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第2章 学年一の美少女を巡る戦い

第137話 一つの嵐が去る……

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「キッド、いきなり何を言い出す!?///」

 岡谷君に襲い掛かる寸前で、キッドから止められるから、信濃は焦った表情でキッドに言う。
 けど、キッドは澄ました表情と低い口調で信濃に言う。

「お前が小道具を使うのか勝手だが……それをしたら、お前の右腕は奴に折られるぞ!」
「それが良いなら良いけどよ、其処までする事か…?」

「!!!」

「!!!」

 キッドの言葉で、俺と信濃は同時に驚く!!
 キッドの言葉からして、岡谷君の存在を知っているからだ!!
 だが、キッドの言葉はまだ続くようで有る。

「それに……学園内で、道具は使わない方が良い!」
「道具でやったのがバレたら、まず退学処分に成るからな……」
「此処は公立で無く私立だ…。中学のようには行かんぞ…!」

「それに俺らは、元々部外者だ!」
「熱く成る相手が違うぞ! 彗星…」

「……」

 キッドの言葉で、信濃は不服そうな表情をしながら、投げ捨てたペーパーナイフのさやを拾い上げ、ナイフを鞘に収めてポケットにしまう。
 キッドの言葉で、岡谷君と信濃の全面衝突は避けられた……

 信濃は岡谷君からキッドの側に戻る。
 キッドは岡谷君に向けて、澄ました表情と低い口調で言い始める。

「……久しぶりだな。岡谷…」

「……あぁ。だな…」

 岡谷君もキッドかわもとの事は知っているようで、澄ました表情で短い返事をする。

其奴そいつは……お前の親友か…?」

「あぁ……そうだ!」
「俺の親友だ!!」

「……そうか!」
「なら……これ以上の、面倒事はご免だな!」

 キッドは最後まで、澄ました表情と低い口調で言い終えると、松田の方に顔を向けて、同じ表情と口調で言い始める。

「……そんな訳だ! 松田!!」
「岡谷とは正面から戦っても、絶対勝てる相手でもないし、俺が居る中で、信濃に道具を使わすのは俺の道義に反する!」
「これで……失礼するよ!」

「あっ!///」
「ちょっと、待ってくださいよ~~~!///」
「キッドさん……彗星さん!!///」

 キッドは言葉を終えると、体の向きを変えて、俺と松田達から離れ始める!
 焦った表情で松田はキッド達に声を掛けるが、キッドは振り向こうとはしない。
 信濃も、キッドの後を直ぐに追い掛けて、一つの嵐が俺から去って行く……

「……」

 岡谷君はキッドを無言で見送り終えると、松田達の方に体の向きを変えて、松田に近付いて行き、澄ました表情と低い口調で、松田に質問を始める。

「松田……。貴様は、何をやっているのだ?」

「~~ひっ!///」

 岡谷君の澄ました表情が、松田には重圧感と恐怖を感じたのだろう。
 阿呆な声を上げている!

「……お前達も、もう良いだろ…?」
「そろそろ、三國を解放してやってくれんか?」

『パッ!』

 岡谷君の声掛けで、松田支配下の陽キャラ達が、俺の拘束をやっと此処で解く!?
 普通なら、絶対に反論や無視をする者だが、陽キャラ達は素直に拘束を解いた??

「……じゃあ、松田!///(汗)」
「俺達は用事が有るから!!///(汗)」

 松田支配下の陽キャラ達は、松田に向けて困った笑顔で言いながら、足早に去って行く。
 陽キャラ達も、これ以上の面倒事は嫌だと感じたのだろう。

「あっ、ちょ~~。お前ら待てよ~~~!(汗)」

 松田は焦った表情で、陽キャラ達に声を掛けるが、キッドと同じ様に一度も振り向く事は無く行ってしまう。
 学年一の強さを誇るキッドが、岡谷君を敬遠したのだから、当然で有ろう!!

 けど、キッドと同等の力を持つ、岡谷君は何者なんだ!??
 俺にとっては予想外の嬉しい出来事で有るが、同時に岡谷君を怒らしたら、俺は無事では済まない事も思い知らされてしまう……
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