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第4章 高等部先輩と後輩

第370話 駅前の大型本屋 その3

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(さっきのは……まぁまぁ面白かったけど、この小説を買いたいまででは無いな!///)
(仮に、ミッドウェー海戦で日本海軍が勝利出来ても、必ず米国が、和平交渉の席に着くとは限らないからな!)

(仮に、米国を和平交渉の席に着かせたければ、ハワイの占領が必須だと、帝大数学の天才者が言っていた……)

 俺はそんな事を思いながら、陽葵先輩と伊藤さんの元へ戻る。
 行きは、寄り道や歴史コーナーを探しながら行ったので時間が掛かったが、帰りは数分で、陽葵先輩と伊藤さんの元に戻る。

 ……

「―――」

「―――」

 俺は二人の側に来たが、二人は真面目な表情で、参考書を手に持って会話をしている。
 争いの会話では無く、摺り合わせと言うべきだろうか?

 そして、お互い真剣なのか、俺が側にいるのに気付いてくれない!///

(この感じでは、まだまだ参考書選びに時間が掛かりそうだ……)

 俺は二人に声を掛けることは無く、陽葵先輩と伊藤さんの側から再び離れる。
 俺が二人の側から離れても、声は掛けられなかった。

 また、歴史コーナーに行っても仕方ないので、今度はコミックコーナーの方に行って見ることにする。
 この本屋のコミックコーナーは、俺たちが入った出入り口側に有るので、場所は分かっている。

 俺がコミックコーナーに向かって歩いていると、そのコーナーから戻って来る桃香ちゃんを見付ける。

「あっ! 三國さんだ!!」

 桃香ちゃんも俺と同じように俺を見付け、俺が声を掛ける前に、桃香ちゃんから和やかな表情で声を掛けられる。
 桃香ちゃんは俺の側に来てから、その表情で話し始める。

「三國さんも、コミックを買いに行くの?」

「いや、俺は……買いに行くのでは無く時間潰しで…!」

 俺は桃香ちゃんに穏やかな表情で言うと、桃香ちゃんは尋ねる表情で聞いて来る。

「……お姉ちゃんたち。まだ、参考書選びしているの?」

「うん。そう…!」

 俺は澄ました表情で、桃香ちゃんに言う。
 桃香ちゃんの手には紙袋を持っており、コミックを買い終えて戻る途中、俺と出会ったのだろう。

「そうなんだ!」
「じゃあ、まだ、時間は有りそうだね!!♪」
「ありがとう。三國さん!!」

 桃香ちゃんは何故か笑顔で俺に言った後。体の向きを変えて、来た方向へ戻って行く?
 まだ時間が有るのが分かったから、コミックコーナーへ桃香ちゃんは戻って行くのだろうか?

(俺も暇だし……桃香ちゃんの後を付いて行くか!)

 俺は桃香ちゃんの後を付いてくのを決め、桃香ちゃんの後を追う。
 桃香ちゃんは普通に歩いている為。直ぐに追い付くことが出来る。

「……」

「……」

 俺は桃香ちゃんの側に来たが、桃香ちゃんは俺に話し掛けることは無く、無言でコミックコーナー(多分)に向かって行く。

 ……

 俺の予想通り。桃香ちゃんはコミックコーナーに来たが、単行本が置いて有るコーナーには向かわず、漫画雑誌類が置いて有るコーナーに行き、桃香ちゃんはとある雑誌を手に取って、立ち読みを始める。

「~~~♪」

 桃香ちゃんは和やかな表情で、4コマ系雑誌を立ち読みしている。
 俺は青年雑誌を定期購読しているが、4コマ系雑誌は余り読まない。

 4コマ雑誌は面白いけど、4コマ雑誌を買えるほど小遣いに余裕が無い。

(此処で単行本を買うつもりは無いから、俺も適当に青年雑誌の立ち読みをするか!)

 俺は定期購読以外の青年雑誌を手に取って、立ち読みを始める。
 俺は今。近くに居る桃香ちゃんと立ち読みをしている……
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