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第7.1章 個別ルート 虹心・小鞠編

第632話 三人での動植物園デート その1

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「武蔵さん!」
「私は、動物園からの方が見たいです!!」

 小鞠ちゃんは考えが決まったらしく、穏やかな表情で俺に話す。
 小鞠ちゃんの言葉を聞いていた虹心は、和やかな表情で俺に話し始める。

「兄ちゃん!」
「小鞠ちゃんは動物園だって!!」

「じゃあ、それで行こう!」
「兄ちゃん!!」

「……」

(俺はからでも良いから、別に構わないけど…)
(小鞠ちゃんの事だから虹心に遠慮したな!)

 俺たち三人は入園ゲートから、動物園ゾーンに向けて歩き始める。
 園内には大きな池もあり、スワンボート遊びも出来る。

 動植物園を楽しんだ後は、三人でスワンボート遊びもするのだろうか?

 ……

 この動物園の目玉はコアラらしいが、最初にお出ましたのはサイで有る。
 虹心は和やかな表情で、サイを見始める……

「サイだね~~♪」
「動物園のだから野性味は余り感じないけど、サイだね~~♪♪」

「……」

「……」

 虹心は和やかな表情で一人しゃべりをしているが、俺と小鞠ちゃんは澄ました表情でサイを見ている。
 俺はサイを、虹心ほど好きでは無い。普通と言えば良いのだろうか?

 小鞠ちゃんも同じ感じだ。
 虹心は案外。動物好きなのだろうか?

 サイの後はトラやゾウを見ていくが……ゾウ位からは、小鞠ちゃんも嬉しそうな表情で見始める。

「やっぱり、ぞうさんはお鼻が長いですね~~♪」
「ぞうさんを見ますと、動物園に来た実感を感じます!♪」

 小鞠ちゃんはゾウを見ながら、嬉しそうな表情で一人しゃべりをする。
 同じようにゾウを見ている虹心も、楽しそうな表情で一人しゃべりを始める。

「本当。ぱおーんだよね!」
「何処かのも、私たちを見てしているけどね♪」

「ねっ、兄ちゃん!♪」
「ぱおーんだね!!♪」

「……//////」

(虹心!)
(こんな所で、下ネタなんぞ言わなくても言い///)

 虹心は浮かれているのか、ワザとかは知らないが危ない発言をしている。
 俺たち三人は年齢が近い年齢だから問題ない(?)が、もし、これが年の差で有ったなら俺は誰かに通報されているだろう!?

 小鞠ちゃんも虹心の言葉で「あはは//////」と、苦笑いをしていた。
 トラやゾウを見た後も、ゴリラ、シマウマ、ライオンと見て回って行く。

 ……

 俺たち三人は楽しく、動物園ゾーンを見て回って行く。
 虹心はどんな動物でもながら見ていくが、小鞠ちゃんの場合は名の知れた動物や、お気に入りの動物だけに反応を示している。

 俺も小鞠ちゃんと同じ感じだ。

(動物園は、大人デートでは微妙に成るかも知れないが、俺たちぐらいの世代なら楽しく見て回れるな)
(でも、これを求めたのは虹心で有るし、虹心は凄く楽しんでいるからな!)

 俺も動物園は嫌いでは無いから、楽しく見て回っている。
 また、この動植物園は飼育されている動物も多いから、楽しみ甲斐も有る。

 動物園ゾーンを半分ぐらい見た所で、都合良く休憩場所が有るので、俺たち三人は小休止をする。
 自動販売機で、それぞれがジュースを買って、テーブルベンチに腰を下ろす。

「ふぅ!」
「やっぱり、動物園は楽しいね♪」

 ジュースを飲んで一息吐いた虹心は、笑顔で俺と小鞠ちゃんに向けて話す。
 小鞠ちゃんは和やかな表情で、虹心に話し始める。

「虹心ちゃんが、此処まで動物園好きとは少し驚きました!」
「私は、虹心ちゃんと付き合いが長いですが、気付きませんでした!!」

「そう?♪」
「私は動物を見ていると、心が落ち着くんだよ!♪」

「小鞠ちゃんとは一緒に来たのは、今日が初めてだしね!」
「特に、飼育員が動物達にエサを上げるシーンが好き❤」

「あの喜んで食べる、動物達の姿が良いよね!♪」

 虹心は小鞠ちゃんに笑顔で話している。
 三國家では動物類を一切飼っていないが、其処まで動物が好きとは俺は知らなかった。

(でも、よく考えれば……俺たち三人兄妹が小さかった頃は、動物園に良く行っていた覚えが有るな…)
(あの時の虹心も楽しく見ていた気がするが、俺の中では好きと言うより、物珍しさ目線で見ていると思っていた)

(今の虹心は、俺や兄の航平を間違いなく、ペット目線で見ているのだろうな///)
(俺や兄も虹心の料理を、動物の様に喜んで食べているから!///)

 虹心は母親以上に家事をこなすので、俺や兄は虹心に頼りっぱなしで有る。
 その為。虹心の目線から見れば、俺と兄は虹心のペットにされているはずだ!?
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