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7.王妃は幸運を呼び寄せる
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その代わりにある課題が出された。
『カップケーキを作れ』
…意味が分からなかった。
たぶんそれは俺だけではなかったはずだ。
だって候補者全員、口をぽかんと開けてたもん。
それに俺の知る限り、キースは甘い物を好んではいなかった。
しかし、これは俺に非常に有利な展開となった。
容貌もスタイルも平凡で他の候補者よりも劣っていたけれど、料理には自信があったからだ。
その上、良家には必ず使用人がいるため、基本的に子女たちは料理はおろか厨房に立ちすらしない。
結果、まともなカップケーキを作れたのは俺だけだった。
という訳で俺にとって幸運を呼び寄せてくれたが、キースにとってはどうなんだろう?
王妃選考の合格者としてキースと初めて対面した時、
今思えばあいつは怪訝な顔つきで決して俺を歓迎していなかった。
まぁ、馬鹿みたいに浮かれまくっていた俺は全く気に留めてなかったけど。
カップケーキで気に入らない俺を嫁にしてしまったキースは哀れとしか言いようがない。
あれ以降、絶対口にしてないんだろうな。
そんなことを考えながら、生地をカップに流し込んで、オーブンに入れた。
焼いている間、頬杖をつきながらぼーっと窓の外を眺める。
庭に植えられた桜は満開に咲き誇っていて、とても綺麗だ。
『カップケーキを作れ』
…意味が分からなかった。
たぶんそれは俺だけではなかったはずだ。
だって候補者全員、口をぽかんと開けてたもん。
それに俺の知る限り、キースは甘い物を好んではいなかった。
しかし、これは俺に非常に有利な展開となった。
容貌もスタイルも平凡で他の候補者よりも劣っていたけれど、料理には自信があったからだ。
その上、良家には必ず使用人がいるため、基本的に子女たちは料理はおろか厨房に立ちすらしない。
結果、まともなカップケーキを作れたのは俺だけだった。
という訳で俺にとって幸運を呼び寄せてくれたが、キースにとってはどうなんだろう?
王妃選考の合格者としてキースと初めて対面した時、
今思えばあいつは怪訝な顔つきで決して俺を歓迎していなかった。
まぁ、馬鹿みたいに浮かれまくっていた俺は全く気に留めてなかったけど。
カップケーキで気に入らない俺を嫁にしてしまったキースは哀れとしか言いようがない。
あれ以降、絶対口にしてないんだろうな。
そんなことを考えながら、生地をカップに流し込んで、オーブンに入れた。
焼いている間、頬杖をつきながらぼーっと窓の外を眺める。
庭に植えられた桜は満開に咲き誇っていて、とても綺麗だ。
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