332 / 653
第4章 高等部先輩と後輩
第332話 台所で妹に話す その2
しおりを挟む
真優美さんのお店で行われた出来事を、俺は虹心に話している。
俺が話している間。虹心は質問を一切せず、頷きながら聞いている。
……
「まぁ、そんな訳だ。虹心!」
俺は穏やかな表情で虹心に話し終えると、虹心は尋ねる表情で聞いてくる。
此処からは虹心の質問タイムになる。
「兄ちゃん!」
「大体、話しの内容は理解出来たけど、兄ちゃんはそれで良いわけ?」
「兄ちゃんにとって、余りメリットが無い感じがするけど……」
「良いも悪いも……今日香ちゃんには冷却期間が必要だし、それに真優美さんから頼まれた事でも有るし……」
俺は少し困った表情で虹心に言う。
だが、虹心は問い詰める表情で更に聞いてくる!
「兄ちゃん! それでは、二股に成っちゃうぞ!!」
「真優美さんの気持ちも理解出来るけど、それで譲羽先輩と兄ちゃんに関係を持たせるのはやっぱり変だぞ!」
「兄ちゃんはかなり、新倉先輩を気に入っていた癖して!!」
「……そうは言っても虹心!///」
「これは、ほぼ決定事項なんだ!!///」
俺は頬を少し染めて、困った表情で虹心に言う。
そして虹心は、表情を曇らせながら言い始める。
「決定事項って……。美術館に一緒へ行くだけで終われば良いけど、もし本当に……譲羽先輩が意識を持ち始めたら、兄ちゃんはどうするのよ!///」
「そのまま、関係を深めちゃうの!?///」
(虹心は俺に陽葵先輩を推した癖に、事態が進んだら急に及び腰に成って……)
(虹心はどうしたいんだろ……)
俺は心で感じたことを虹心に聞いてみる。
俺が陽葵先輩と美術館に行くのを、虹心は間接的に反対してるからだ。
俺は困った表情で虹心に話し掛ける。
「じゃあ、虹心はどうしたんだ!///」
「今から真優美さんに連絡して、断りの連絡を入れるべきなのか?」
「虹心がそうしろと言えば、そうするが……」
「うーん。言いたくないけど、兄ちゃんは“出し”にされている感じがする!」
「『あこがれの譲羽先輩と、一回でも遊べて良かった!』なら良いけど……」
困った表情の、歯切れの悪い口調で言う虹心。
だが、虹心の言う通りだ。
陽葵先輩が異性に興味を持たないことを、真優美さんは心配している。
俺は現在。フリーに近い状態で有る。
俺と今日香ちゃんの問題は、どちらかが引かないと解決しないけど、お互い引く気は無いだろう……
真優美さんに都合よく使われているのを、俺は自覚しているし、虹心のその辺りを心配している。
けど、俺は陽葵先輩と関係を出来れば深めたいし、それに万が一深まっても、真優美さんはそれを許してくれると言っている。
「陽葵先輩とデートと言うか、遊びに行くのは先ず、最初で最後に成るだろう…」
「実際……陽葵先輩は乗り気では無いからな!」
俺は澄ました表情で虹心に言う。
「兄ちゃんがそう思っているなら良いけど……でも、こんな風に成るとは私も予想外だったな…」
少し悲しい表情で言う虹心!
虹心はどの意味で、悲しい表情で言っているのだろうか?
俺が弄ばれているのを悲しんでいるのか、それとも、俺が陽葵先輩と関係を持ててしまったことを悲しんでいるのか!?
俺は穏やかな表情で、虹心に話し掛ける。
「そんな悲しい顔をするな。虹心!」
「俺は陽葵先輩と一緒に、美術館の特別展に行くだけだ!!」
「この出来事で陽葵先輩と関係が深まることは無いだろうし、今日香ちゃんにバレることも無いだろう!!」
「兄ちゃんは楽観的だね…!」
「まぁ……兄ちゃんらしいけど…!!」
困った微笑み表情で言う虹心。
俺を心配してくれるのは嬉しいが、これはほぼ決まったことで有る。
覆すことは出来るけど、それをしてしまうと真優美さんを裏切ることに成ってしまう。
それに俺はこれを切っ掛けに、陽葵先輩と関係が深まることを期待していた……
俺が話している間。虹心は質問を一切せず、頷きながら聞いている。
……
「まぁ、そんな訳だ。虹心!」
俺は穏やかな表情で虹心に話し終えると、虹心は尋ねる表情で聞いてくる。
此処からは虹心の質問タイムになる。
「兄ちゃん!」
「大体、話しの内容は理解出来たけど、兄ちゃんはそれで良いわけ?」
「兄ちゃんにとって、余りメリットが無い感じがするけど……」
「良いも悪いも……今日香ちゃんには冷却期間が必要だし、それに真優美さんから頼まれた事でも有るし……」
俺は少し困った表情で虹心に言う。
だが、虹心は問い詰める表情で更に聞いてくる!
「兄ちゃん! それでは、二股に成っちゃうぞ!!」
「真優美さんの気持ちも理解出来るけど、それで譲羽先輩と兄ちゃんに関係を持たせるのはやっぱり変だぞ!」
「兄ちゃんはかなり、新倉先輩を気に入っていた癖して!!」
「……そうは言っても虹心!///」
「これは、ほぼ決定事項なんだ!!///」
俺は頬を少し染めて、困った表情で虹心に言う。
そして虹心は、表情を曇らせながら言い始める。
「決定事項って……。美術館に一緒へ行くだけで終われば良いけど、もし本当に……譲羽先輩が意識を持ち始めたら、兄ちゃんはどうするのよ!///」
「そのまま、関係を深めちゃうの!?///」
(虹心は俺に陽葵先輩を推した癖に、事態が進んだら急に及び腰に成って……)
(虹心はどうしたいんだろ……)
俺は心で感じたことを虹心に聞いてみる。
俺が陽葵先輩と美術館に行くのを、虹心は間接的に反対してるからだ。
俺は困った表情で虹心に話し掛ける。
「じゃあ、虹心はどうしたんだ!///」
「今から真優美さんに連絡して、断りの連絡を入れるべきなのか?」
「虹心がそうしろと言えば、そうするが……」
「うーん。言いたくないけど、兄ちゃんは“出し”にされている感じがする!」
「『あこがれの譲羽先輩と、一回でも遊べて良かった!』なら良いけど……」
困った表情の、歯切れの悪い口調で言う虹心。
だが、虹心の言う通りだ。
陽葵先輩が異性に興味を持たないことを、真優美さんは心配している。
俺は現在。フリーに近い状態で有る。
俺と今日香ちゃんの問題は、どちらかが引かないと解決しないけど、お互い引く気は無いだろう……
真優美さんに都合よく使われているのを、俺は自覚しているし、虹心のその辺りを心配している。
けど、俺は陽葵先輩と関係を出来れば深めたいし、それに万が一深まっても、真優美さんはそれを許してくれると言っている。
「陽葵先輩とデートと言うか、遊びに行くのは先ず、最初で最後に成るだろう…」
「実際……陽葵先輩は乗り気では無いからな!」
俺は澄ました表情で虹心に言う。
「兄ちゃんがそう思っているなら良いけど……でも、こんな風に成るとは私も予想外だったな…」
少し悲しい表情で言う虹心!
虹心はどの意味で、悲しい表情で言っているのだろうか?
俺が弄ばれているのを悲しんでいるのか、それとも、俺が陽葵先輩と関係を持ててしまったことを悲しんでいるのか!?
俺は穏やかな表情で、虹心に話し掛ける。
「そんな悲しい顔をするな。虹心!」
「俺は陽葵先輩と一緒に、美術館の特別展に行くだけだ!!」
「この出来事で陽葵先輩と関係が深まることは無いだろうし、今日香ちゃんにバレることも無いだろう!!」
「兄ちゃんは楽観的だね…!」
「まぁ……兄ちゃんらしいけど…!!」
困った微笑み表情で言う虹心。
俺を心配してくれるのは嬉しいが、これはほぼ決まったことで有る。
覆すことは出来るけど、それをしてしまうと真優美さんを裏切ることに成ってしまう。
それに俺はこれを切っ掛けに、陽葵先輩と関係が深まることを期待していた……
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~
メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」
俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。
学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。
その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。
少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。
……どうやら彼は鈍感なようです。
――――――――――――――――――――――――――――――
【作者より】
九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。
また、R15は保険です。
毎朝20時投稿!
【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】
元おっさんの幼馴染育成計画
みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。
だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。
※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる