199 / 434
【R-15】鈴音編 第2章
第197話 意外な結果!?
しおりを挟む
それから……しばらくの時が過ぎて。
遂に今日は職業訓練校、選考試験の結果発表の日で有る。
と言っても、郵送でしか結果を知る事が出来ないので、俺は何時も通りアルバイトに向かう……
アルバイトも無事に終わって、真理江さんの家に戻り、居間に顔を出すと…、保育士学科試験結果時と同じ様に、全員が俺の帰りを待っていた。
俺の顔を見た途端、真理江さんでは無く、鈴音さんが声を掛けてきた。
「お帰りなさい…。比叡さん」
「比叡さん宛に、郵便物が来ていました」
鈴音さんはそう言いながら、俺に郵便物を手渡す。
言うまでも無く、その郵便物は職業訓練校からだった……
「あっ…ありがとう、鈴音さん」
「そして、ただいま」
「……受かっていると良いですね」
言葉ではそう言う鈴音さんだが、表情は暗かった……
もしかして、事前に見た?
郵便物に開封痕が有るか思わず見てしまうが、開封痕は無かった。
(お役所だから、てっきり定形外の郵便物で来るかと思っていたが、一般的な定型内郵便か…)
(合格なら詳細が書かれた用紙が入っている筈だから、厚みも有ると思うが、厚みも全然無いな…)
(これは……本当に落ちたか!)
俺も何社か、社員採用試験を受けた事が有るが、採用と成ると分厚い郵便物が来るが、不採用の場合は本当にペラペラの郵便物で来る。
俺は過去の経験から、これは不合格だと察知してしまう!!
(うぁ~~、開けたくないな)
(こんなの自ら、絞首台に向かうのと変わらないよ!!)
俺は郵便物を開けるのを躊躇っていると……
「……結果を見ないのですか」
鈴音さんは、冷静で冷淡な口調で言ってきた!
鈴音さんも、俺が不合格なのを覚悟しているのだろう。
「ちょっと、緊張していまして…」
「今から開封します」
と言った所に……
「はい。比叡君!!」
「ペーパーナイフだよ!」
「大事な郵便物だから、丁寧に扱わないと♪」
何時の間にか稀子は、ペーパーナイフを用意していた。
鈴音さんの表情は真っ暗だが、稀子の表情は何時も通りで有った。
「合格だと良いね。比叡君!」
稀子は笑顔で言う……
こんな場面の時は、稀子の方が落ち着く……
稀子の笑顔で心が落ち着いた俺は、ゆっくりとペーパーナイフで封筒を開封していく……
開封を終えて中味を見るが……、用紙が2枚入っているだけで有った。
俺は2枚とも用紙を封筒から取りだして、表側に成る部分からの用紙を広げて読んでいく……
『選考試験の結果……受験番号××番、青柳比叡は合格で有る』
「えっ!?」
俺は思わず声を出す!
筆記試験で痛恨のミスをしたのに合格で有ったからだ!
「……また落ちたか」
「……比叡君の人生は呪われているね!」
稀子はそう言ってくるが……
「……違うよ稀子。合格していたんだ!」
「ええぇ~~!!」
「何で、合格で驚きの声を上げるの比叡君は!?」
「筆記試験でミスが有って、駄目かと思っていたのに、合格だからびっくりした…」
俺は合格と書かれた用紙をみんなに見せる。
「わっ、わっ。比叡君がやっと合格出来た~~♪」
「おめでとう! 比叡君~~♪」
合格を見た稀子が俺に抱きついてきた!?
それも鈴音さんの居る前で!!
「私は信じていたよ!」
「比叡君の努力が、何時かは報われると!!」
稀子は嬉しそうに言って『ぎゅ~~』と俺を抱きしめて来る。
凄く嬉しいが……俺は思わず鈴音さんの目線が気に成ってしまう。
「……ふぅ」
鈴音さんは静かにため息をついていたが、それは安堵のため息で有った。
「取り敢えず、おめでとうございます…。比叡さん」
「それと稀子さん…」
「稀子さんも嬉しいのは分かりますが、私の比叡さんを断りも無く抱きしめるのは、如何な者かと……」
「あはは///」
「ごめんね、鈴ちゃん///」
「嬉しいから、思わず体が動いちゃった!」
鈴音さんに注意された稀子は、俺から離れるが少し残念!
「青柳さん…。試験合格おめでとうございます」
「私も一安心です。これから始まる訓練の方、頑張ってください」
真理江さんは母親の表情をしながら言ってくれる。
真理江さんもかなり、気に揉んでいたのだろう
恐らく順位で言えば、“どんけつ”だろうが、俺は試験に合格する事が出来た!
遂に今日は職業訓練校、選考試験の結果発表の日で有る。
と言っても、郵送でしか結果を知る事が出来ないので、俺は何時も通りアルバイトに向かう……
アルバイトも無事に終わって、真理江さんの家に戻り、居間に顔を出すと…、保育士学科試験結果時と同じ様に、全員が俺の帰りを待っていた。
俺の顔を見た途端、真理江さんでは無く、鈴音さんが声を掛けてきた。
「お帰りなさい…。比叡さん」
「比叡さん宛に、郵便物が来ていました」
鈴音さんはそう言いながら、俺に郵便物を手渡す。
言うまでも無く、その郵便物は職業訓練校からだった……
「あっ…ありがとう、鈴音さん」
「そして、ただいま」
「……受かっていると良いですね」
言葉ではそう言う鈴音さんだが、表情は暗かった……
もしかして、事前に見た?
郵便物に開封痕が有るか思わず見てしまうが、開封痕は無かった。
(お役所だから、てっきり定形外の郵便物で来るかと思っていたが、一般的な定型内郵便か…)
(合格なら詳細が書かれた用紙が入っている筈だから、厚みも有ると思うが、厚みも全然無いな…)
(これは……本当に落ちたか!)
俺も何社か、社員採用試験を受けた事が有るが、採用と成ると分厚い郵便物が来るが、不採用の場合は本当にペラペラの郵便物で来る。
俺は過去の経験から、これは不合格だと察知してしまう!!
(うぁ~~、開けたくないな)
(こんなの自ら、絞首台に向かうのと変わらないよ!!)
俺は郵便物を開けるのを躊躇っていると……
「……結果を見ないのですか」
鈴音さんは、冷静で冷淡な口調で言ってきた!
鈴音さんも、俺が不合格なのを覚悟しているのだろう。
「ちょっと、緊張していまして…」
「今から開封します」
と言った所に……
「はい。比叡君!!」
「ペーパーナイフだよ!」
「大事な郵便物だから、丁寧に扱わないと♪」
何時の間にか稀子は、ペーパーナイフを用意していた。
鈴音さんの表情は真っ暗だが、稀子の表情は何時も通りで有った。
「合格だと良いね。比叡君!」
稀子は笑顔で言う……
こんな場面の時は、稀子の方が落ち着く……
稀子の笑顔で心が落ち着いた俺は、ゆっくりとペーパーナイフで封筒を開封していく……
開封を終えて中味を見るが……、用紙が2枚入っているだけで有った。
俺は2枚とも用紙を封筒から取りだして、表側に成る部分からの用紙を広げて読んでいく……
『選考試験の結果……受験番号××番、青柳比叡は合格で有る』
「えっ!?」
俺は思わず声を出す!
筆記試験で痛恨のミスをしたのに合格で有ったからだ!
「……また落ちたか」
「……比叡君の人生は呪われているね!」
稀子はそう言ってくるが……
「……違うよ稀子。合格していたんだ!」
「ええぇ~~!!」
「何で、合格で驚きの声を上げるの比叡君は!?」
「筆記試験でミスが有って、駄目かと思っていたのに、合格だからびっくりした…」
俺は合格と書かれた用紙をみんなに見せる。
「わっ、わっ。比叡君がやっと合格出来た~~♪」
「おめでとう! 比叡君~~♪」
合格を見た稀子が俺に抱きついてきた!?
それも鈴音さんの居る前で!!
「私は信じていたよ!」
「比叡君の努力が、何時かは報われると!!」
稀子は嬉しそうに言って『ぎゅ~~』と俺を抱きしめて来る。
凄く嬉しいが……俺は思わず鈴音さんの目線が気に成ってしまう。
「……ふぅ」
鈴音さんは静かにため息をついていたが、それは安堵のため息で有った。
「取り敢えず、おめでとうございます…。比叡さん」
「それと稀子さん…」
「稀子さんも嬉しいのは分かりますが、私の比叡さんを断りも無く抱きしめるのは、如何な者かと……」
「あはは///」
「ごめんね、鈴ちゃん///」
「嬉しいから、思わず体が動いちゃった!」
鈴音さんに注意された稀子は、俺から離れるが少し残念!
「青柳さん…。試験合格おめでとうございます」
「私も一安心です。これから始まる訓練の方、頑張ってください」
真理江さんは母親の表情をしながら言ってくれる。
真理江さんもかなり、気に揉んでいたのだろう
恐らく順位で言えば、“どんけつ”だろうが、俺は試験に合格する事が出来た!
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
見捨てられたのは私
梅雨の人
恋愛
急に振り出した雨の中、目の前のお二人は急ぎ足でこちらを振り返ることもなくどんどん私から離れていきます。
ただ三人で、いいえ、二人と一人で歩いていただけでございました。
ぽつぽつと振り出した雨は勢いを増してきましたのに、あなたの妻である私は一人取り残されてもそこからしばらく動くことができないのはどうしてなのでしょうか。いつものこと、いつものことなのに、いつまでたっても惨めで悲しくなるのです。
何度悲しい思いをしても、それでもあなたをお慕いしてまいりましたが、さすがにもうあきらめようかと思っております。
大好きな騎士団長様が見ているのは、婚約者の私ではなく姉のようです。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
18歳の誕生日を迎える数日前に、嫁いでいた異母姉妹の姉クラリッサが自国に出戻った。それを出迎えるのは、オレーリアの婚約者である騎士団長のアシュトンだった。その姿を目撃してしまい、王城に自分の居場所がないと再確認する。
魔法塔に認められた魔法使いのオレーリアは末姫として常に悪役のレッテルを貼られてした。魔法術式による功績を重ねても、全ては自分の手柄にしたと言われ誰も守ってくれなかった。
つねに姉クラリッサに意地悪をするように王妃と宰相に仕組まれ、婚約者の心離れを再確認して国を出る覚悟を決めて、婚約者のアシュトンに別れを告げようとするが──?
※R15は保険です。
※騎士団長ヒーロー企画に参加しています。
殿下には既に奥様がいらっしゃる様なので私は消える事にします
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のアナスタシアは、毒を盛られて3年間眠り続けていた。そして3年後目を覚ますと、婚約者で王太子のルイスは親友のマルモットと結婚していた。さらに自分を毒殺した犯人は、家族以上に信頼していた、専属メイドのリーナだと聞かされる。
真実を知ったアナスタシアは、深いショックを受ける。追い打ちをかける様に、家族からは役立たずと罵られ、ルイスからは側室として迎える準備をしていると告げられた。
そして輿入れ前日、マルモットから恐ろしい真実を聞かされたアナスタシアは、生きる希望を失い、着の身着のまま屋敷から逃げ出したのだが…
7万文字くらいのお話です。
よろしくお願いいたしますm(__)m
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる