79 / 85
73.マジで何言ってんの、こいつ?
しおりを挟む
と、とうとう言ってしまった!
俺、告白したぞ!
ドキドキしながらキースの顔を覗くと、明らかに困惑した様子だった。
「すまないっ!」
キースは大声で謝罪した。
浮かれていた気持ちがしおしおと萎んでいくのを感じながら、キースの言葉の意味を噛み締める。
キスしてくれたのは何だったんだよ?
永遠の愛を誓ってくれたのは何だったんだよ?
可愛くて手放したくないって甘い言葉を言ってくれたのは何だったんだよ?
勘違いさせんな、馬鹿野郎!
俺が心の中で毒づいていると、キースが再度口を開いた。
「今、なんて言ったんだ?聞こえなかったんだ!頼む!もう1度言ってくれ!」
「へ?」
…嘘だろ?
…マジで何言ってんの、こいつ?
一瞬呆然としてしまったものの、キースが俺の声を聞き取れなかった原因を直ちに理解した。
いつの間にか俺たちの近くで楽器の演奏が始まっていたのだ。
その上、周りでは祭りの明るい雰囲気に影響された人々が歌い踊り、歓声を上げている。
大きな音が辺り一面響き渡っているのに、告白に気を取られていたため全く気付かなかった。
穴があったら入りたいくらいだ。
「~っ!何でもないっ!」
目一杯に声を張り上げて返答した俺は告白が聞かれなかったことへの落胆と恥ずかしさから顔を上げられないまま食事を再開した。
俺、告白したぞ!
ドキドキしながらキースの顔を覗くと、明らかに困惑した様子だった。
「すまないっ!」
キースは大声で謝罪した。
浮かれていた気持ちがしおしおと萎んでいくのを感じながら、キースの言葉の意味を噛み締める。
キスしてくれたのは何だったんだよ?
永遠の愛を誓ってくれたのは何だったんだよ?
可愛くて手放したくないって甘い言葉を言ってくれたのは何だったんだよ?
勘違いさせんな、馬鹿野郎!
俺が心の中で毒づいていると、キースが再度口を開いた。
「今、なんて言ったんだ?聞こえなかったんだ!頼む!もう1度言ってくれ!」
「へ?」
…嘘だろ?
…マジで何言ってんの、こいつ?
一瞬呆然としてしまったものの、キースが俺の声を聞き取れなかった原因を直ちに理解した。
いつの間にか俺たちの近くで楽器の演奏が始まっていたのだ。
その上、周りでは祭りの明るい雰囲気に影響された人々が歌い踊り、歓声を上げている。
大きな音が辺り一面響き渡っているのに、告白に気を取られていたため全く気付かなかった。
穴があったら入りたいくらいだ。
「~っ!何でもないっ!」
目一杯に声を張り上げて返答した俺は告白が聞かれなかったことへの落胆と恥ずかしさから顔を上げられないまま食事を再開した。
462
お気に入りに追加
2,874
あなたにおすすめの小説
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
捨てられオメガの幸せは
ホロロン
BL
家族に愛されていると思っていたが実はそうではない事実を知ってもなお家族と仲良くしたいがためにずっと好きだった人と喧嘩別れしてしまった。
幸せになれると思ったのに…番になる前に捨てられて行き場をなくした時に会ったのは、あの大好きな彼だった。
成り行き番の溺愛生活
アオ
BL
タイトルそのままです
成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です
始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください
オメガバースで独自の設定があるかもです
27歳×16歳のカップルです
この小説の世界では法律上大丈夫です オメガバの世界だからね
それでもよければ読んでくださるとうれしいです
公爵家の五男坊はあきらめない
三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。
生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。
冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。
負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。
「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」
都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。
知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。
生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。
あきらめたら待つのは死のみ。
Ωだったけどイケメンに愛されて幸せです
空兎
BL
男女以外にα、β、Ωの3つの性がある世界で俺はオメガだった。え、マジで?まあなってしまったものは仕方ないし全力でこの性を楽しむぞ!という感じのポジティブビッチのお話。異世界トリップもします。
※オメガバースの設定をお借りしてます。
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
婚約者に会いに行ったらば
龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。
そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。
ショックでその場を逃げ出したミシェルは――
何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。
そこには何やら事件も絡んできて?
傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。
龍は精霊の愛し子を愛でる
林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。
その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。
王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる