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35.卑しいオメガと呼ばれました。
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1度抱いてしまった疑念は俺の決心をいとも簡単に打ち砕く。
開いた扉を2人に気付かれぬようにそっと閉めた。
「そこで何しているの?お前」
踵を返そうとした俺の行く手を阻んだのは義弟のエレノアくんだった。
「もしかして盗み聞き?やっぱり泥棒猫のすることははしたないね」
俺に向かっていた鋭い眼光は軽蔑を含んだ嘲笑へと変わる。
何なんだ、コイツ!?
睨みつけられた初対面といい、今の態度といい、間違いなく嫌われている。
そもそもどうしてろくに話したことのない俺のことが気に入らないんだろう?
考えられる理由は高貴な王子様にとって訳の分からない異世界からやって来た馬の骨が家族ましてや兄嫁になるなんて受け入れ難いといったところか。
だが、これほどまで嫌悪するのには俺のまだ知らない別の理由が隠されているのではないかと思う。
…あくまで勘だけど。
何にせよ、意地悪な小姑(?)の小言は無視するのに限る。
そう結論づけた俺が無言のままでいると、エレノアくんの顔に苛立ちの色が浮かぶ。
「…ほんっとに卑しいオメガ。お前もルナマリアも」
「ルナマリア…?彼女もオメガなのか!?」
ルナマリアの話題に食いついた俺にエレノアくんは嫌味ったらしく口角を上げる。
「へぇ、兄様から聞いてないの?ふーん、じゃあ可哀想なお前に優しい僕が教えてあげる。ルナマリアはね、公に第2の性は明かされていない。だけど、アイツは低俗なオメガ。フェロモンで父上を籠絡して番になることで、まんまと側妃の座に治まったって訳」
開いた扉を2人に気付かれぬようにそっと閉めた。
「そこで何しているの?お前」
踵を返そうとした俺の行く手を阻んだのは義弟のエレノアくんだった。
「もしかして盗み聞き?やっぱり泥棒猫のすることははしたないね」
俺に向かっていた鋭い眼光は軽蔑を含んだ嘲笑へと変わる。
何なんだ、コイツ!?
睨みつけられた初対面といい、今の態度といい、間違いなく嫌われている。
そもそもどうしてろくに話したことのない俺のことが気に入らないんだろう?
考えられる理由は高貴な王子様にとって訳の分からない異世界からやって来た馬の骨が家族ましてや兄嫁になるなんて受け入れ難いといったところか。
だが、これほどまで嫌悪するのには俺のまだ知らない別の理由が隠されているのではないかと思う。
…あくまで勘だけど。
何にせよ、意地悪な小姑(?)の小言は無視するのに限る。
そう結論づけた俺が無言のままでいると、エレノアくんの顔に苛立ちの色が浮かぶ。
「…ほんっとに卑しいオメガ。お前もルナマリアも」
「ルナマリア…?彼女もオメガなのか!?」
ルナマリアの話題に食いついた俺にエレノアくんは嫌味ったらしく口角を上げる。
「へぇ、兄様から聞いてないの?ふーん、じゃあ可哀想なお前に優しい僕が教えてあげる。ルナマリアはね、公に第2の性は明かされていない。だけど、アイツは低俗なオメガ。フェロモンで父上を籠絡して番になることで、まんまと側妃の座に治まったって訳」
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