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稀子編
第50話 労働の後の食事と言いたいが…… その1
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アルバイト先で有る会社から出た後は、特に用事は無いのでアパートに戻る。
晩ご飯は山本さんの家で頂く事に成っているが、お金を払ってるとは言え、多少は手伝わないと気まずい事が昨日分かったので、シャワーを浴びてから山本(稀子)さんの家に向かう事にする。
どうして分かったかと言うと……、稀子や鈴音さんは気にしてない感じだったが、山本さんは違った!
表情だけで口には出さなかったが態度からして『こいつ……甘い顔しやがったら、甘えやがって。今は良いが―――』見たいな空気とオーラを読み取ってしまった!
俺はこれでも、人の状態を観察するのは出来る方で有る。相手が何をしたいか、何を望んでいるかは大体予想出来る。
学童保育で指導員をしていた時代。俺の上司だった中年女性も、どちらかと言うと感情で動く人だった。
“あぁ”言った人は、己に非が有っても『私は悪くない! あいつが私を傷つけたと!!』と平気で言う。
周りの人達も敵に回したくないから、相手に決定的な証拠が無い限り、味方に付かれる。
俺がクビにされる時、中年女性と言い合いをしていたが、周りの指導員は遠巻きで見ているだけだった。傍観者だったのだ!
(終わってしまった事を思い出しても仕方無いか……)
ちなみに晩ご飯の時間は19時位で有る。時間は目安と鈴音さんに言われた。
時間に成ったら、山本さんの家に行って晩ご飯を食べに行って、食べ終わったら軽い片付けをして戻る行為は、俺がお金を払って居る以上、問題は無いと言いたいが、本当にそれをしたければ、最低でも……今の倍の金額を払わなければ成らない。
でも…、それを本当にしたら鈴音さんも困る前に、俺が山本さんにぶっ飛ばされるに決まっている。フルスイングで来るだろうし、最悪な展開が待っているに違いない!
俺は昨夜……。晩ご飯を食べ終えてリビングから出る時、山本さんが何も言わずに俺を睨み付ける様に見ていた時……俺はそれに気付いた。
俺は何だかんだで、甘えた根性を叩き出せては無かった……
昨日までは稀子からの『晩ご飯出来るよ!』と電話を受けて、山本さんの家に行っていたが、少しでも手伝いが出来る様に、18時半を目安に山本さんの家に向かう。
山本さんの家の玄関から入り、リビングに向かい引き戸を開く。
挨拶をしてリビングに入り、ダイニングの方に目を向けると、今日の担当は鈴音さんの様だが稀子も手伝いをしている。稀子が俺に話し掛けてくる。
「あれ…? 比叡君」
「まだ、ご飯は早いよ…」
稀子は不思議そうな顔をしながら言う。
「食べて帰るだけでは悪いから、手伝おうと思って……山本さん達は?」
俺がそう稀子に聞くと、稀子では無く、キッチンに居る鈴音さんが返事をする。
「孝明さんは工場の方でして、お母様はお店の方ですけど、もうすぐ戻って来るはずですわ!」
鈴音さんはそう答える。
よく考えれば……このお店の営業時間は知らないし、定休日も知らない。お世話に成っているのに何で、俺は基本的の事を聞いてないのだ…?
山本さんは自らペラペラ喋る人では無いし、却って大事な事も隠そうとする。
稀子は居候の身分だから、何処まで状況を把握しているか不明だし、鈴音さんも立ち回りの良い人だが、山本さんと同じ様に私的の事は言わない。
俺が聞けば答えてくれるのだろうけど、俺が聞かない限りは言わない……
(温かい家族だと感じたが違ったか…)
(俺だけ……除け者にされている訳では無いと思うが…)
「……どうしました。比叡さん?」
俺が黙り込んで考え事をしていたので、鈴音さんが気に掛けてくれる。
「あっ、いえ……よく考えたら、お店の営業時間と定休日を聞いて無かったと…」
「あれ?」
「稀子さんや孝明さんから聞いてないのですか?」
鈴音さんは、少し声のトーンを上げる。
「えぇ……聞いて無いです」
「大事な部分の筈なのに、駄目ですよね俺……」
俺は駄目人間をただ寄せながら言うと、鈴音さんが何故か謝りだす。
「それは、ごめんなさい///」
「私はてっきり、稀子さんや孝明さんが伝えていると思っていましたので///」
「あっ、言え、大丈夫です…」
「俺が聞か無かったのが悪いのです。鈴音さん、謝らないで下さい」
俺が鈴音さんにそう言ってると、稀子が“きょとん”とした表情で聞いてくる。
「でも……比叡君が、それを知ってどうするの?」
「比叡君は、山本さんのお店を手伝う訳でも無いし、定休日を知ったからと言ってどうするの?」
「変な、比叡君…」
別に稀子の言ってる事は間違ってはない。
只、俺の中では知らない事より、知っていた方が良いだけで有る。
お店の営業時間や定休日が判れば、俺が企画するかは別にして、イベントや相談事がしやすくなるだけで有る。
俺は稀子に、どの様に説明しようか言葉を選んでいた……
晩ご飯は山本さんの家で頂く事に成っているが、お金を払ってるとは言え、多少は手伝わないと気まずい事が昨日分かったので、シャワーを浴びてから山本(稀子)さんの家に向かう事にする。
どうして分かったかと言うと……、稀子や鈴音さんは気にしてない感じだったが、山本さんは違った!
表情だけで口には出さなかったが態度からして『こいつ……甘い顔しやがったら、甘えやがって。今は良いが―――』見たいな空気とオーラを読み取ってしまった!
俺はこれでも、人の状態を観察するのは出来る方で有る。相手が何をしたいか、何を望んでいるかは大体予想出来る。
学童保育で指導員をしていた時代。俺の上司だった中年女性も、どちらかと言うと感情で動く人だった。
“あぁ”言った人は、己に非が有っても『私は悪くない! あいつが私を傷つけたと!!』と平気で言う。
周りの人達も敵に回したくないから、相手に決定的な証拠が無い限り、味方に付かれる。
俺がクビにされる時、中年女性と言い合いをしていたが、周りの指導員は遠巻きで見ているだけだった。傍観者だったのだ!
(終わってしまった事を思い出しても仕方無いか……)
ちなみに晩ご飯の時間は19時位で有る。時間は目安と鈴音さんに言われた。
時間に成ったら、山本さんの家に行って晩ご飯を食べに行って、食べ終わったら軽い片付けをして戻る行為は、俺がお金を払って居る以上、問題は無いと言いたいが、本当にそれをしたければ、最低でも……今の倍の金額を払わなければ成らない。
でも…、それを本当にしたら鈴音さんも困る前に、俺が山本さんにぶっ飛ばされるに決まっている。フルスイングで来るだろうし、最悪な展開が待っているに違いない!
俺は昨夜……。晩ご飯を食べ終えてリビングから出る時、山本さんが何も言わずに俺を睨み付ける様に見ていた時……俺はそれに気付いた。
俺は何だかんだで、甘えた根性を叩き出せては無かった……
昨日までは稀子からの『晩ご飯出来るよ!』と電話を受けて、山本さんの家に行っていたが、少しでも手伝いが出来る様に、18時半を目安に山本さんの家に向かう。
山本さんの家の玄関から入り、リビングに向かい引き戸を開く。
挨拶をしてリビングに入り、ダイニングの方に目を向けると、今日の担当は鈴音さんの様だが稀子も手伝いをしている。稀子が俺に話し掛けてくる。
「あれ…? 比叡君」
「まだ、ご飯は早いよ…」
稀子は不思議そうな顔をしながら言う。
「食べて帰るだけでは悪いから、手伝おうと思って……山本さん達は?」
俺がそう稀子に聞くと、稀子では無く、キッチンに居る鈴音さんが返事をする。
「孝明さんは工場の方でして、お母様はお店の方ですけど、もうすぐ戻って来るはずですわ!」
鈴音さんはそう答える。
よく考えれば……このお店の営業時間は知らないし、定休日も知らない。お世話に成っているのに何で、俺は基本的の事を聞いてないのだ…?
山本さんは自らペラペラ喋る人では無いし、却って大事な事も隠そうとする。
稀子は居候の身分だから、何処まで状況を把握しているか不明だし、鈴音さんも立ち回りの良い人だが、山本さんと同じ様に私的の事は言わない。
俺が聞けば答えてくれるのだろうけど、俺が聞かない限りは言わない……
(温かい家族だと感じたが違ったか…)
(俺だけ……除け者にされている訳では無いと思うが…)
「……どうしました。比叡さん?」
俺が黙り込んで考え事をしていたので、鈴音さんが気に掛けてくれる。
「あっ、いえ……よく考えたら、お店の営業時間と定休日を聞いて無かったと…」
「あれ?」
「稀子さんや孝明さんから聞いてないのですか?」
鈴音さんは、少し声のトーンを上げる。
「えぇ……聞いて無いです」
「大事な部分の筈なのに、駄目ですよね俺……」
俺は駄目人間をただ寄せながら言うと、鈴音さんが何故か謝りだす。
「それは、ごめんなさい///」
「私はてっきり、稀子さんや孝明さんが伝えていると思っていましたので///」
「あっ、言え、大丈夫です…」
「俺が聞か無かったのが悪いのです。鈴音さん、謝らないで下さい」
俺が鈴音さんにそう言ってると、稀子が“きょとん”とした表情で聞いてくる。
「でも……比叡君が、それを知ってどうするの?」
「比叡君は、山本さんのお店を手伝う訳でも無いし、定休日を知ったからと言ってどうするの?」
「変な、比叡君…」
別に稀子の言ってる事は間違ってはない。
只、俺の中では知らない事より、知っていた方が良いだけで有る。
お店の営業時間や定休日が判れば、俺が企画するかは別にして、イベントや相談事がしやすくなるだけで有る。
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