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第十六章
16-4.意図
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メルニールを囲う壁を乗り越えてきた魔物の凶悪な鉤爪が、血溜まりに浸る冒険者の潰れた肉塊に突き刺さる。視線の交差した刹那の瞬間、ヴィクターは目の前の魔物が仁の手紙にあった魔王妃の眷属だと直感的に悟る。その全身に目を向ければ、伝え聞いた各種特徴からそれが間違いではないと確信できた。
相対する想定も覚悟もしていたつもりだったが、実際に目にした恐るべき鉤爪は強者のオーラを放っていて、ヴィクターは思わず一歩、後ずさった。恐るべき鉤爪が低く唸り、ヴィクターは死を予感した。
しかし、殺されるのを座して待つわけにはいかない。ヴィクターは槍の柄を握る手に力を籠める。たとえ敵わないとしても、傷の一つでも付けなければ、メルニールに残った意味がないのだ。
短い時間で改めて覚悟を決めたヴィクターは槍を構えようとするが、その前にやるべきことがあることに思い至る。魔物の、ひいては帝国の襲撃を知らせなければならない。本来その役目を負うべき同僚は既に物言わぬ肉塊に成り果ててしまったのだ。
ヴィクターは腹の底に力を入れる。
「魔物だ! 魔物が侵入した!」
ヴィクターは大声で叫びながら、恐るべき鉤爪に背を向けて走り出す。逃走ではない。目指すは門の脇に据えられた階段を上った先。そこに街全体に非常事態を知らせるための鐘がある。
ヴィクターは目の前の魔物と戦うよりも、門番の責務を果たすことを選んだ。叫んだのは鐘を鳴らす前に倒れ伏したときのためだ。声の届く範囲はたかが知れているが、誰かの耳には届くはず。メルニールの危機に際して、無駄死にだけは避けなければならない。
戦ってすぐに倒せるならその方がいいかもしれないが、玲奈たちが苦戦したという魔物相手に簡単に勝てると思うほど、ヴィクターの自己評価は高くはない。
後ろから鉤爪で貫かれるか、鋭い牙の並んだ口で噛み殺されるのか、ヴィクターの脳裏に想像もしたくない光景が浮かんだが、すぐに頭から追い払い、鐘を鳴らすことだけを考えて足を動かした。
幸いなことに、ヴィクターはそのような未来が訪れるより早く目的地に辿り着き、持てる力の限りを尽くして鐘を鳴らした。
前回の戦争時にも使われた鐘の音が、けたたましくメルニール中に響き渡る。
最低限の役目は果たせた。後は少しでも手傷を負わせられるように戦うだけ。
そう思ったヴィクターはホッとしたのも束の間、すぐに振り返る。すぐ背中まで迫っているかもしれないと揺れる頭で警戒していたが、目に見える範囲に、羽毛を生やした二足歩行の蜥蜴の姿はなかった。
当然襲ってくるものと思っていたヴィクターは辺りに視線を巡らせ、眉を顰める。怪訝に思ったヴィクターが階段の下を見下ろそうと一歩踏み出したとき、未だ間近で大音量の鐘を鳴らしたことで機能を低下させていた聴覚が、聞き覚えのある衝突音を捉えた。その音はそう遠くないところから聞こえた気がした。
「まさか!」
ヴィクターが驚愕の表情で、ある種の納得の思いを抱いて振り返る。壁の外側で、複数の音がせり上がってきていた。
ヴィクターは震える手で槍を構える。下を覗き込む気にはなれなかった。
壁の向こうから、2つの影が飛び出した。
「くっ」
ヴィクターの口から絶望が零れ落ちる。
一瞬、ヴィクターの頭に挟み撃ちをされるのではないかという考えが浮かぶが、影は2つともヴィクターの頭上を飛び越え、壁の内側へと落下していった。飛び降りるには相当な高さだが、直前に前例があるため、それによって魔物が傷を負うことは期待するだけ無駄だった。
1体でも敵わないかもしれない魔物が3体。
ヴィクターは逃げ出したくなる気持ちに抗い、階段に駆け寄る。
自分が襲われなかったのは合流を優先するためか。そんな考えがヴィクターの頭の端に浮かぶ。又聞きの情報によると、恐るべき鉤爪は群れを形成する魔物なのだ。
仲間と合流した魔物たちがどう動くのか。それはわからない。帝国の尖兵と思しき魔物が現れたのだから、帝国軍の本体もすぐそこまで来ているのは間違いない。しかし、3体の魔物だけが奇襲を仕掛けてきた意味はわからない。門は開いていないし、魔物が門を開けられるとは思えなかった。
驚異的な跳躍力と、メルニールの外壁をも穿つ強靭な鉤爪を持つ恐るべき鉤爪は壁を乗り越えることができたが、人の身でできる芸当ではない。
だとすると、考えられるのは魔物の対処に追われているうちに本隊が夜襲をかけてくるか、魔物を街中で暴れるだけ暴れさせ、後の降伏勧告を受け入れさせようという魂胆か。
僅かな時間でいろいろと考えを巡らせたが、それもここまで。ヴィクターはこれから階段を駆け下り、死地へ向かう。
帝国軍がどのような思惑だろうと、戦うしかない。そのためにリリーの誘いを蹴ってメルニールに残ったのだ。
鐘の音の聞いた冒険者や探索者たちが駆け付けるまで、生き延びられれば。ヴィクターはそんな思いを抱きつつ、階下に目を遣った。魔物が何かしらの動きを見せているはずだと思っていたヴィクターは予想外の光景に思わず足を止め、目を見開く。
同僚が物言わぬ肉塊となった門の内側。最初の一体は未だその場を動いていなかった。
ヴィクターの胸中を怪訝と安堵、そして僅かな失望が巡る中、冒険者の亡骸の上に陣取ったままのその一体が、おもむろに屍の腕を噛みちぎり、血に塗れた顔を夜空に向けて飲み下す。それを間近で見ていた他の二体が、まるでその行為を咎めるかのように鳴き声を上げていた。
ハッとしたヴィクターは今のうちに接近しようと再び足を動かし始めるが、階下に到着するより早く、2体に急き立てられるかのように最初の1体が背後を向き、街の中央に向かって駆け出した。
「ま、待て!」
まったく眼中にないとでもいうような恐るべき鉤爪の行動に、ヴィクターは慌てて声を上げるが、構うことなくもう一体がすぐ後に続く。
最後に残った一体は、きょろきょろと辺りを見回した後、冒険者の亡骸を啄んでから圧倒的な加速力で先行する二体に追いついていった。3体が一塊となって突風のように駆ける。
とても追いつけるスピードではなかった。
あっという間に小さくなっていく羽毛で覆われた3つの背中は、角を曲がったところで見えなくなった。それまでの道中、恐るべき鉤爪は数人の冒険者とすれ違ったが、彼らを襲うことはなかった。
「一体、なにを……」
ヴィクターは困惑の表情を浮かべた。武装した冒険者を襲うでもなく、無差別に暴れるでもない。魔物たちの行動の意図がわからない。ただ一つ言えることがあるとすれば、互いに意思の疎通を図るだけの知能を有した3体の魔物は、何かしらの目的を持って行動しているのではないかということだ。
「ヴィクター。何があった」
3体の魔物の消えた曲がり角まで移動したヴィクターが道の先を見据えていると、背後から声がかけられた。ヴィクターは振り返るまでもなく、それが頼れる冒険者ギルド長のものだとわかった。
ヴィクターは見失った魔物の追跡を一旦諦め、これまでの経緯をバランと、一緒にいたクランフスに話して聞かせた。
早口で話し終えたヴィクターは、指示を求めて厳つい顔を見つめる。バランは通路の暗がりに顔を向けていた。暫しの沈黙を経て、バランが口を開く。
「ヴィクター、クランフス。お前たちはジンの屋敷に向かえ」
ヴィクターはバランから目を離し、再び魔物たちの消えた曲がり角の先に顔を向けた。頭の中にメルニールの地図を思い浮かべる。
「承知した」
クランフスが強い口調で答え、ヴィクターの背中を力強く叩いた。
「ヴィクター殿。共に参りましょうぞ」
ヴィクターは暗がりを見つめたまま、大きく頷く。この道の先は、確かに仁の屋敷にまで通じていた。
相対する想定も覚悟もしていたつもりだったが、実際に目にした恐るべき鉤爪は強者のオーラを放っていて、ヴィクターは思わず一歩、後ずさった。恐るべき鉤爪が低く唸り、ヴィクターは死を予感した。
しかし、殺されるのを座して待つわけにはいかない。ヴィクターは槍の柄を握る手に力を籠める。たとえ敵わないとしても、傷の一つでも付けなければ、メルニールに残った意味がないのだ。
短い時間で改めて覚悟を決めたヴィクターは槍を構えようとするが、その前にやるべきことがあることに思い至る。魔物の、ひいては帝国の襲撃を知らせなければならない。本来その役目を負うべき同僚は既に物言わぬ肉塊に成り果ててしまったのだ。
ヴィクターは腹の底に力を入れる。
「魔物だ! 魔物が侵入した!」
ヴィクターは大声で叫びながら、恐るべき鉤爪に背を向けて走り出す。逃走ではない。目指すは門の脇に据えられた階段を上った先。そこに街全体に非常事態を知らせるための鐘がある。
ヴィクターは目の前の魔物と戦うよりも、門番の責務を果たすことを選んだ。叫んだのは鐘を鳴らす前に倒れ伏したときのためだ。声の届く範囲はたかが知れているが、誰かの耳には届くはず。メルニールの危機に際して、無駄死にだけは避けなければならない。
戦ってすぐに倒せるならその方がいいかもしれないが、玲奈たちが苦戦したという魔物相手に簡単に勝てると思うほど、ヴィクターの自己評価は高くはない。
後ろから鉤爪で貫かれるか、鋭い牙の並んだ口で噛み殺されるのか、ヴィクターの脳裏に想像もしたくない光景が浮かんだが、すぐに頭から追い払い、鐘を鳴らすことだけを考えて足を動かした。
幸いなことに、ヴィクターはそのような未来が訪れるより早く目的地に辿り着き、持てる力の限りを尽くして鐘を鳴らした。
前回の戦争時にも使われた鐘の音が、けたたましくメルニール中に響き渡る。
最低限の役目は果たせた。後は少しでも手傷を負わせられるように戦うだけ。
そう思ったヴィクターはホッとしたのも束の間、すぐに振り返る。すぐ背中まで迫っているかもしれないと揺れる頭で警戒していたが、目に見える範囲に、羽毛を生やした二足歩行の蜥蜴の姿はなかった。
当然襲ってくるものと思っていたヴィクターは辺りに視線を巡らせ、眉を顰める。怪訝に思ったヴィクターが階段の下を見下ろそうと一歩踏み出したとき、未だ間近で大音量の鐘を鳴らしたことで機能を低下させていた聴覚が、聞き覚えのある衝突音を捉えた。その音はそう遠くないところから聞こえた気がした。
「まさか!」
ヴィクターが驚愕の表情で、ある種の納得の思いを抱いて振り返る。壁の外側で、複数の音がせり上がってきていた。
ヴィクターは震える手で槍を構える。下を覗き込む気にはなれなかった。
壁の向こうから、2つの影が飛び出した。
「くっ」
ヴィクターの口から絶望が零れ落ちる。
一瞬、ヴィクターの頭に挟み撃ちをされるのではないかという考えが浮かぶが、影は2つともヴィクターの頭上を飛び越え、壁の内側へと落下していった。飛び降りるには相当な高さだが、直前に前例があるため、それによって魔物が傷を負うことは期待するだけ無駄だった。
1体でも敵わないかもしれない魔物が3体。
ヴィクターは逃げ出したくなる気持ちに抗い、階段に駆け寄る。
自分が襲われなかったのは合流を優先するためか。そんな考えがヴィクターの頭の端に浮かぶ。又聞きの情報によると、恐るべき鉤爪は群れを形成する魔物なのだ。
仲間と合流した魔物たちがどう動くのか。それはわからない。帝国の尖兵と思しき魔物が現れたのだから、帝国軍の本体もすぐそこまで来ているのは間違いない。しかし、3体の魔物だけが奇襲を仕掛けてきた意味はわからない。門は開いていないし、魔物が門を開けられるとは思えなかった。
驚異的な跳躍力と、メルニールの外壁をも穿つ強靭な鉤爪を持つ恐るべき鉤爪は壁を乗り越えることができたが、人の身でできる芸当ではない。
だとすると、考えられるのは魔物の対処に追われているうちに本隊が夜襲をかけてくるか、魔物を街中で暴れるだけ暴れさせ、後の降伏勧告を受け入れさせようという魂胆か。
僅かな時間でいろいろと考えを巡らせたが、それもここまで。ヴィクターはこれから階段を駆け下り、死地へ向かう。
帝国軍がどのような思惑だろうと、戦うしかない。そのためにリリーの誘いを蹴ってメルニールに残ったのだ。
鐘の音の聞いた冒険者や探索者たちが駆け付けるまで、生き延びられれば。ヴィクターはそんな思いを抱きつつ、階下に目を遣った。魔物が何かしらの動きを見せているはずだと思っていたヴィクターは予想外の光景に思わず足を止め、目を見開く。
同僚が物言わぬ肉塊となった門の内側。最初の一体は未だその場を動いていなかった。
ヴィクターの胸中を怪訝と安堵、そして僅かな失望が巡る中、冒険者の亡骸の上に陣取ったままのその一体が、おもむろに屍の腕を噛みちぎり、血に塗れた顔を夜空に向けて飲み下す。それを間近で見ていた他の二体が、まるでその行為を咎めるかのように鳴き声を上げていた。
ハッとしたヴィクターは今のうちに接近しようと再び足を動かし始めるが、階下に到着するより早く、2体に急き立てられるかのように最初の1体が背後を向き、街の中央に向かって駆け出した。
「ま、待て!」
まったく眼中にないとでもいうような恐るべき鉤爪の行動に、ヴィクターは慌てて声を上げるが、構うことなくもう一体がすぐ後に続く。
最後に残った一体は、きょろきょろと辺りを見回した後、冒険者の亡骸を啄んでから圧倒的な加速力で先行する二体に追いついていった。3体が一塊となって突風のように駆ける。
とても追いつけるスピードではなかった。
あっという間に小さくなっていく羽毛で覆われた3つの背中は、角を曲がったところで見えなくなった。それまでの道中、恐るべき鉤爪は数人の冒険者とすれ違ったが、彼らを襲うことはなかった。
「一体、なにを……」
ヴィクターは困惑の表情を浮かべた。武装した冒険者を襲うでもなく、無差別に暴れるでもない。魔物たちの行動の意図がわからない。ただ一つ言えることがあるとすれば、互いに意思の疎通を図るだけの知能を有した3体の魔物は、何かしらの目的を持って行動しているのではないかということだ。
「ヴィクター。何があった」
3体の魔物の消えた曲がり角まで移動したヴィクターが道の先を見据えていると、背後から声がかけられた。ヴィクターは振り返るまでもなく、それが頼れる冒険者ギルド長のものだとわかった。
ヴィクターは見失った魔物の追跡を一旦諦め、これまでの経緯をバランと、一緒にいたクランフスに話して聞かせた。
早口で話し終えたヴィクターは、指示を求めて厳つい顔を見つめる。バランは通路の暗がりに顔を向けていた。暫しの沈黙を経て、バランが口を開く。
「ヴィクター、クランフス。お前たちはジンの屋敷に向かえ」
ヴィクターはバランから目を離し、再び魔物たちの消えた曲がり角の先に顔を向けた。頭の中にメルニールの地図を思い浮かべる。
「承知した」
クランフスが強い口調で答え、ヴィクターの背中を力強く叩いた。
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