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第6章 個別ルート 譲羽陽葵編

第577話 メープルの山 その3

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「武蔵君がそんな事を聞いてくるのだから、何となく分かるけど……もし、私と一緒に成ったら和食が中心だよ///」
「武蔵君は、それでも良いかな?///」

「!///」

 陽葵先輩は少し頬を染めた、微笑み表情で俺に話す。
 俺はその言葉を聞いて、驚きながら頬を少し染める。

(陽葵先輩も、俺との将来を意識し始めている…!)
(それは凄く良い事で有るが……和食が中心か///)

(まだ、俺の年代はバリバリの洋食が良いのだが///)

「……えっと、陽葵先輩///」
「俺は和食も好きですから……全く問題ないですよ///」

「虹心も、あの年の割りに和食をメインで作るし…///」
「薄味でも別に平気です!!///」

 恥ずかしい表情で、俺は陽葵先輩に話す。
 俺が陽葵先輩に言った言葉は嘘では無い。

 虹心の場合は半々と言うか、虹心独自のローテーションで洋食、和食、中華と作っているが……///
 味付けも、三國家の場合は薄味となる。

 これは、母親が看護師からの仕事影響も有るが、虹心も凄く健康に気遣っているからだ。
 俺の言葉の後。陽葵先輩は和やかな表情で、俺に話し始める。

「そうなの?」
「でも、ちゃんとその時は洋食も作るから安心してね♪」

「武蔵君!」

「……//////」

 俺は陽葵先輩の優しい言葉に言葉が出なかった。
 何時の間にか、陽葵先輩は俺を異性として認めていたからで有る。

 それを何処で、認めたかは不明で有るが///
 陽葵先輩は、笑顔で俺に話し掛けてくる。

「ほら、ほら。武蔵君!」
「手が止まっているよ!!」

「此処のは美味しいお料理ばかりだから、しっかりと食べておかないと!♪」
「ねっ!!♪」

『パクッ』

 陽葵先輩は言葉の後。嬉しそうな表情で食事を再開させる。
 俺は笑顔で、陽葵先輩に返事をする。

「はい。陽葵先輩!♪」

 その後は、凄く楽しい食事時間を過ごす。
 まだ、真のカップルとは言い切れないが、やっと此処で前進が出来た気がする。

 あの質問が、ここまで発展するとは思いも依らなかった。
 その日の昼食は普段以上に俺は食べたが、陽葵先輩もそれなりに食べていた。

 料理はどれを食べても美味しい、バイキングだから好きな量を食べられる。
 お代わり以降は、和食も混ぜてバランス良くおかずを取った。

 バイキングの値段は結構したが、俺と陽葵先輩は十分に元を取っただろう?

 ☆

 昼食と食休みをレストラン内で終えて、午後からも陽葵先輩とでのデートを続ける。
 午前中と比べて午後からの方が、デートらしい雰囲気が出ている。

 俺は最初から陽葵先輩を恋人目線で見ていたが、陽葵先輩も弟目線から、異性を見る目線に変わり始めている気がする。

「武蔵君!」
「午後の最初は、ふれあいコーナー(動物園)に行こうか♪」

「うん。ふれあいコーナーに行きましょう!」
「陽葵先輩!!」

 陽葵先輩は笑顔で俺に向けて話す。
 俺も陽葵先輩の言葉の後、笑顔で返す。

 このメープルの山には、農業公園定番の山羊やぎや羊が居るから、今からはふれあいコーナーに行き、この施設の動物園を楽しむ。
 俺と陽葵先輩はパンフレットを見ながら、ふれあいコーナーに向かった。

 ……

『めぇ~~。めぇ~~』

『めぇ~~。めぇ~~』

 ふれあいコーナーに到着すると、山羊や羊の声が聞こえて来る。
 元気良く鳴いている。

 陽葵先輩は早速。入口から入った直後に有る、山羊の柵に近付き山羊を見始める。

『めぇ~~。めぇ~~』

『めぇ~~。めぇ~~』

「可愛いね~~♪」
「それに立派なツノ♪♪」

 陽葵先輩は嬉しそうな表情で、山羊を見ながら一人しゃべりをする。

(……陽葵先輩は動物が好きなのか?)
(けど、動物園デートはまだしていないよな?)

 山羊を見ている陽葵先輩を見て、俺は心の中で思う。
 植物園デートはした事有るが、動物園デートはまだしていない。

 それが気に成った俺は、穏やかな表情で陽葵先輩に話し掛ける。

「陽葵先輩は、山羊が好きなんですか?」

「うん♪」
「山羊や羊は好きだよ!♪」

 陽葵先輩は笑顔で答える。
 どうやら、動物は嫌いでは無いらしい。

 陽葵先輩が答えた後。俺はその表情で陽葵先輩に話し始めた。
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