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第4章 高等部先輩と後輩

第343話 市立美術館 その2

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 これは、真優美さんなりの気遣いなんだろう……
 予防線を張った割には、粋なことをしてくれる!!

(素直に感謝しておこう!)

 俺は素直にそう思うことにする。
 陽葵先輩はバックの中から、特別展前売りチケットと財布を同時に取り出す。
 財布から小銭を取り出して、特別展前売りチケットと一緒に、俺に手渡してくれる。

「はい。三國君!」
「前売り券とさっきの代金!!」

「あっ、どうも、ありがとうございます!」
「陽葵先輩!!///」

 陽葵先輩が笑顔で言う中。俺は嬉しそうな表情で、前売りチケットとお金を受け取る。
 特別展の学割料金設定は有るはずだが、少しでも出費が抑えられるのは嬉しい!!

「じゃあ、行こうか!♪」
「三國君!!♪」

 笑顔で言う陽葵先輩。
 陽葵先輩は、熊の○○さんが好きで有る。

 今日のことを、凄く楽しみにしていたそうだ。
 陽葵先輩は真優美さんと同じ様に、子ども心も残っている女性だ!!

 今はきっと、俺のことより、熊の○○さんの方へ意識を向けているだろう?
 だが、そんな事はどうでも良い!
 俺は陽葵先輩の横に居るだけで、心が“ほっこり”するから!!

 美術館チケット売り場は少し混雑をしているが、俺たちは前売りチケットが有るので並ばなくてもいい。
 チケット売り場を横目で見ながら、俺と陽葵先輩は館内入口方向へ向かって行く。

 館内入口直後で、美術館受付の人にチケットを手渡すが、学割チケットのため、学生証の提示を求められる。
 俺たちは学生証を提示して、受付が学生証の確認後。チケットの一部を切り取って、チケットとパンフレットを一緒に、受付の人が渡してくれる。

 今回は常設展が目的では無く、特別展が主目的なので、そのまま二人は特別展の方へ足を向ける。
 陽葵先輩は特に何も言わなかったが、常設展の方はどうするのだろうか?

 ……
 …
 ・

 陽葵先輩と一緒に見て回る、特別展の熊の○○さんを楽しむと言うより、関連展示作品を俺の場合は眺める。
 昔から馴染みが有る作品なので、美術に興味が無い俺でも、楽しく見て回ることが出来る!!

(これが……訳分からん現代アート展で有ったら、退屈で仕方なかったな!?)
(その分野で頑張っている人には悪いけど……///)

 俺はそんなことを感じながら、陽葵先輩と見て回る。
 漫画やアニメも芸術作品で有るが、この国の漫画やアニメ作品も将来は、こう言った特別展を開いてくれるのだろうか?

 現に、スタジオジ○リ関連は開いてくれているから、各美術館次第なんだろう?
 陽葵先輩はかなり、熊の○○さんがお気に入りらしく、展示作品を嬉しそうな表情で、俺に説明してくれる時も有る。

「―――って、ことなんだよ!♪」

「へぇ~~、そうなんですか!」
「陽葵先輩!!」

 俺も陽葵先輩の言葉に適当へ相づち(?)を打ちながら、陽葵先輩のお言葉を聞く。
 俺は陽葵先輩ほど、熊の○○さんに興味は無いが、心証を良くしておくのも大事だ!

 俺は現在。陽葵先輩と一緒に、市立美術館の特別展を楽しんでいる……

 ……

 やはり、子どもに人気が有る熊の○○さんのため、美術館館内はかなり賑わっている。
 時間を掛けてじっくりと見ると言うより、水族館や動物園のような、流れ作業的に見る感じ成ってしまう。

「三國君!」
「この作品はね―――」

 それでも、陽葵先輩は自分が知っている作品は、俺へ律儀に説明をしてくれる。
 嬉しそうな表情で説明をしてくれるから、俺も聞いていて気持ち良い……だが、肝心の知識は右から左へ筒抜けで有るが!!//////

(周りの人たちから見れば、俺と陽葵先輩はカップルに見られている筈だろう!)
(陽葵先輩は嬉しそうだし、俺も笑みが零れまくっている筈だ!!)

(場所が美術館のお陰で、陽葵先輩をナンパしてくる奴らも居そうでは無いし、今の所は順調だな…!)

 俺はそんなことを感じながら、陽葵先輩と美術館の特別展を見て回る。
 特別展が熊の○○さんのお陰で、俺は楽しく美術館の特別展を楽しむことが出来る。

 だが、陽葵先輩が熊の○○さんが好きすぎる影響で、熊の○○さん以外の話題が出ることは無さそうだ……
 この話題も一応好きだが……もっとラブラブが有っても良いと思う!?///

 まぁ、まだ、時間はたっぷり有るし、陽葵先輩の奥深い部分やラブラブは後から楽しもう!!
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