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第7章 個別ルート 三國虹心編

第604話 俺の部屋を見たがる小鞠 その1

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「ありがとう。小鞠ちゃん」
「今この場で急激に小鞠ちゃんと仲良く成ると、虹心がを焼くからさ///」

 俺は困った微笑み表情で、小鞠ちゃんに話す。
 虹心をにしておけば、小鞠ちゃんも納得するしか無いだろう?

 小鞠ちゃんは虹心の親友で有るし、今の小鞠ちゃんは虹心への依存度が強い。
 俺の言葉で小鞠ちゃんは、拗ねた表情に成って俺に話し始める。

「そうですね……武蔵さんは、虹心ちゃんにゾッコンらしいですからね」
「武蔵さんが虹心ちゃんに依存したがる気持ちも、理解出来ない事とは無いですが……」

「……」

 小鞠ちゃんの言葉を虹心は『あはは…///』の表情で聞いている。
 俺と虹心の事実関係をまだ小鞠ちゃんには話していないから、虹心の方も動きようが無い。

 ☆

 小鞠ちゃんとはこれで和解して、以前の関係に戻る。
 以前のように3人仲良く、リビングで紅茶を飲みながら雑談を始めると……小鞠ちゃんは早速。兄に甘える妹のように話し始める。

「武蔵さん!」
「私。喧嘩する前からずっと思っていた事なんですが、武蔵さんの部屋を見せてくれませんか?♪」

「実は……ずっと気に成っていたんです!♪」

「?」
「俺の部屋を見たいの。小鞠ちゃん?」

「でも、何も無いよ!」

 俺は澄ました表情で、小鞠ちゃんに返事をする。
 俺の部屋に珍しい物や、凄く大事にしている物を置いていない。

 有るのは勉強机とベッド。後は青年漫画を収納している本棚ぐらいだ。
 でも、小鞠ちゃんは期待する眼差しで、俺に言葉を続ける。

「武蔵さん。何も無くても良いです!///」
「私はまだ……男の人の部屋を見た事が無いんです!!///」

「なので……どんな部屋なのか、私は凄く興味が有るのです!♪///」

「……」

(あぁ……小鞠ちゃんの家は、母子家庭の上。一人っ子だもんな!)
(でも、木付と付き合っていた時に、小鞠ちゃんは木付の部屋を見ていないのか?)

 俺がそう、心の中で思っていると……虹心が嬉しそうな表情で俺に話し掛けてくる。

「兄ちゃん。小鞠ちゃんに部屋を見せてあげなよ!!♪」
「別に家捜やさがしをする訳でも無いし!♪」

「……まぁ。見てもするだけと思うけど……それでも良ければ」

 俺は歯切れの悪い口調で、虹心と小鞠ちゃんに向けて話す。
 の物は目立つ場所に置いていないから、本当に家捜しをしない限り見付けられないだろう!?///
 俺の言葉を聞いた小鞠ちゃんは、嬉しそうな表情と弾んだ口調で言い始める。

「本当ですか。武蔵さん!♪」
「では、早速見せてください!!♪」

「武蔵さんのお部屋!♪」

「……」

「……」

 俺は『意表を突かれた』表情をして、虹心は『やれやれ』の表情をしている。
 小鞠ちゃんと再度仲良く成った途端。小鞠ちゃんの勢いは以前と比べて増していた……

 ☆

 おやつの時間は切り上げて、俺たち3人はリビングから俺の自室に向う。
 三國家の階段は狭いので、縦3人で階段を1階から2階へ上っていく。

 今の時期は冬の時期なので、俺の自室ドアは閉めて有る。
 逆を言えば、夏の時期は開いていると言うか開けられている。

 これは母親からの『少しでも、冷房代の節約!』で、真夏日で無い限りは自然の風で我慢しているからで有る。
 これは、航平(義兄)の部屋や虹心の部屋も同じで有る。

 俺は自室のドアを先頭で開ける。

『ガチャ!』

 俺が先頭に自室内に入り、部屋内に入った後。虹心と小鞠ちゃんの方に、俺は体の向きを変えて穏やかな表情で話し始める。

「2人ともどうぞ!」

「~~~」

「お邪魔します///」

 虹心は義妹でも家族なので、陽気な表情で俺の部屋に入り、小鞠ちゃんは表情で俺に言いながら部屋に入る。

「~~~」

「……」

 虹心は俺の部屋内を当然知っているから、陽気な表情で俺の部屋内を眺めている。
 そして、小鞠ちゃんの方は冒険家のような顔付きに変わって、俺の部屋内を見始める!

 小鞠ちゃんの中では、未知の世界へ飛び込んだのだろう?

『てく、てく、―――』

「……」
「……?」

 小鞠ちゃん冒険家は、俺の部屋の隅に置いて有るプラケースに目が留まり、俺に尋ねる表情で聞いてきた。
 何でこんな物が部屋の片隅に有るのか、小鞠ちゃんに取っては不思議なんだろう。
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