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第2章 学年一の美少女を巡る戦い

第85話 放課後デート!? その1

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 ……

 特進コースの教室前で、俺と伊藤さんは二村さんと落ち合う。
 だが、自習室はもう使えないし、それに下校時刻も迫っているため、学園内の何処かで話しをする訳にも行かない。

 そう言った場合、学園近くのファストフード店や、ファミレス等で話し合いをするのが定番だ!!
 けど、伊藤さん・二村さん共に、学年内で知らない人は居ない位なので、学園近くの飲食店で会話をするのは非常に難しかった……

 そのため、俺の家からは反対方向に成るが、伊藤さん・二村さんの家近くに個人経営の喫茶店が有るそうなので、其処で会話と言うか相談事をすることに決める。
 今晩は母親・兄共に夜勤で有って、俺の家には虹心しか居ないため、少し遅く成るとRailで連絡を入れておく。
 連絡さえ入れておけば、虹心から矢の催促は来ないはずだ!

 俺は二人と少し距離を開けて、二人の後を付いて行きながら、個人経営の喫茶店に向かう。
 二村さん、伊藤さん共に、仲良く話しながら歩いている。
 俺もその輪に加わりたいが、学年連中らに見られると、よろしくないので我慢する。

 学園から駅に向かって歩き、駅から電車を数区間乗って、大体30分位で個人経営の喫茶店に到着する。
 ちなみに、二村さん・伊藤さん共に電車通学だそうだ。

「いらっしゃいませ~~♪」

 喫茶店のドアを開けて入ると、20代前半位の女性が、元気な声を俺たちに掛けて来る。
 その喫茶店は“こぢんまり”とした店内だが、店内にお客さんの姿は見えなくて、更にスタッフらしき人も、その女性しか居なかった。
 本当の個人経営喫茶店なのだろうか?

「いらっしゃい! 亜紀ちゃん。彩織ちゃん♪」

 和やかな表情で、気軽な口調で話し掛ける女性スタッフ。
 喫茶店のスタッフは伊藤さん、二村さんを名前で呼ぶぐらい親しい関係のようだ。

真優美まゆみさん…。まだ、時間良いですか?」

 伊藤さんは、スタッフまゆみさんに覗う表情で確認を取っている。
 今の時刻は、18時半を大分過ぎた時間で有った。

(あのスタッフの名前は、真優美さんと言うのか…///)
(伊藤さんほどでは無いが、美人な人だな///)

 真優美さんと言う女性スタッフは、身長もかなり有り、長い髪を右肩に束ねている女性で有る。
 喫茶店の制服と言えば良いのかは分からないが、チョコレート色のフレアスカートエプロンを真優美さんは着ている。

 店内雰囲気は、純喫茶と言う感じがして、心が落ち着く内装や空間で有る。
 これは……真優美さんからの何かも、加わっているのかも知れない!?
 アルコール類を出す夜遅くまで、営業する様な喫茶店では無いと俺は感じた。

「う~~ん♪」
「時間的に……今日は閉じようかなと思っていたけど、亜紀ちゃんと彩織ちゃん……男のお友達を歓迎するわ♪」
「好きな所に座って頂戴♪」

 真優美さんは笑顔で悩む素振りを見せた後、眩し過ぎる位の笑顔と、陽気な口調で俺たちに話し掛ける!!
 ……この若さで、もう店長さんだろうか??

「すいません。真優美さん///」
「お気遣い、ありがとうございます…///」

 伊藤さんは頬を染めて、困った笑顔でお礼を真優美さんに言う。
 二村さんや俺も、真優美さんに会釈をする。

「もう、新規のお客さんは入れないから、私は表の看板を片付けてくるね!」

 真優美さんは笑顔で俺たちに声を掛けて、喫茶店の屋外に有る、看板を片付けに行った。
 伊藤さんと二村さんは、窓際の席に横並びに座るので、俺は伊藤さんと二村さんの前に座ることに成る。

「三國君……良い店でしょ!」

 伊藤さんは微笑みながら、俺に問いかけてきた!
 今の伊藤さんはもう、俺には元気な美少女にしか見えなかった。

「はい…。元気な女性スタッフさんで有って、何て言うか良い店ですね!」
「それに女性の方も……美人ですね///」

「!……」

 俺が嬉しそうな表情な答えると、伊藤さんは目を丸くしていた!?
 伊藤さんは澄ました表情で聞いてくる!

「……三國君のストライクゾーンは、どれだけ広いの??」
「三國君を好き成ってくれる人なら、どんな人でも受け入れるタイプ!?」
「ボールの球でも、三國君は振りに行っちゃう派!!」

 伊藤さんは最後、茶化しながら言う。

(今までの伊藤さんとは、全然違うぞ!?)
(こっちが本当の本当に、本来の伊藤さんの姿か!?)

 俺はやっと、本来の伊藤さん姿を見られる時が来たのかも知れない。
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