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2.王妃は冷遇されている

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「『国王夫妻、離婚間近!国王陛下は下品な王妃が大嫌い!新王妃に選ばれるのは一体誰?』かー。記者の皆様方は読者の気を引くためにほんと面白おかしく書き立てるのがお上手ですなー」
「あっ!エスメラルダ様!まーたそんな低俗な新聞をお手に取られて!読むのをお止め下さいませ!」
「だってー!ゴシップは気になっちゃうでしょーが」
「ゴシップって…。それに載っているのはご自分のことでしょうに!」

そう。
俺が持っているゴシップ紙には俺自身、つまりレオンスタリア王国の王妃エスメラルダ・ムニーラの話が書かれている。

あの苦い初夜から3年。
俺と夫である国王キース・ヴァーニールの仲はキンキンに冷え切ったままである。
こうやって醜聞が民衆に広まってしまうほどに。

俺だってこんな結婚生活を望んでなどいなかった。
愛し愛され仲睦まじく暮らしていくのを夢見ていたのに。
結婚当初から夫に冷遇され、別棟で1人寂しく過ごすなんて誰が想像しただろうか。
自分の境遇に深いため息を吐いたのと同時に、侍女のリディアは俺の手元からゴシップ紙をサッと奪った。

「離婚なんてデタラメです。だってエスメラルダ様は王妃として努力なさってますもの。だから大丈夫、こんな記事の通りにはなりませんわ」
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