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4.王妃は悩んでいる
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「ありがとう、リディア。俺はゴシップに負けないよ。もしあいつが新しく王妃を迎えたいなんて言い出しても、絶対受け付けてなんかやらないんだから」
「そうです、そうですとも!今日も王妃としてのお勤め、頑張りましょうね!」
「あぁ!任せろ!」
リディアを心配させないように明るく振る舞ったが、本音はこれ以上何をすれば良いのか分からなくて悩んでいた。
その日俺は公務を終えると、別棟にあるキッチンに1人閉じこもってひたすらカップケーキを作った。
趣味の料理に没頭して何も考えることなく、ただただ無心になりたかったのだ。
ちなみにキッチンは本棟にあるような専属のシェフが王族や来賓のために腕を奮う大型の調理場ではなく、普通の家庭用レベルだ。
俺の食事は本棟で作られて別棟まで運ばれるにも関わらず、なぜキースは個人用キッチンを別棟にわざわざ設置したのか甚だ疑問である。
だけど、どうせあいつの気持ちは理解できないだろうから、早々に考えることは放棄したが。
それよりも今はキースとの離婚を回避する方法をどうにか考えなくては。
「はあぁぁぁ。俺にヒートが来れば、ちょっとはキースとの関係も変えることができるのかなぁ?」
この世界には男女の性別のほかに、第2の性としてアルファ・ベータ・オメガというものがある。
「そうです、そうですとも!今日も王妃としてのお勤め、頑張りましょうね!」
「あぁ!任せろ!」
リディアを心配させないように明るく振る舞ったが、本音はこれ以上何をすれば良いのか分からなくて悩んでいた。
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趣味の料理に没頭して何も考えることなく、ただただ無心になりたかったのだ。
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