上 下
95 / 100

第95話 二回目の別れ時間

しおりを挟む
 俺の中で未練は有りまくりだが、さくらの門限も迫っているし、俺は車発進させる。
 此処(カラオケ店)から駅までの道順は、再びさくらナビの誘導で向かう。

「颯太さん!」
「今度の信号機を左折してください♪」

 さくらナビは萌え系カーナビ顔負けの、元気口調で案内してくれる。
 萌え系カーナビは音声だけだが、さくらナビは嬉しい笑顔付きだ!!
 さくらが高校生で無ければ、このままラ○ホテルに案内して貰っているのに!?

 さくらがカーナビ代わりをしてくれているので、会話らしい会話はしないまま宇野あざの駅に向かう……
 さくらナビの精度は良くて、今回も問題なしに宇野駅に到着して、先月止めた場所に近い駐車場マスに車を停車させる。

「お疲れ様です! 颯太さん!!」

 俺はサイドブレーキ引くと、さくらは和やかな表情で言ってきた。
 車内の時計を確認すると、今の時刻は……21時06分で有った。

(さっきの話だと、今日は此処でお別れだな…)

 さくらの門限は22時だと聞いているが、電車の時刻都合などを考えると、今から車内で話すなどの行為はしない方が良いだろう。
 それにまた、さくらの門限ギリギリと成ると本当に来月から、さくらと逢うのが厳しく成る恐れも有る!?
 さくらもそれを理解しているのか、シートベルトを外し、車外に出る準備をしている。

「…では、颯太さん!」
「今日は此処でお別れですが、最後にキスをしましょう♪」

 さくらは和やかな表情で言って来る。
 その言葉で、車内で有るがお互いが近付き有って、俺とさくらは別れのキスを始める。

「んっ……さくら。男の娘だけど、大好きだよ!//////」

「颯太さん!//////」
「私も大好きです!!//////」

 しばらくの間……別れのキスを楽しむ。
 それぞれの両手で、お互いの両肩を掴んでキスを楽しんでいる。
 今回の場合は激しいディープキスでは無く、お互いの温もりを感じるキスをする。

「ふぅ…!」
「今までキスした中で、一番心が温まるキスでした!❤」

 キスを終えたさくらは、嬉しそうな表情で言う。

「俺も今までの中で、一番良かった感じがするよ。さくら…!///」

 俺も、さくらに向けて笑顔で言う。
 今までのさくらとのキスは、付き合い上の渋々キスで有ったが、前回と今回は本気でのキスで有るから、今までよりも美味しく感じた……

「では、颯太さん!」
「そろそろ、失礼します!!」

 さくらは微笑みながらで言い終えると、助手席のドアを開ける。
 俺も運転席のドアを開けて、お互い車外に出る。

「前回はドタバタした別れに成ったけど、今回は普通に終われそうだね!」

 俺はさくらに向けて、冗談っぽく言う。
 前回はさくらの両親が駅に迎えに来ていた関係で、最後はバタバタで終ってしまった。

「はい!」
「今日は普通に、お別れ出来そうですね!♪」

 和やかな表情で言う、さくら。

「……さくら。気を付けて帰るんだよ!」

「ありがとうございます。颯太さん!!」
「今日も楽しかったです♪」
「颯太さんも気を付けて、三○県南部に戻ってくださいね♪」

「ありがとう。さくら……チュッ!」

 俺はさくらに近付き、さくらの頬い軽いキスをする。
 俺は本当に、さくらが大好きに成っていた。

「!//////」
「……積極的ですね!♪」
「では、また、来月逢いましょう~~♪」

 さくらは笑顔の元気口調で言い終えた後、手を振りながら駅の方に歩いて行った。

(これって……駅の改札まで、行った方が本来は良いのだよな?)
(けど、別れの挨拶は終えてしまったし……)

 俺は今更ながら感じたが、今からさくらの後を追い掛けるのも変なので、この場所(駐車場)からさくらの姿見えなく成るまで見送る……
 お互い、大きな進展を得て、二回目のデートと出会いは終った……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

Take On Me 2

マン太
BL
 大和と岳。二人の新たな生活が始まった三月末。新たな出会いもあり、色々ありながらも、賑やかな日々が過ぎていく。  そんな岳の元に、一本の電話が。それは、昔世話になったヤクザの古山からの呼び出しの電話だった。  岳は仕方なく会うことにするが…。 ※絡みの表現は控え目です。 ※「エブリスタ」、「小説家になろう」にも投稿しています。

眠るライオン起こすことなかれ

鶴機 亀輔
BL
アンチ王道たちが痛い目(?)に合います。 ケンカ両成敗! 平凡風紀副委員長×天然生徒会補佐 前提の天然総受け

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

目が覚めたら、カノジョの兄に迫られていた件

水野七緒
BL
ワケあってクラスメイトの女子と交際中の青野 行春(あおの ゆきはる)。そんな彼が、ある日あわや貞操の危機に。彼を襲ったのは星井夏樹(ほしい なつき)──まさかの、交際中のカノジョの「お兄さん」。だが、どうも様子がおかしくて── ※「目が覚めたら、妹の彼氏とつきあうことになっていた件」の続編(サイドストーリー)です。 ※前作を読まなくてもわかるように執筆するつもりですが、前作も読んでいただけると有り難いです。 ※エンドは1種類の予定ですが、2種類になるかもしれません。

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

初体験

nano ひにゃ
BL
23才性体験ゼロの好一朗が、友人のすすめで年上で優しい男と付き合い始める。

処理中です...