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第7.1章 個別ルート 虹心・小鞠編

第642話 楽しい晩ご飯? その2

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 小鞠ちゃんの後は、虹心の小鉢にも鍋の具材をで盛り付ける。
 依怙贔屓はせず、小鞠ちゃんと同じ感じで盛り付ける。

「ありがとう、兄ちゃん……でも、私のは野菜が多いな…!」
「小鞠ちゃんは肉や魚が多いのに、私のは白菜やばかりだ!!」

「あはは……///」

 虹心は、和やかな表情でお礼を言いながら小鉢を受け取るが、俺の盛り付け方に愚痴をこぼす!
 虹心の言葉を聞いていた小鞠ちゃんは、困った笑顔で空笑いをしている。

 文句が有るなら、自分でよそえ。虹心!!
 俺はお玉を持っているついでで、母親に穏やかな表情で話し掛ける。

「……母さんのもすくおうか?」

「……なら、お願いしようかな。武蔵」

 母親は少し困った表情で俺に良いながら、小鉢を俺の方に差し出す。
 俺が虹心と小鞠ちゃんから同時に好かれてしまっているから、母親の方も困っているのだろう?

 俺は、母親の小鉢に鍋の具材をで盛り付けて、母親の元に小鉢を返す。

「はい。母さん!」

「……ありがと。武蔵!」

 親子らしい会話をして(?)、此処でやっと自分の小鉢に鍋の具材を掬う。
 鍋の具材を最初にで掬ったのは俺で有るが、自分の分を盛り付けたのは最後で有る?

 俺が掬い終わったのを見ていた虹心は、和やかな表情で俺に話し始める。

「さて、やっと兄ちゃんが盛り付け終えたし、これで食べられるね!」
「小鞠ちゃん!!」

「はい、そうですね。虹心ちゃん♪」
「とても、美味しそうです♪♪」

「…………」

 虹心や小鞠ちゃんは小鉢にまだ箸を付けておらず、俺を待っていたようだ。
 母親の方は既に食べ始めていたが……顔には『この馬鹿達は何をやっているんだ…!』と言いたそうな表情をしていた!

 食事前の挨拶は既に済ませているので、俺たち三人は小鉢に盛り付けた鍋の具材を食べ始める。

『パク♪』

 小鞠ちゃんは嬉しそうな表情で、鶏肉を口に含んでいる。
 その鶏肉を飲み込んだ後。美味しそうな表情で一人しゃべりを始める。

「やっぱり、みんなで食べるお鍋は美味しいですね~~」
「私の家もお鍋をしますが……少し味気ないのですよね///」

「あ~~。津和野さんの所はお母さんと2人だからね…」
「2人鍋だと、物寂しさを感じるかもね……」

 小鞠ちゃんの言葉を聞いていた母親が、困った微笑み表情で小鞠ちゃんに話す。
 小鞠ちゃんは、取って付けたような表情で母親に話し始める。

「あっ、でも、おばさん///」
「お母さんと食べるお鍋も、美味しいです///」

「お母さんが作るお鍋は、私とお母さんの好きな具材しか入れませんから///」

(……鍋はで食べた方が美味しいか)
(だが、一人鍋の方が誰にも邪魔されなくて、良いとか聞いた覚えが有るよな?)

 俺が心の中で感じていると、虹心が嬉しそうな表情で小鞠ちゃんに話し掛ける。

「しかし、小鞠ちゃんの言う通りだね!」
「お鍋は、わいわいガヤガヤで食べる物だね!!」

「今度からうちでお鍋をする時は、小鞠ちゃんを積極的に誘うね!♪」
「私も、小鞠ちゃんと一緒に鍋がつつけて嬉しいし!!♪」

「あっ、はい。是非と言いたいですけど……ご迷惑に成りませんか?」
「おばさん……」

 小鞠ちゃんは、困った微笑み表情で虹心に話しているが、最後は母親に話しを振る。
 母親は母親らしい表情で、小鞠ちゃんに話し始める。

「私の家は、小鞠ちゃんを迷惑だと感じている人は誰一人居ないよ」
「小鞠ちゃんは虹心や武蔵の親友だし、航平(兄)も小鞠ちゃんを妹の様に見ているからね!」

「そっ、そうですか……それは、ありがとうございます///」
「おばさん……///」

 小鞠ちゃんは嬉し恥ずかしい表情で、母親に話している。
 これで、今度から三國家で鍋をする時は、小鞠ちゃんは強制参加させられるのだろう?

(この感じだと、小鞠ちゃんは虹心の永遠親友に成りそうだな)
(だけど、虹心と小鞠ちゃんは進む進路が違うから、何処かで別れる事に成るよな?)

『パクッ』

 俺は心の中で思いながら、小鉢に入っている鍋の具材を食べる。
 俺には永遠の親友を作り損ねたが、虹心には永遠の親友が出来た感じでも有った……
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