上 下
647 / 653
第7.1章 個別ルート 虹心・小鞠編

第647話 三人で通う。通学路

しおりを挟む
 ……

 それから、しばらくの時が過ぎる……

 今日は、学園新学期の初日日で有る。
 前日。虹心と小鞠ちゃん二人の妹は、葉月学園。高等部入園式を終えている。

 俺も進学して、高等部三年生と成る。
 虹心と小鞠ちゃんはピカピカの高等部一年生で有る!

 二人の妹と、春休み中に少しHな出来事が有ったが……二人に妹は少女で有る!

 ……

 今日から俺たち三人は同じ学び舎に通う事となる。
 葉月学園中等部は給食制度で有ったが、高等部は給食が無いので弁当類を持参するか、学園内の購買で昼食を買う事となる。

 だが、昼食時の購買は本当に戦場へなるし、人気のある惣菜パンやサンドイッチ、菓子パン類は直ぐに売り切れるので、確実な物を食べたければ持参した方が良い。
 俺は今まで購買などで昼食を買っていたが、虹心が高等部生に進学したことも有って、三年生からは虹心が俺の分の弁当も用意してくれる事となった。

 だが、その影響で今まで昼食用に貰っていた小遣いは、虹心が弁当を用意してくれる関係上で減額と言うか没収されて、その金額がそのまま虹心の方にスライドした。
 虹心の作る料理は旨いが、事実上の小遣い減額は俺に結構なダメージを与えた///

 ☆

「行ってきまーす!」

 虹心は和やかな表情で、玄関に向けて一人しゃべりをする。
 母親は前日夜勤のため。まだ家に帰って来ていない。

 兄の方も今日は日勤の早出らしいので、早朝から家を出ている。
 だが虹心は、誰もいない家に向けて出掛けの挨拶をする?

 しかし、これ毎回の事だ。
 その挨拶の後。虹心は俺の方に顔を向けて、嬉しそうな表情で話し始める。

「やっと今日から、兄ちゃんと一緒に学園へ行けるね♪」
「今までは同じ学園でも、校舎の関係上でそれが出来なかったけど、兄ちゃんが学園を卒園するまでは、毎日一緒に通って上げるね!♪」

 虹心は妹の癖に、俺だけには上から目線で物を平気で言う……
 だが、これも慣れた者だ。

 俺はでも好きで有る。
 俺は穏やかな表情で、虹心に話し始める。

「玄関前での立ち話も其処までにして、学園に行こうか!」
「虹心!!」

「だね、兄ちゃん!」

 虹心は笑顔で返事をする。
 俺と虹心は横歩きで、三國家から学園に向う。

 歩き始めると早速。虹心は笑顔で会話を再開させる。

「兄ちゃん!」
「今日の授業は午前中までだけど、お昼はどうしようか?♪」

 今日は新学期初日なので、学園授業は午前中まである。
 明日から授業は始まるが……4月中の間は短縮授業である。←各授業時間が5分短縮される

「昼か……でも、虹心?」
「演劇部の方は良いのか?」

 俺は尋ねる表情で虹心に聞く。
 虹心は幽霊部員であるが、演劇部に所属している。

 だが虹心は、和やかな表情で俺に話し始める。

「部活の方は何も問題無いよ。兄ちゃん!」
「それに私は幽霊部員であるから、いてもいなくても問題ないし♪」

「……そうか!」
「なら、良いけど……(汗)」

 俺は微妙な表情で虹心に話す。
 虹心は高等部に進学したが、演劇部の方は幽霊部員を継続するらしい?

 俺が昼食の続きを虹心に話そうと思ったタイミングで、道の前方から小鞠ちゃんがやって来る。
 小鞠ちゃん普段は、虹心と一緒に学園に通っている。小鞠ちゃんは俺と虹心を迎えに来たのだろう。

「!」

『タタッ』

 俺と虹心を見た小鞠ちゃんは、小走りで俺と虹心の側にやって来て、嬉しそうな表情で俺と虹心に話し始める。

「おはようございます♪」
「武蔵さんと虹心ちゃん!♪」

「おはよう、小鞠ちゃん!」

「小鞠ちゃん。おはよう!」

 俺と虹心は和やかな表情で、小鞠ちゃんに挨拶をする。
 ここから先は三人で学園に向う。

 俺はさっきの昼食の事を、虹心に穏やかな表情で話し始める。

「虹心。さっきの昼食の事だけど、偶には外食でもしないか?」
「春休み中の殆どを、虹心が昼食を用意してくれていたし…!」

 俺と虹心の関係はほぼ恋人関係と言える状況なので、春休み中の昼食殆どを虹心が用意してくれた。
 虹心が部活や用事が有る時は、態々わざわざ俺用の弁当を作ってくれるレベルで有った。

 これに対しては、流石の母親も呆れていた。

『虹心もかなり本気のようだね……』
『あぁ……武蔵が虹心を選んだ時は、津和野さん(母親)に何て言い訳をしよう///』

 と、母親は一人で頭を抱えて、悩んだ表情で一人しゃべりをしていた。
 虹心が本気の本気で、俺の事を好きだったとは思っていなかったらしい?

 すると、俺と虹心の会話を聞いていた小鞠ちゃんが、和やかな表情で話しに割って入った来た。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた

楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。 この作品はハーメルン様でも掲載しています。

学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった

白藍まこと
恋愛
 主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。  クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。  明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。  しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。  そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。  三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。 ※他サイトでも掲載中です。

幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた

久野真一
青春
 最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、  幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。  堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。  猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。  百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。    そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。  男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。  とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。  そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から 「修二は私と恋人になりたい?」  なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。  百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。 「なれたらいいと思ってる」    少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。  食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。  恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。  そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。  夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと  新婚生活も満喫中。  これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、  新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

処理中です...