2 / 7
第1章 転生、彼女は蜜奈
気楽に自由に生きたい
しおりを挟む
私が転生してから13年がたった。私は両親の指導の元、魔法と麗剣を極めた。私は父さんよりも母さんよりも強くなった。
だけど、私は魔法、麗剣とはまた別の1つ、技が使える。
〈紺の術〉
私の生前の一族、紺一族の長が使う術であり、隙がなく、相手を静かに”殺す”術ばかりだ。
この術の事は両親も知っている。転生前のことも両親に話した。両親はそれでも私を可愛がってくれている。ほんとにいい人たちだ。
ただ何故か両親はこの術を使えない。魔法や流派とはまた別の能力なのだろうか。
とにかく、私は紺の術、魔法、麗剣の3つを駆使して両親を越えた。
そんなある日。
「そろそろ蜜奈を学校に転入させてもいい頃なんじゃないか?」
「あの子が学校に?大丈夫かしら?」
私は今ベッドの上でなんだか寝つけずにいた時、ふとそんな会話が聞こえてきた。
「蜜奈がどんなに強くても、人脈は大事だ。若い頃からの付き合いを持っていなければ、あの子が可哀想じゃないか」
「確かにそうかもしれないですけど、あの子は外の世界の常識を知っているのかしら?私たち、あの子をこの森の外に出したことなんかないもの」
「それは本当に盲点であったし、申し訳ないと心の底から思っている。でも、だからこそいまここからあの子を学校に入れるべきなんじゃないか?」
「確かにあの子は転生前の記憶があるって言ってはいたから、社交辞令なら普通にできると思います。でもだったら尚更、入学する必要は無いと思うの」
「いや、転生前の記憶があり、人とコミュニケーションをとれる子だからこそ、学校には行くべきだ」
「でも…」
「大丈夫だよ!」
「蜜奈…」「蜜奈ちゃん…」
つい口を挟んでしまった。でも私は前世で友達も恋人もいなかった。だからこそ入学したい。
でもなんで両親はここまで学校に行かせるのを渋っているのだろうか。
「私は入学したい!確かに私は前世で人と関わったことなんてあまり無かったけど、でもだからこそ、このチャンスを逃したくない!無駄な殺生はしないし、友達もいっぱいつくりたい!…だからさ、こんな常識外れな私を、入学させてくれないかな…?」
微妙な空気が流れる。もしかしてやっぱりまずいこと言っちゃったかな…?
「成程」
「いい向上心だわ!いいと思います、そういうの!」
「そうだな。私もそのことに関しては賛成だ。」
よかった。普通に説得できそうだ。
「だが、さっきまで入学させるとか妻に言っておきながら言うのもなんだが、お前は強すぎる。私や妻よりも強い指導者は今この世にはおそらく存在しないだろう。おまえはそれでも、入学したいと思うか?」
「…はい」
「成程」
これでついに私も学校に行け…
「私達もあの事を話したほうがいいんじゃないかしら?」
「ああ。確かにそうだな」
!?あのお父さんとお母さんが私に隠し事…?なんだろう。
聞くのが怖い。
「…私たちは、暗殺者なんだ」
刹那、私はこの世界に産まれた意味が、なんとなくわかったような気がした。多分お父さんもお母さんもその事がわかったのだろう。だから、こうやって止めてるんだ。
「お前が入学し仲間ができたとしても、親が暗殺者として飯を食っていると知られないよう、騙し騙しで人付き合いをしなければならないんだ。…蜜奈、それでもいいか?」
「嫌なら全然言って良いんですからね?私たちと縁を切るって言うならそれでも…」
「いや、全然いいよ」
このあっさりとした発言に両親は大分驚いたのか、目を大きく見開いている。
「私は騙し騙しなんかでもいい、ほんとに信頼出来る親友を作りたい。それだけだよ」
それだけだ。たとえ暗殺が常にすぐそばにあったとしても、私は…
「気楽に自由に生きたい!」
1週間後
私は今日森を出る。
気楽に自由に生きる、そんな目標を掲げて私は、学校に行く。
だが私は両親の家業、暗殺者を継ぐことになった。時々様々な方法で依頼を届けにきてくれるらしい。依頼は夜のみの活動にしてくれると約束してくれた。
そして私は前世で言う和服のような服と母から貰った刀をも持って、出発した。
走り続けて数時間、そろそろ森の終わりが見えてきた。
私の転入する学校【魔法武芸専門北部高等学校】この世界では高等技術を教える学校のことを高等学校と指すのだという。
木々を抜けていたその時、野暮ったい声の何かに声を掛けられた。
「おいそこの猫耳の生えた姉ちゃん、金品を置いてついでに身体も置いていきなあ!」
「おでたちから逃げられると思ったら大間違いやからなぁ…?」
「うわ」
心底寒気がした。
初めて出会う人はどんな人かな、ってちょっと期待してたのに、こんな汚い奴らだなんて。
「まあ丁度いい。この世界の人間のレベル、測ってみるかな」
あと八つ当たり、ね。
贅沢な馬車もどこかの金持ちから奪ってきたのだろう、こんな盗賊共は殺してもいいか。
「何ゴタゴタ言ってんだぁ?あまり調子に乗ると、ほんとに痛ーい目に遭うぜぇ?」
敵の数及び実力計測開始。敵11そのうち親玉1含めて実力者、0。
「雑魚じゃん」
「あ?今なんつったてめえ?もういいうぜえ!こいつはもう殺っちま
〈紺の術〉其の十四 来数
私の持っていた刀が下っ端全員を斬り殺した。
「え、なっ、ひ、ひいいい!?」
「もう10人殺したよ。冥土の土産に教えてあげるよ。来数は相手に連撃を叩き込む技。最高時速は1秒にまぁ…35発ちょっとかな?」
「なっ、なっ…!」
急に服を脱ぎ出したかと思えば、その男は地面に這いつくばった。
「ど、どうか、命だけはご勘弁くだせえ!謝りますから!どうかこの通りですから!どうか、どうか許してくだせえ!」
どうやら全力で土下座をしているようだ。…でもね、
「はぁ」
「っ!?」
「…安い土下座」
ザシュッ
はーあ、これが私のこの世界での初の殺しか。まぁ悪人だし切られても仕方はないのだけれども。
「助けて!」
そんな事を思っていたら、助けを求める声が聞こえてきた。馬車の中かな?
「ひいっ!」
馬車の中を覗いただけでこの反応か、随分怯えている。10歳くらい?小さな女の子だな。
「大丈夫、もう盗賊は全員殺した。もう安全だよ!」
「あ、あの、ほんとに、大丈夫なんですね?」
「うん、だから出てきな。じゃあ私は学校に行くから、襲われないようにするんだよ。それじゃあね!」
「あ、あのっ、名前を!ってあ、…行ってしまった。でも学校に行くって言ってたし、もしかしたら…」
そんな感じで1人の小さなを助けることになったが、生憎私は女の子なのでね。ここからラブコメに発展することはまず無いんだよなぁ。
「お、もう森を抜けるかな」
森を抜けたその先、少し大きな草原の向こうに、その国が見えた。北彗星王立教会国、彗星を神と崇める宗教国なんだとか。
「よーし、じゃあダッシュだー!」
木々に邪魔されずにダッシュできるのはこの世界で初めてかもしれない。私はもう今までで1番速いダッシュで草原を駆け抜けた。
全力ダッシュを楽しんでいた、そんな時。
「あぶなーい!ちょっ、避けて避けて!」
「?え?なっ!?」
調子に乗ってジャンプしたその先に人がいた!?やばいやばい魔法魔法!!
『空間魔法』 座標変更
私は魔法を使い、人を避けた。…ほんっとーに危なかったああ!下手したらこの人死んでたよ!あぶなかったぁー。
「すみません!大丈夫ですか?広いところに出てついついはしゃいじゃって…」
「はしゃぐ…?え、あ、えっと、こちらこそ不注意ですみません。少し気を張っていたもので…」
「どうかされたんですか?」
「あ、えっと、うーん。それは…」
確実になにかあったような反応だ。
「大丈夫です。協力が出来ることさえあれば、やりますよ!」
彼の目に光が少し灯った。どうやら私を信用してくれたようだ。
「…それが、10日ほど前、妹が人攫いに連れていかれてしまって、今必死で妹を探している所なんです。せっかく引っ越してきて、久しぶりに北高にまた通えるようになると思ったのに…」
あれ?この人もしかして、さっき馬車に乗せられてた子のお兄ちゃん?たしかにそう考えると、同じ青髪に目元もなんとなく似ているかも。
「その連れ去られた子って、どんな見た目をしていますか?」
「俺と同じ薄い青髪で、12歳にしては小さな女の子です」
あー、これは確定であの子だぁー。
「なるほど、その子ならさっき見かけましたよ。連れてきますね!」
「え、あのっ」
〈紺の術〉其の四 錠越
ここはさっきの森の中。
やっぱりここまで戻っちゃったか。ちょっとめんどくさいなぁ。
◇◇◇
「消えて…え?」
「お兄ちゃん?」
「春風?」
「よかった、やっと、またあえたね…お兄ちゃんっ…!」
「ああ、やっとだ!もう会えないことも覚悟していたのだけど、ほんとに、本当によかった…!」
「「ううっ、うううっ」」
◇◇◇
「っと、到着っ」
「あなたはさっきの!」
「急にいなくなってごめんね、私の能力で妹さんと私の場所を入れ替えたの」
紺の術其の四〈錠越〉は、対象と私がイメージできたものの場所を入れ替える技。
「いえいえそんな、ありがとうございます…ほんとうに…!」
「いえいえお礼には及びませんよ」
「この恩はいつか必ず返します!」
「私も、感謝してます!ありがとうございました!」
「大丈夫ですって。っと、遅刻しちゃうので私はそろそろここで」
「「はい、ありがとうございました!」」
こうして私は立ち去った。人を助けるとやっぱり心地がいいもんだな。
そして走ること約数分、国についた。
「門番さん、学生でーす。これ、学生証です。」
「ふむ、これは本物だ。通ってよし」
ついに私は魔法武芸専門北部高等学校に入学することになる。これが記念すべき第1歩だ。
だけど、私は魔法、麗剣とはまた別の1つ、技が使える。
〈紺の術〉
私の生前の一族、紺一族の長が使う術であり、隙がなく、相手を静かに”殺す”術ばかりだ。
この術の事は両親も知っている。転生前のことも両親に話した。両親はそれでも私を可愛がってくれている。ほんとにいい人たちだ。
ただ何故か両親はこの術を使えない。魔法や流派とはまた別の能力なのだろうか。
とにかく、私は紺の術、魔法、麗剣の3つを駆使して両親を越えた。
そんなある日。
「そろそろ蜜奈を学校に転入させてもいい頃なんじゃないか?」
「あの子が学校に?大丈夫かしら?」
私は今ベッドの上でなんだか寝つけずにいた時、ふとそんな会話が聞こえてきた。
「蜜奈がどんなに強くても、人脈は大事だ。若い頃からの付き合いを持っていなければ、あの子が可哀想じゃないか」
「確かにそうかもしれないですけど、あの子は外の世界の常識を知っているのかしら?私たち、あの子をこの森の外に出したことなんかないもの」
「それは本当に盲点であったし、申し訳ないと心の底から思っている。でも、だからこそいまここからあの子を学校に入れるべきなんじゃないか?」
「確かにあの子は転生前の記憶があるって言ってはいたから、社交辞令なら普通にできると思います。でもだったら尚更、入学する必要は無いと思うの」
「いや、転生前の記憶があり、人とコミュニケーションをとれる子だからこそ、学校には行くべきだ」
「でも…」
「大丈夫だよ!」
「蜜奈…」「蜜奈ちゃん…」
つい口を挟んでしまった。でも私は前世で友達も恋人もいなかった。だからこそ入学したい。
でもなんで両親はここまで学校に行かせるのを渋っているのだろうか。
「私は入学したい!確かに私は前世で人と関わったことなんてあまり無かったけど、でもだからこそ、このチャンスを逃したくない!無駄な殺生はしないし、友達もいっぱいつくりたい!…だからさ、こんな常識外れな私を、入学させてくれないかな…?」
微妙な空気が流れる。もしかしてやっぱりまずいこと言っちゃったかな…?
「成程」
「いい向上心だわ!いいと思います、そういうの!」
「そうだな。私もそのことに関しては賛成だ。」
よかった。普通に説得できそうだ。
「だが、さっきまで入学させるとか妻に言っておきながら言うのもなんだが、お前は強すぎる。私や妻よりも強い指導者は今この世にはおそらく存在しないだろう。おまえはそれでも、入学したいと思うか?」
「…はい」
「成程」
これでついに私も学校に行け…
「私達もあの事を話したほうがいいんじゃないかしら?」
「ああ。確かにそうだな」
!?あのお父さんとお母さんが私に隠し事…?なんだろう。
聞くのが怖い。
「…私たちは、暗殺者なんだ」
刹那、私はこの世界に産まれた意味が、なんとなくわかったような気がした。多分お父さんもお母さんもその事がわかったのだろう。だから、こうやって止めてるんだ。
「お前が入学し仲間ができたとしても、親が暗殺者として飯を食っていると知られないよう、騙し騙しで人付き合いをしなければならないんだ。…蜜奈、それでもいいか?」
「嫌なら全然言って良いんですからね?私たちと縁を切るって言うならそれでも…」
「いや、全然いいよ」
このあっさりとした発言に両親は大分驚いたのか、目を大きく見開いている。
「私は騙し騙しなんかでもいい、ほんとに信頼出来る親友を作りたい。それだけだよ」
それだけだ。たとえ暗殺が常にすぐそばにあったとしても、私は…
「気楽に自由に生きたい!」
1週間後
私は今日森を出る。
気楽に自由に生きる、そんな目標を掲げて私は、学校に行く。
だが私は両親の家業、暗殺者を継ぐことになった。時々様々な方法で依頼を届けにきてくれるらしい。依頼は夜のみの活動にしてくれると約束してくれた。
そして私は前世で言う和服のような服と母から貰った刀をも持って、出発した。
走り続けて数時間、そろそろ森の終わりが見えてきた。
私の転入する学校【魔法武芸専門北部高等学校】この世界では高等技術を教える学校のことを高等学校と指すのだという。
木々を抜けていたその時、野暮ったい声の何かに声を掛けられた。
「おいそこの猫耳の生えた姉ちゃん、金品を置いてついでに身体も置いていきなあ!」
「おでたちから逃げられると思ったら大間違いやからなぁ…?」
「うわ」
心底寒気がした。
初めて出会う人はどんな人かな、ってちょっと期待してたのに、こんな汚い奴らだなんて。
「まあ丁度いい。この世界の人間のレベル、測ってみるかな」
あと八つ当たり、ね。
贅沢な馬車もどこかの金持ちから奪ってきたのだろう、こんな盗賊共は殺してもいいか。
「何ゴタゴタ言ってんだぁ?あまり調子に乗ると、ほんとに痛ーい目に遭うぜぇ?」
敵の数及び実力計測開始。敵11そのうち親玉1含めて実力者、0。
「雑魚じゃん」
「あ?今なんつったてめえ?もういいうぜえ!こいつはもう殺っちま
〈紺の術〉其の十四 来数
私の持っていた刀が下っ端全員を斬り殺した。
「え、なっ、ひ、ひいいい!?」
「もう10人殺したよ。冥土の土産に教えてあげるよ。来数は相手に連撃を叩き込む技。最高時速は1秒にまぁ…35発ちょっとかな?」
「なっ、なっ…!」
急に服を脱ぎ出したかと思えば、その男は地面に這いつくばった。
「ど、どうか、命だけはご勘弁くだせえ!謝りますから!どうかこの通りですから!どうか、どうか許してくだせえ!」
どうやら全力で土下座をしているようだ。…でもね、
「はぁ」
「っ!?」
「…安い土下座」
ザシュッ
はーあ、これが私のこの世界での初の殺しか。まぁ悪人だし切られても仕方はないのだけれども。
「助けて!」
そんな事を思っていたら、助けを求める声が聞こえてきた。馬車の中かな?
「ひいっ!」
馬車の中を覗いただけでこの反応か、随分怯えている。10歳くらい?小さな女の子だな。
「大丈夫、もう盗賊は全員殺した。もう安全だよ!」
「あ、あの、ほんとに、大丈夫なんですね?」
「うん、だから出てきな。じゃあ私は学校に行くから、襲われないようにするんだよ。それじゃあね!」
「あ、あのっ、名前を!ってあ、…行ってしまった。でも学校に行くって言ってたし、もしかしたら…」
そんな感じで1人の小さなを助けることになったが、生憎私は女の子なのでね。ここからラブコメに発展することはまず無いんだよなぁ。
「お、もう森を抜けるかな」
森を抜けたその先、少し大きな草原の向こうに、その国が見えた。北彗星王立教会国、彗星を神と崇める宗教国なんだとか。
「よーし、じゃあダッシュだー!」
木々に邪魔されずにダッシュできるのはこの世界で初めてかもしれない。私はもう今までで1番速いダッシュで草原を駆け抜けた。
全力ダッシュを楽しんでいた、そんな時。
「あぶなーい!ちょっ、避けて避けて!」
「?え?なっ!?」
調子に乗ってジャンプしたその先に人がいた!?やばいやばい魔法魔法!!
『空間魔法』 座標変更
私は魔法を使い、人を避けた。…ほんっとーに危なかったああ!下手したらこの人死んでたよ!あぶなかったぁー。
「すみません!大丈夫ですか?広いところに出てついついはしゃいじゃって…」
「はしゃぐ…?え、あ、えっと、こちらこそ不注意ですみません。少し気を張っていたもので…」
「どうかされたんですか?」
「あ、えっと、うーん。それは…」
確実になにかあったような反応だ。
「大丈夫です。協力が出来ることさえあれば、やりますよ!」
彼の目に光が少し灯った。どうやら私を信用してくれたようだ。
「…それが、10日ほど前、妹が人攫いに連れていかれてしまって、今必死で妹を探している所なんです。せっかく引っ越してきて、久しぶりに北高にまた通えるようになると思ったのに…」
あれ?この人もしかして、さっき馬車に乗せられてた子のお兄ちゃん?たしかにそう考えると、同じ青髪に目元もなんとなく似ているかも。
「その連れ去られた子って、どんな見た目をしていますか?」
「俺と同じ薄い青髪で、12歳にしては小さな女の子です」
あー、これは確定であの子だぁー。
「なるほど、その子ならさっき見かけましたよ。連れてきますね!」
「え、あのっ」
〈紺の術〉其の四 錠越
ここはさっきの森の中。
やっぱりここまで戻っちゃったか。ちょっとめんどくさいなぁ。
◇◇◇
「消えて…え?」
「お兄ちゃん?」
「春風?」
「よかった、やっと、またあえたね…お兄ちゃんっ…!」
「ああ、やっとだ!もう会えないことも覚悟していたのだけど、ほんとに、本当によかった…!」
「「ううっ、うううっ」」
◇◇◇
「っと、到着っ」
「あなたはさっきの!」
「急にいなくなってごめんね、私の能力で妹さんと私の場所を入れ替えたの」
紺の術其の四〈錠越〉は、対象と私がイメージできたものの場所を入れ替える技。
「いえいえそんな、ありがとうございます…ほんとうに…!」
「いえいえお礼には及びませんよ」
「この恩はいつか必ず返します!」
「私も、感謝してます!ありがとうございました!」
「大丈夫ですって。っと、遅刻しちゃうので私はそろそろここで」
「「はい、ありがとうございました!」」
こうして私は立ち去った。人を助けるとやっぱり心地がいいもんだな。
そして走ること約数分、国についた。
「門番さん、学生でーす。これ、学生証です。」
「ふむ、これは本物だ。通ってよし」
ついに私は魔法武芸専門北部高等学校に入学することになる。これが記念すべき第1歩だ。
2
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる