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17.王妃は夫の事実を知る
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「くくっ、そうだな」
ドア越しにキースとモネ嬢の笑い声がする。
俺はショックで床に座り込んでしまう。
キースは結婚と同時に即位した。
前国王である父親から国政を引き継ぎ、商業発展のために老獪な臣下を相手にしながら様々な経済改革を行ってきた。
若き王として懸命に公務に励んでいる彼には寝る暇もなかった。
だが、そのお陰で愛人の影がないことだけは冷遇されている俺にとってせめてもの救いだった。
それなのに正妻を別棟に追いやって、ずっと自分は本棟で愛人とイチャついてたってことか。
衝撃のあまり、荒くなる息を彼らに気付かれないように両手で抑え込む。
しかしながら、非情にも2人の会話は続く。
「ホスミシン公爵家ならば、大層素晴らしい嫁入り道具やドレスを用意できるのだろうな」
「えぇ!えぇ!エスメラルダよりもずっと!いえ、歴代の王妃の中で最も豪華な品々を揃えますとも!」
「それはとても楽しみだ、ははっ。近いうちに遣いを寄越す。準備しておけ」
「はい!」
キースがドアに近づく足音がした。
あいつは部屋を出ようとしている。
早くここから逃げなければいけないのに、腰が抜けてしまって立てない。
這いつくばるようにして、どうにか廊下の角に隠れることができた。
ドア越しにキースとモネ嬢の笑い声がする。
俺はショックで床に座り込んでしまう。
キースは結婚と同時に即位した。
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若き王として懸命に公務に励んでいる彼には寝る暇もなかった。
だが、そのお陰で愛人の影がないことだけは冷遇されている俺にとってせめてもの救いだった。
それなのに正妻を別棟に追いやって、ずっと自分は本棟で愛人とイチャついてたってことか。
衝撃のあまり、荒くなる息を彼らに気付かれないように両手で抑え込む。
しかしながら、非情にも2人の会話は続く。
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あいつは部屋を出ようとしている。
早くここから逃げなければいけないのに、腰が抜けてしまって立てない。
這いつくばるようにして、どうにか廊下の角に隠れることができた。
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