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73.マジで何言ってんの、こいつ?

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と、とうとう言ってしまった!
俺、告白したぞ!

ドキドキしながらキースの顔を覗くと、明らかに困惑した様子だった。

「すまないっ!」

キースは大声で謝罪した。
浮かれていた気持ちがしおしおと萎んでいくのを感じながら、キースの言葉の意味を噛み締める。

キスしてくれたのは何だったんだよ?
永遠の愛を誓ってくれたのは何だったんだよ?
可愛くて手放したくないって甘い言葉を言ってくれたのは何だったんだよ?
勘違いさせんな、馬鹿野郎!

俺が心の中で毒づいていると、キースが再度口を開いた。

「今、なんて言ったんだ?聞こえなかったんだ!頼む!もう1度言ってくれ!」
「へ?」

…嘘だろ?
…マジで何言ってんの、こいつ?

一瞬呆然としてしまったものの、キースが俺の声を聞き取れなかった原因を直ちに理解した。

いつの間にか俺たちの近くで楽器の演奏が始まっていたのだ。
その上、周りでは祭りの明るい雰囲気に影響された人々が歌い踊り、歓声を上げている。

大きな音が辺り一面響き渡っているのに、告白に気を取られていたため全く気付かなかった。
穴があったら入りたいくらいだ。

「~っ!何でもないっ!」

目一杯に声を張り上げて返答した俺は告白が聞かれなかったことへの落胆と恥ずかしさから顔を上げられないまま食事を再開した。
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