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第5章 個別ルート 伊藤亜紀編

第506話 午後からの海水浴 その1

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 ……

 昼食は当初の予定通り、海水浴場に出店しているお店で食べる。
 屋台も勿論出ていたが、俺たちが入った店は、海の家と言う奴だ。

 海と言えば定番の、焼きそばや焼きとうもろこし。
 おでんやラーメンなど、値段の割に量も少なく、味もしょぼい感じはするが、これも海の醍醐味で有る!?

 俺は無難なカレーライスを食べ、亜紀姉妹は焼きそば。虹心は醤油ラーメンを食べていた。
 けど、量は意外に有って、カレーライスだけでも十分に腹は膨れた。

 味は、やはりイマイチで有ったが///
 兄や小織さんも、たこ焼きや焼きそば。イカ焼きを食べていた。

 昼食の時間も終わり、みんなでレジャーシートに戻り食休みをするが……虹心と桃香ちゃんは10分も経たない内に、再び二人で海の方に遊びに行ってしまう!
 今度は泳ぐのでは無く、砂浜で遊ぶらしい。

 亜紀はナンパ防止のために、競泳水着の上からTシャツを着ていた。
 競泳水着は競泳水着で、意外に目立つからな///

「本当に……あの二人は元気だな!///」

 海の方に行く、虹心と桃香ちゃんを見ながら俺は呟いていると、兄が穏やかな表情で話し掛けてくる。

「武蔵達は、行かないのか…?」
「思いっ切り遊んでおかないと、後で後悔するぞ!」

「兄貴…。俺と亜紀は、もう少し休んでから行くよ!」
「余り早く動くと、体にも悪いしね///」

 俺は澄ました表情で兄に話す。
 俺は、虹心や桃香ちゃんほど体力は無いし、それに目一杯午前中遊んだので、体はオーバーヒート気味で有った。
 亜紀は多分、まだ大丈夫だと思うけど……

「……」

 亜紀は俺と兄との会話には参加せず、澄ました表情で海を眺めている。
 亜紀も運動神経は良いが、部活動やクラブ活動をしていないので、虹心ほどは体力が無いと思う?

 俺の言葉の後。小織さんが兄に向けて、穏やかな表情で話し始める。

「航平さん!」
「武蔵さんたちに少し留守番を任せて、私たちも海で遊びましょうか!」

「……そうだな。小織!」
「ビーチで1日を過ごすのも悪くないが、少しぐらいは海に触れておかないとな…!」

 兄も、穏やかな表情で小織さんに話す。
 レジャーシートには各私物が置いて有るから、全員同時に海へ遊びには行けない。
 無人のレジャーシート上にスマートフォンなどが置いて有ったら、泥棒が喜んで持って行く!!

 小織さんも、俺と亜紀に気を遣ったのだろう。
 兄は和やかな表情で、俺に話し始める。

「武蔵!」
「僕も小織と海で遊んでくるから、少し留守番を頼むわ!!」

「大体、30分ぐらいで戻って来るから!」
「よろしく!!」

 兄は俺に言葉を終えると立ち上がり、海に行く準備を始める。
 小織さんも兄と一緒に立ち上がり、小織さんは着ていたTシャツを脱ぎ始める!

「~~~」

 小織さんの水着はワンピースタイプで有るが、小織さんの控えめな体型にはベストの水着で有った!
 水着の好みは人それぞれで有るが、俺は小織さんの水着姿も良いと感じる。

 水着に成った小織さんは、兄と一緒に海の方へ向かって行く。

 ……

「……」

 此処からは、亜紀と二人きりの時間と成るが、亜紀は澄ました表情で海を眺め続けている。

 だが、俺はこの時間をチャンスだと捉えて、亜紀に穏やかな表情で話し始める。
 この時間を有効活用して、亜紀との進展を更に深めるぞ!!

「亜紀!」
「二人きりに成ったね!!」

「……そうだね。武蔵君!」
「二人きりだね!」

「……」

 ここで一旦会話が途切れる。
 俺は次に話す言葉を、頭の中で考え始める……

(さて、この後はどう言葉を続けさせよう?)
(こんな場所で、学園の話しや家族の話しなんてする物では無いし、こんな真っ昼間からラブラブモードにも移行はさせにくいし…)

 俺と亜紀は恋人関係で有るが、共通の趣味は特に無い。
 そのため、二人でする会話と言えば、学園や家族に関する会話ばかりで有る。

(良い機会だし、亜紀の趣味でも聞いてみるか!)
(あっ、でも以前。趣味は特に無いと亜紀から言われたか!!///)

(……困ったな///)

 俺は心の中で、次の話題を探していると……亜紀が澄ました表情で話し掛けてきた。
 だが、亜紀表情の感じからして、楽しい話題では無いと俺は感じた。
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