活きているブタ

小春かぜね

文字の大きさ
上 下
1 / 5

中年ライフ

しおりを挟む
 この物語はフィクションです。
 設定、登場する人物、団体及び名称は一切関係有りません。

 俺の名は名乗る必要も無いな……。俗に言う中年男性だ。
 俺自身でも、優秀な人間では無い事は自覚している。
 このご時世だが、俺は縁故採用の御陰で、人並みの中年独身男性と同等に暮らしている。いや、実質はそれ以上だろう!

 業種は営業だが出社後、営業車に乗って会社を出てしまえば、後は実質の自由時間だ。俺の担当の取引先は数社しか無いし、新規開拓も不要だ。
 本当に忙しいのは月に1~2日有る位だ。暇だからと言って、他の人なんか助けないし、助けられる必要も無い。人を助ける暇が有るなら、俺はアプリゲームをやる!!

 俺が普通に採用されたのなら、同僚や上司に『ああだ、こうだ』言われるが、縁故採用だから、上役に当たる親戚の人も何も言わない。
 社内で当然、俺は嫌われ者だが、自分の仕事はきちんとしているので、文句を言われる筋合いは無い!

 給料はその分低めだが、きちんとボーナスも出るし、ギャンブルには興味が無いから十分に生活が出来る。風俗も行かない!!
 もちろん、縁故採用だから完全週休二日にして(他の社員は違う)、年末年始・黄金週間ゴールデンウィーク・お盆休みは、縁故パワーで1週間は必ず休暇を取る。これ位の休暇でもまだ足りない位だ!

 時々、休暇に関しては『少し控えてくれ……』と注意はされるが、上役の親戚の人は気が弱い人なので、俺が『ガツン!』と言ってやると直ぐに黙ってくれる。本当に良い人だ。会社が潰れるまで、ここに寄生しよう!!

 ……

 平日は仕事が有るので…、そんなに自由時間は無いが、週末はフルに使える。
 俺の体は体質上、長時間眠る事が出来ないし頻尿気味で有る。何時間も眠れる奴がうらやましい……
 折角寝ても、数時間に一度はトイレで起きてしまう。そのため、俺の日常生活もほぼルーチン化している。
 今日は有る日の週末を紹介しよう!

 朝の5時…。俺はトイレのために目覚めるが、ここで起きる事にする。
 俺の住処は賃貸アパートだ。値段の割に部屋は広いが、その代わり防音性が犠牲に成っている。周りの住人も変な奴は居ない……

 顔を洗って朝食だが、家には食べる物は置いてない。
 家から車で数分の所にコンビニが有るので、腹が減る度にコンビニに買いに行けば良いので有る。
 俺の家に有る、冷蔵庫は最低限大きさのだ。飲料水や数個の冷凍食品が保存出来るので十分だ。

 朝の静かな時間帯だが、俺はそんなの関係無く、車で朝食を買いに行く。車が有るから、雨の日だろうが雪の日だろうが関係無い。
 コンビニで朝食を買って直ぐに戻って来る。『地球環境?』俺には関係無い!!

 そんな俺だが綺麗好きだ。朝起きた時に洗濯機を廻す。このタイプは静かな奴だから、この時間でも問題無い。
 朝食を食べて、しばらくすると洗濯が終了する。洗濯物を干さないと……な。
 時間はまだ、朝の6時半過ぎだが天気も良さそうだし、近隣の迷惑を考えずにベランダのドアを思いっきり開けて洗濯物を干す。

 小鳥のさえずる静かの環境に俺の音だけが響く。最高だぜ!
 隣の馬鹿が時々、壁を殴ってくるが、ボロアパートに住んでいるお前が悪い。嫌ならお前が出て行けと何時も感じる。俺は平和主義者だ。馬鹿の相手はしない。

 朝食も食べて、洗濯物も干した。
 少しテレビを見て寛いでから、運動をするために家近くの公園に向かう。移動手段はもちろん車だ。
『運動するのに、歩かないの?』と言われるかも知れないが、公園まで歩いて行ったら、辿り着く前に疲れてしまうだろうが!!
 1時間位公園でジョギングをしたら、車で家に戻ってシャワータイムだ。この時間が堪らない!

 どうだ!
 誰もが見ても、俺は健康的な生活をしている。羨ましいだろう!!
 体も心リラックスしたらアプリゲーム、読書ラノベ動画アニメ鑑賞の時間だ。
 読書も色々なカテゴリーが有るが、夢に浸れる読書が好きだ。中途半端に現実を混ぜ込んだ作品は絶対に読まない。直ぐに仮想現実に浸れる作品が一番好きだ!
 後、家族物も読まない。誰があんなの読むんだ? 空しくなるだろうが!!

 これこそが、俺が生きている実感で有る。仕事はあくまでで有る。
 お気に入り作者の小説を読んで、好きな動画を大画面で見る。楽しい時間ときを過ごしているともう昼食の時間だ。
 昼食も便利なコンビニで済ます。実際は歩いて行ける距離だが、車を使ってコンビニに昼食を買いに行く。運動は今朝したから十分だ。

 昼食も取ったら、午後からも午前中と同じ様な事をして過ごす……。周りが、どう言おうが、これが俺の休暇の過ごし方だ!
『えっ、洗濯以外の掃除は?』そんなの1人暮らしだから、年に数回で十分だよ。
 毎日掃除したって髪の毛は直ぐに落ちるし、俺は料理を作らないから台所は汚れないし、風呂もシャワーのみだから、掃除なんて頻繁にしなくても平気だ!

 彼女はいないが、小説に出て来る様なヒロインは俺を相手に何かしないし、動画のヒロイン見たいな人も居ない。
 俺が養われるならまだしも、彼女を養うなんてまっぴらごめんだ!
 性欲を発散させる方法は幾らでも有るし、俺に彼女なんかは不必要だ!

 夕方が近づいてくると自己PRのために、ドアの開閉音は大きく開けて、俺は洗濯物を仕舞い込む。これをすると周りが気を遣うからな。どうだ、出来る男だろ!
 洗濯物を仕舞い込んだ後、夕食もコンビニだと流石に体に悪いから、スーパーに行って惣菜品や弁当を買う。
 コンビニより安いし、俺の家近くに有るスーパーは惣菜品が充実している。

 スーパーで買い物を終えたら、またアプリゲーム、読書、動画鑑賞を楽しんで、途中で夕食を食べて、それを繰り返して、就寝直前にシャワーを浴びてから、ベッドに入り込む。
 朝が早いので、夜は23時前には眠りに就く。
 今朝、壁を殴ってきた奴は最近、夜遅くまで物音が聞こえるが俺は紳士だ。威嚇などしない。威嚇をする奴は己が弱い証拠だ。俺見たいに成れ!!

 ……

 これが模範的な、中年独身男性の過ごし方だ。
 食事はコンビニ・スーパーで賄えるし、洗濯だけすれば後は問題無い。
 結婚は無理にしなくても良い。これからの時代、悪く成る事は有っても良く成る事は無いからだ!
 みんなも、楽しい中年独身男性ライフを楽しんでくれ!!

 おわり……
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

FUCKER friendS

島村春穂
現代文学
公園でバスケをしていた少女が、高校生に目をつけられた。公衆トイレに連れこまれ、裸に剥かれた。真っ黒に日焼けした裸は、跳ねあがるほど敏感だった。執拗な愛撫をうけるうちに、ツルペタの胸がいやらしく張っていく。後ろから、そして前から、欲望のまま華奢な体を姦されつづけ、イククゥゥゥ!自我が崩壊!!目覚めてしまう女の悦び……。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

トラロープの絆

深川さだお
現代文学
『トラロープの絆』は、工業都市で生きる人々の現実と内面的な葛藤、そしてその中で見つける本物の絆を描いた心に響く物語です。地元の工場で働く拓次、専門職で都会的な生活を志向する深川、伝統工芸の漆器職人である祐美子――彼らが抱える葛藤と向き合いながら、互いに支え合う姿が描かれています。 物語の中心にいる拓次は、工場での仕事と恋活の現実に向き合う一方で、自然の中での釣りに癒しを求めています。彼が釣り上げるイワナは、日常の喧騒から逃れる瞬間を象徴するものであり、同時に拓次が求める「本物」の象徴でもあります。彼が遭難し、生死の狭間でイワナに出会う場面は、彼の人生観に大きな転機をもたらします。生還を果たした後、彼はそれまで見過ごしていた日常の小さな支えに気づくようになり、トラロープで繋がるかけがえのない人間関係の価値を再認識していきます。 一方、都会的な価値観を持つ深川は、専門職として高い評価を得ているものの、地元の人々との距離感に悩んでいます。アウトドアには疎い深川もまた、拓次との釣りを通して自然や地元への理解を深めていきます。彼は拓次のように日常の中で深くつながることを難しく感じつつも、地元に根ざした人間関係や自然との関わりに共感し、自分の内面を見つめ直すようになります。 物語の中で重要な存在である祐美子は、伝統工芸である漆器作りに心を注いでいます。彼女が手掛ける漆器の器には、日常の中で人々の「心をのせる」ことが大切に込められています。祐美子は、都会的な深川に憧れつつも、工業都市での地道な生活や自らの技術への誇りとの間で葛藤しています。漆器作りに携わりながら、彼女もまた地元や自然、そして自分が守りたいものに気づいていくのです。漆器は彼女にとって、日々の生活に根ざし、人々を支えるための器として、物語の中で「支え合い」や「絆」を象徴するアイテムとなります。 物語のクライマックスでは、拓次が釣り上げたイワナを深川や祐美子とともに食し、さるなし酒を酌み交わすシーンがあります。この場面は、彼らがそれぞれの葛藤を越えて、自然や生活の豊かさを共有し、本物の絆を確かめ合う象徴的な瞬間です。漆器に盛られた料理や、酒を囲む彼らの姿には、日常の中で育まれる支え合いや、自己を超えてつながる人間関係の深さが見事に表現されています。 『トラロープの絆』は、現代の恋愛や人間関係、地方都市に根付く絆の意義について問いかける作品です。恋愛において条件重視の風潮に疑問を抱く方や、自然の中での経験が人の価値観をどう変えるかに興味がある方、また日常にある小さな支えを見つめ直したいと考える方にとって、心に深く響く物語となるでしょう。拓次たちが見つけた「本物の絆」とは何か――釣りや漆器、イワナに象徴される支え合いの精神を知りたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。

美少女幼馴染が火照って喘いでいる

サドラ
恋愛
高校生の主人公。ある日、風でも引いてそうな幼馴染の姿を見るがその後、彼女の家から変な喘ぎ声が聞こえてくるー

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

校長先生の話が長い、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。 学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。 とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。 寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ? なぜ女子だけが前列に集められるのか? そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。 新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。 あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。

彼氏の前でどんどんスカートがめくれていく

ヘロディア
恋愛
初めて彼氏をデートに誘った主人公。衣装もバッチリ、メイクもバッチリとしたところだったが、彼女を屈辱的な出来事が襲うー

処理中です...