【短編集】BL 詰め合わせ

愛しているのはお前だけ。

11話

「…それとごめん。俺、お前のこと、怪しんでた。高校時代のお前と今のお前が同一人物に思えなくて」

俺が言うと、須王は少し苦笑いをした。

「まぁ、そうだろうな。確かに俺は酷い奴だった。でも、お前と出会って変わったよ」
「変わった？そうなの？」
「うん」

俺が不思議そうに首を傾げると、須王は愛おしそうに視線を向けてくる。
それがなんだか気恥ずかしくて、照れ隠しから顔を逸らしてしまう。

「じゃあさ、俺とお前の本当の関係は？今まで何の関係もなかったなんて嘘だろう？」
「ごめん。恋人だったんだよ、俺たちは。嘘をついたのは同性の俺と付き合っていたって言ったら、驚かせてしまうかと思ったんだ」
「えっと…、恋人だったって言うのは？」
「7ヵ月ほど前、君は一方的に別れを告げ、俺の前から去った。理由は言わなかったが、大方察しはついていた。あの女だ。俺の両親とあの女の両親が家の都合で結婚させようとした。君はそれを知って、身を引くつもりだったんだ」
「それなのにあの女はどうして俺を監禁なんかしたんだ…？」
「俺はあいつに対して結婚しないと言ったんだよ。だけど、それがいけなかったんだと思う。あの女は一方的にお前に恨みを募らせて、あんな凶行に走りやがった」