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第7章 個別ルート 三國虹心編

第602話 小鞠と和解 その3

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 配膳を終えた俺と虹心は、ソファーの定位置に座る。
 虹心は小鞠ちゃんを見ながら、和やかな表情で話し始める。

「小鞠ちゃん!」
「お話しの前に、先ずは食べようか?♪」

「ホットケーキは名前の通り。温かい内の方が美味しいもんね!♪」

「ですね、虹心ちゃん!♪」
「虹心ちゃんがホットケーキを用意してくれる事は知っていましたから、私はお腹がペコペコです!!♪」

 小鞠ちゃんは、笑顔で虹心に話す。
 どうやら虹心は、事前に今日のおやつを小鞠ちゃんに教えていたらしい。

(冷静に考えれば……14時過ぎにでのホットケーキなんて、早過ぎるからな)
(俺や虹心も、ホットケーキを意識して昼食の量を調整しているし…)

 俺と虹心ちゃんの手打ち式わかいは後回しに成って、最初はおやつタイムで有る。

『いただきます♪』

 3人仲良く食事前の挨拶をして、虹心が焼いてくれたホットケーキを楽しむ。
 俺が虹心の目の前に、ホットケーキシロップを置いた関係上から、虹心からホットケーキシロップを使い始める。

「~~~♪」

 虹心は嬉しそうな表情で、ホットケーキの上にホットケーキシロップをかけているが、普通はお客さんで有る、小鞠ちゃんからで無いのか。虹心?

「はい。小鞠ちゃん!♪」

「ありがとうございます。虹心ちゃん!♪」

 虹心はホットケーキシロップを使い終えると、俺では無く小鞠ちゃんの方へ笑顔で容器を手渡し、小鞠ちゃんも笑顔で返事をする。

「~~~」

 小鞠ちゃんの方も和やかな表情で、ホットケーキの上にホットケーキシロップをかけている。
 そして俺は、それを澄ました表情で眺めている。

「……」

(小鞠ちゃんが使い終わったら俺の方へ容器が来るはずだが、今の状況では小鞠ちゃんはをしないだろう)
(さて、どう動くのだ?)

「~~~……」
「……はい。虹心ちゃん」

 ホットケーキシロップをかけ終わった小鞠ちゃんは、和やかな表情から落ち着いた表情に変わり、虹心の方に容器を手渡しながら、穏やかな表情で虹心に話し掛ける。

「あっ、うん……じゃあ、兄ちゃん!」

 虹心は困った微笑み表情で、小鞠ちゃんからホットケーキシロップの容器を受け取り、その表情で俺の方に容器を手渡す。

「あっ、ありがとう。虹心///」

 俺も困った微笑み表情で、虹心から容器を受け取る。
 俺は適量のホットケーキシロップを、ホットケーキの上にかけ始める。

 これをかけ過ぎると、ホットケーキのシロップ漬けに成るからな///

「~~~♪」

「~~~♪」

 俺がホットケーキシロップをかけている間に、虹心と小鞠ちゃんはホットケーキを食べ始める。
 食事前の挨拶はさっき済ませてあるから、当たり前で有るが。

「わぁ! ふわふわで美味しいです!!♪」
「虹心ちゃん!!!♪」

 ホットケーキを一口食べた小鞠ちゃんは、嬉しそうな表情で虹心に話し掛ける。
 虹心は笑顔で、小鞠ちゃんに返事を始める。

「ありがとう。小鞠ちゃん!」
「そう言ってくれると、私も凄く嬉しいよ!!」

『パクッ♪』

 虹心は言葉の後。ホットケーキを口に含む。
 俺もそのタイミングで、ホットケーキを食べ始める。

「もぐ、もぐ、―――」

(うん!)
(ふわふわと言われればそうかも知れないが、美味しいホットケーキだ!!)

 俺は積極的に洋菓子類を食べないから、味の微妙な表現が出来ないが、美味しいホットケーキだと感じる。

「でね、虹心ちゃん!」
「今度、―――」

「へぇ~~。そうなんだ!」
「じゃあ、ぜひ―――」

「……」

 小鞠ちゃんは虹心に和やかな表情で話し掛け、虹心もその表情で小鞠ちゃんに返事をしている。
 仲の良い関係だと俺は思いたいが……小鞠ちゃんは俺を、蚊帳の外にして虹心と話している。

 こんな状態で、俺は小鞠ちゃんと和解が出来るのだろうか?
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