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【R-15】鈴音編 第2章

第126話 深夜の密会 その1

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 俺が用意したクッションに鈴音さんは座ると、早速話し始める。

「比叡さんが最近…、勉強に熱が入って無いのは私も知っています」
「稀子さんも進路変更をしてしまい、大変な気持ちも分かりますが……」

「それでも、お聞きします!」
「比叡さん自身の、今後の進路を教えて下さい!!」

(……いつかは来る質問だと覚悟はしていたが、少し早すぎるよな…)

 俺と鈴音さんは、恋人関係が続いている。
 今夜なんか母親の涼子さんに、再度有って欲しいと鈴音さんに言われた。
 俺が交際を認めて貰った時は、軽い挨拶と世間話しかしていない。
 鈴音さんも大学生に成れば、一気に行動半径が広がるし、制約も緩く成る。

 鈴音さんは普通の女の子に成ったとは言え、元お嬢様で有る。
 現段階では交際を公に認められているが、この先は判らない。
 いっそ、“できちゃった婚”に持って行けば良いのだが、鈴音さんのガードは非常に固く、軽いボディタッチとキスから先には、何度突撃しても進めなかった……

「鈴音さん…」
「俺の中では無謀と感じて居ても、来年4月に行われる学科試験までは、頑張るつもりです」

「……そうですか」
「学科試験を受けるまでは、保育士資格取得を諦めないと、受け止めて宜しいのですね?」

 日常生活では大分“くだけた”鈴音さんに変化はしたが、こう言った場面に成ると、本来の鈴音さんが前面に出て来るし、更に真剣だから、空気は何時もの穏やかな空気では無かった。

「はい……。そうです」

「……分かりました」
「大変だと感じますが、無理をしない範囲で頑張って下さい」

 鈴音さんはそう言い終えると、クッションから立ち上がろうとする。

「待って……鈴音さん」

「えっ……」

「折角来てくれたのだし、もう少し話をしようよ!」
「こんな時なんて、滅多に無いし!!」

 部屋に戻ろうとする鈴音さんを引き留める。

「もぅ……、仕方無いですね!」

 一度は立ち上がった鈴音さんだが、再度座ってくれる。
 この優しさが鈴音さんの良い所だ!

「鈴音さんと…、二人きりの時間も久しぶりですよね!」
「普段は大抵、稀子がいますから!!」

 俺は嬉しそうに言うが……

「二人きりに成ると、直ぐに比叡さんは、私の体を求めて来るから嫌です!」
「比叡さんにとっては、私の体を欲しくて、欲しくて仕方無いのでしょうが、私はまだ、其処までの愛情が芽生えてません!!」

 鈴音さんは、はっきりと言う!?

「でも、鈴音さん!」
「俺達は恋人関係だし、キスもする関係だろ…?」

「そっ、それはそうですけど…、比叡さんの場合は、完結を求めるのが早すぎます!///」

(鈴音さんはやっぱり、この辺がお嬢様なんだよな…。育ちも良かったし、器量も良い)
(鈴音さんの父親では無いが、政略結婚の道具には持って来いだった……)

「……比叡さんは、私の体の何処が良いのですか?」

「それは勿論、全てですよ!!」
「鈴音さんのけがれてない表情。“さらさら”のロングヘアー。体型は俺にとっては大好きな体型だし、後一番はやっぱり、鈴音さんの美しい心が俺は大好きです!!」

「/////////」

 俺が鈴音さんの気持ちを伝えると、鈴音さんは顔を真っ赤にしてしまう!!

「……本当に比叡さんは、私が大好きなんですね///」
「こんなに強い愛情を貰ったのは、比叡さんだけです///」

「ですから……どうしても、俺は鈴音さんの体を求めてしまうのです!」

「……そうは言われましても、私はまだ準備が出来ていません」
「女性の気持ちは、大変複雑なんです///」

(女性の気持ち?)
(勝負下着の事か??)

「比叡さんの、私に対する気持ちが本当なのを、改めて知ってしまいましたから、話さないで置こうとした話を今からします」

 鈴音さんは、何かを言い出すようだ。

「はっ、はい」
「それは、何でしょうか?」

「冬休みの時期に、私達は波津音市はずねしに一旦戻ります」
「その時に、私はお母さんに会い行き、比叡さんにも付いて来て貰います」

「それは、晩ご飯前に聞いたよね…」

「話はここからです!」
「お母さんには普通の交際を認めて貰っていますが、普通の交際では無く、結婚を前提にした交際を、認めて貰おうと私は考えています」

「えっ!!!」

 俺は鈴音さんの言った言葉で、思わず“びっくり”してしまった!!
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