめようかと思っております。

大好きな騎士団長様が見ているのは、婚約者の私ではなく姉のようです。

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
18歳の誕生日を迎える数日前に、嫁いでいた異母姉妹の姉クラリッサが自国に出戻った。それを出迎えるのは、オレーリアの婚約者である騎士団長のアシュトンだった。その姿を目撃してしまい、王城に自分の居場所がないと再確認する。  魔法塔に認められた魔法使いのオレーリアは末姫として常に悪役のレッテルを貼られてした。魔法術式による功績を重ねても、全ては自分の手柄にしたと言われ誰も守ってくれなかった。  つねに姉クラリッサに意地悪をするように王妃と宰相に仕組まれ、婚約者の心離れを再確認して国を出る覚悟を決めて、婚約者のアシュトンに別れを告げようとするが──? ※R15は保険です。 ※騎士団長ヒーロー企画に参加しています。

殿下には既に奥様がいらっしゃる様なので私は消える事にします

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のアナスタシアは、毒を盛られて3年間眠り続けていた。そして3年後目を覚ますと、婚約者で王太子のルイスは親友のマルモットと結婚していた。さらに自分を毒殺した犯人は、家族以上に信頼していた、専属メイドのリーナだと聞かされる。 真実を知ったアナスタシアは、深いショックを受ける。追い打ちをかける様に、家族からは役立たずと罵られ、ルイスからは側室として迎える準備をしていると告げられた。 そして輿入れ前日、マルモットから恐ろしい真実を聞かされたアナスタシアは、生きる希望を失い、着の身着のまま屋敷から逃げ出したのだが… 7万文字くらいのお話です。 よろしくお願いいたしますm(__)m

【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?

つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。 彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。 次の婚約者は恋人であるアリス。 アリスはキャサリンの義妹。 愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。 同じ高位貴族。 少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。 八番目の教育係も辞めていく。 王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。 だが、エドワードは知らなかった事がある。 彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。 他サイトにも公開中。

処理中です...