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第6章 個別ルート 譲羽陽葵編

第539話 『撫子』でするクリスマスパーティー その1

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 ……

 現在…。俺と虹心は、クリスマスパーティー会場と成る『撫子』に向かっている。
 真優美さん達と行う、クリスマスパーティー開催時刻は19時からで有る。
 パーティーの終了予定時刻は21時半ぐらいと真優美さんから聞いているが、帰りに関しては真優美さんの車で、俺と虹心は自宅まで送って貰う手筈と成っている。

 クリスマスパーティーに対し、俺や虹心母親からの反対意見は出なく、却って『武蔵。こんなチャンスは滅多に無いんだから、譲羽さんと一気に関係を深めなさい!』と、結構真顔で言われた!!

 虹心の方も『兄ちゃん。伊藤さんは残念だったけど、これで譲羽先輩を者に出来れば、一気に勝ち組へ成れるね♪』と、嬉しそうな笑顔で言った……
 俺の恋愛を心配してくれる母親や虹心だが、これを素直に喜んで良い物やら??

 ……

「ねぇ、兄ちゃん!」
「真優美さんはパーティー料理の内容を、全く教えてくれなかったけど、何が出て来るんだろうね?♪」

「……真優美さんの感じからして、ここはやはり王道メニューが出て来るかな?♪」
「虹心!」

 虹心は和やかな表情で、俺に話し掛けてくる。
 俺は穏やかな表情で、虹心の問いかけに答える。

「まぁ、言うまでも無く、ローストチキンやサンドイッチなどの、クリスマスパーティー料理らしい物が出て来るんじゃ無い。虹心?」
「間違っても、おでんや刺身などの和食料理は、真優美さんの性格上では出さないはずだ!」

「そうだよね。兄ちゃん!」
「悪戯好き(!?)の真優美さんでも、パーティー料理に和食系統の料理は出して来ないよね!!」

 虹心は嬉しそうな表情で俺に話す。
 俺は少し困った表情で、虹心に話し始める。

「……逆に、それを出して来たら、俺は苦笑するか無いよ…」
「虹心!///」

「だよね、兄ちゃん!」

 虹心は困った笑顔で、俺に話す。
 俺と虹心は、このような会話と雑談をしながら、クリスマスパーティー会場と成る『撫子』へ向かった。

 ☆

 真優美さんの家(撫子)で行われるクリスマスパーティー会場は、真優美さんの自宅側では無く、お店側と成る『撫子』で行われる。
 そっちの方が当然、料理を作りやすいしから真優美さんにも都合が良いし、俺と虹心にも慣れた空間で有るから、変な緊張をしなくても良い?

 俺と虹心は『撫子』の出入り口ドアを開けて入ると、真優美さんは笑顔で俺と虹心を出迎えてくれて、陽葵先輩も店内で真優美さんの手伝いをしていた。
 真優美さんや陽葵先輩の服装は、クリスマスパーティーの割りには普段通りの姿で有り、2人の中ではホームパーティーの延長線に成るのだろう。(多分)

 とあるテーブルにパーティー料理が並べられていて、料理の方は俺の予想通り、王道料理のメニューが並べられていた。
 摘まみやすいサンドイッチに始まり、ローストチキン代わりに鶏の照り焼きや唐揚げ。グリーンサラダやまだ湯気が立っているグラタンなど、料理の品数も十分すぎるほどで有った!
 ソフトドリンクも別のテーブリにしっかりと用意されており、飲み放題の感じだ。

(普段の喫茶店メニューとは違う、真優美さんの手料理…!)
(間違いなく美味しいはずだけど……陽葵先輩も手伝ったのかな?)

 料理はバイキング方式で有り、各自が好きな物を取って食べるのだが、4人で食べるには量が多い気もする。
 ある料理が偏って食べられても良いように、バイキング形式の場合は多めに作るからだ。

 これがバイキングの良い所で有り、同時に短所にも成るだろうが……
 パーティーのメインと成るクリスマスケーキは、まだテーブルには置かれていなかったので、後から出すのだろうか?

(パーティーののっけから、ケーキを食べる人はそう居ないから、大抵そうなんだろうな…)

「武蔵君、虹心ちゃん!」
「店の奥側席でパーティーをするから、先ずはその席に案内するね♪」

 真優美さんは笑顔で言い終えた後。俺と虹心をパーティー会場と成る席へ案内した。

 ちなみに、真優美さんや陽葵先輩が俺の呼び方を『三國君』から『武蔵君』へ変えた。
 それだけ、俺と真優美さん・陽葵先輩との関係が深まった証でも有る。

 ……

 案内されたテーブルの中央部分には、花瓶と蝋燭ろうそくタイプのLEDライト置かれており、蝋燭LEDを強調させるためか、店内照明も普段よりやや暗い感じがする。
 これも、クリスマスパーティーを演出させるためなんだろう。

 俺と虹心は着席するが、真優美さんは直ぐにその場を離れ、陽葵先輩もまだ準備をしている感じで有った。
 俺と虹心は、雑談をしながら2人が着席するのを待っている……
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