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第7.1章 個別ルート 虹心・小鞠編

第636話 三人で楽しむ植物温室? その1

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 俺たち三人は昼食後。植物園ゾーンに在る温室へ向う。
 温室内に入ると……最初に出迎えたのは大きなサボテン達で有った。

「温室の定番だね!」
「THEサボテンだね!!」

 虹心は和やかな表情で、サボテン達を見ながら一人しゃべりをする。
 すると、小鞠ちゃんは有るサボテンに指を差しながら、和やかな表情で急に説明を始める!

「虹心ちゃん!」
「このサボテンは、―――と言いまして、―――」

「……」

「……」

 俺と虹心は急に始まった、小鞠ちゃんからの説明を黙って聞いているが、説明を受けるほどサボテンが大好きでは無い。
 だが、小鞠ちゃんは善意の気持ちで説明をしているのだから、水を差す行為は出来ない。

 サボテンの後も、温室内の草花を見て回って行くのだが、小鞠ちゃんはその度々に説明をしてくれる。
 まるで、温室内の職員やガイドさんで有る!

「―――です!」

 ある花の説明が終わったタイミングで、虹心が小鞠ちゃんに困った笑顔で話し掛ける。

「小鞠ちゃんは本当に、お花が好きだね…(汗)」
「其処まで、熱心に説明をしてくれて……(汗)」

 虹心はガーデニングには興味が無い。
 なので、虹心も各説明を聞き飽きて来たのだろう。

 だが、小鞠ちゃんは笑顔で虹心に話し始める。

「はい。虹心ちゃん!」
「私は、植物やお花が大好きです!!」

「学園卒園後の進路は、農学部がある大学への進学を考えています!」

「……やっぱねとは思っていたけど、小鞠ちゃんは本当に植物好きだね!」

 虹心は、困った微笑み表情で小鞠ちゃんに話す。
 小鞠ちゃんはもう、自分の将来を決めて進んでいるようだ。

 虹心の言葉の後。
 小鞠ちゃんは尋ねる表情で俺に話し始める。

「武蔵さんは……もう、将来就きたい仕事を決めていますか?」

「えっ!?」
「俺??」

「俺は……まだ、特に決めていないんだ///」
「小鞠ちゃん///」

 俺は、困った微笑み表情で小鞠ちゃんに話す。
 俺の言葉を聞いた小鞠ちゃんは、少し残念そうな表情で俺に話し始める。

「……そうですか」
「武蔵さんはまだ、決めていないのですか。自分の将来を……」

「……」

(俺って、別に変な事は言っていないよな?)
(これが大学生ならまだしも、俺は学園生だぞ…)

 虹心が俺をフォローする表情で、小鞠ちゃんに話し始める。

「小鞠ちゃん!」
「兄ちゃんは、楽観的な見方をする人だから気にしない!!」

「兄ちゃんが万が一ニートに成っても、私たちで面倒を見れば良いだけだし!」
「ねっ!!♪」

「!//////」

(虹心!///)
(俺は其処まで、クズな男では無いぞ!!///)

 俺は虹心の言葉で、思わず頬を染めてしまう。
 確かに俺は優秀な人間では無いが、勝手に無能扱いにしないでくれ///

「あはは…。武蔵さんがニートの道に進んでしまいましたら、流石の私も愛想が尽きますよ。虹心ちゃん///」
「ニートなんて、社会の○○ですし!///」

「!?///」

 俺は小鞠ちゃんの言葉で再度驚く!
 小鞠ちゃんは苦笑しながら虹心に話すが、俺がニートに成ったら縁を持ちたくないことも言う!

 おまけに、伏せ字にしなければ成らない言葉も発した!?///
 小鞠ちゃんの中では、かなりニートに嫌悪感を持っているようだ。

 だが、虹心は和やかな表情で小鞠ちゃんに話し始める。

「まぁ、そう成る前に、私がするけどね!」
「私の言う事だけは、100%聞く兄ちゃんだから!!」

「ニートの道に進むなんて言った日には、兄ちゃんを去勢してから、山へ捨てに行くよ!!」
「そして、熊さんのエサと成る♪」

(勝手に話しを持って行くな。虹心!///)
(此奴は本当に、俺だけには容赦が無いな……(汗))

「さて、続きを見て回ろうか!」
「小鞠ちゃん!!」

 虹心はの会話を打ち切るように、笑顔で小鞠ちゃんに話し始める。
 小鞠ちゃんも困った微笑み表情で、虹心に話し始める。

「……そうですね。虹心ちゃん」
「武蔵さんは虹心ちゃんも大好きですから、虹心ちゃんが本気に成れば、武蔵さんなんてイチコロですからね///」

「…………」

 俺はバツの悪い表情をするしか無かった。
 だが、こんなおおやけの場所で言わなくても良いのに。

(多分だが、虹心は小鞠ちゃんからの説明に嫌気を感じていたのだろう)
(だから俺をサンドバッグにして、その鬱憤を晴らしたと……)

 虹心は俺だけには容赦が無いが、小鞠ちゃんに強く当たる場面なんて見たことが無いし、母親や兄だって同じで有る。
 俺はそれだけ、虹心から見れば扱いやすい人と見られているのか、間違った愛情のかなんだろう!?
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