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第5章 個別ルート 伊藤亜紀編

第476話 黒崎篤志を知る… その2

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「私は友達として…。篤志君は私を意識してでの形で、エアメールを使った交際が始まった…」
「エアメールを使った交際は、一ヶ月に一回の目安でしていたわ」
「内容は主に近況報告で有って、お互いの日常写真なども一緒に送っていた」

「電子メールでの交流も篤志君が提案したけど、私の両親がそれを許可をしなかった…」
「それ以外の使い方をするのを、私の両親は警戒していたから」

「私がそんな子で無いことを、私の両親は知っている癖に…」
「そのため、篤志君との連絡手段はエアメールしか無かった」

「……」

 亜紀は澄ました表情で言葉を続け、俺はそれを無言で聞いている。

「……六年生の夏休み時期。篤志君お父さんの休暇を使って、篤志君一家が一時帰国した!」
「その時。私は喜んで篤志君に会いに行って、篤志君と再会した…」

「そして……その時に、私は篤志君から告白されたけど、私は篤志君の想いを断った」
「遠距離恋愛のレベルを超えているし、今度何時会えるかも分からない」

「その時の私は『篤志君が本当に帰国した時に、もう一度言って!』と、作り笑顔で言って篤志君の気持ちを断った」

(当時の亜紀は、まだ篤志を其処まで好きでは無かった…)
(けど、それを何処かで“好き”に変わるのか)

「私が篤志君を本当に意識し始めたのは……篤志君が音信不通に成ってから…///」
「とある日。篤志君宛に出したエアメールが戻って来て、私は篤志君の消息が気になると同時に、篤志君を想うように成った///」

「私は両親に篤志君のことを相談すると、私のお父さんは『亜紀…。黒崎さん一家に何かが本当に有ったなら、嫌でも知ることに成るから……、しばらく篤志君からの連絡を待っていなさい』と、言われた…」

「篤志君のお父さんは名美崎なみさき市に本社が有る、中堅商社に勤めているいて、不幸な出来事が起きたら嫌でも私達の耳に入ると、私のお父さんが言っていた…」
「私のお父さん。県の職員で有って経済に関する部門に配属されているから、企業に関する情報収集にたけけているのよ」

「私は、武蔵君が告白してくるまで篤志君を意識していたけど、私も帰らぬ人を待っている気持ちも段々と薄れていたし、虹心ちゃんともっと仲良くなりたいなと感じていたから……もう、これ以上は良いよね///」

 最後の文節は、恥ずかしそうな表情で言う亜紀で有るが、亜紀の中では俺との関係より、虹心と関係を深めさせたかったのか……

(虹心は何でも出来る万能妹だからな…。虹心に感謝をするべきと言いたいが、心が何だか“もやもや”する!///)

「……話してくれて、ありがとう亜紀」
「亜紀が篤志を意識するように成ったのは、音信不通に成ってからで良いんだね?」

 俺は穏やかな表情で、亜紀にお礼と質問をする。
 亜紀は困った表情で、俺の質問に答え始める。

「うん、そう…」
「篤志君は良い人なんだけど、少し強引なところが有るのよ」
「エアメール交流も、私が言った訳では無く篤志君からだから…」

「……」

(亜紀は嘘を吐くのが嫌いな人だから、俺に嘘は多分言っていないだろう…)
(だが、さっきの篤志が去って行く姿を、亜紀は恋する乙女で見ていたのは事実だし、俺は亜紀を信じて良いのだろうか?)

「亜紀…。言いたくないことを聞くが……亜紀は篤志に、未練はもう持っていないのだよな?」

 俺は悩んだ表情で、亜紀に質問をする。
 亜紀も悩んだ表情で、俺からの質問に答え始める。

「篤志君は……異性としての未練は持っていないけど、親友としての関係は再会させたいと思っている…」
「少し強引なところは有るけど、根は優しい人だし……武蔵君は私を束縛する人では無いよね…?」

「……」

(俺と篤志を天秤に掛けるのか。亜紀は…)
(亜紀は篤志を、クラスメイトの男子感覚で見ているのだろうが、篤志は亜紀に好意を持っているんだぞ///)

 俺は正直言えば、篤志との関係を亜紀は絶って欲しい。
 亜紀の性格は虹心と同様、気丈な性格で有るが押しにも弱い……

 篤志が“ぐいぐい”と亜紀を押せば……めでたく篤志に亜紀をNTRにされてしまうだろう///
 そんな事をされたら俺の心は一気に壊れ、ショックのあまりで『電車にGo』をするだろう!?///

 けど、亜紀と篤志の交流を阻止出来る権限は、俺には持っていない。
 俺は困った表情で、それを容認するしか無かった……
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