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21.近づく距離(物理的に!)

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太陽祭当日。

城外まではトーニャとともに、彼の愛馬に乗って移動した。
乗馬経験のない俺を後から抱きかかえるように手綱を取る。
しかし、その体勢のせいで馬の歩みで揺れる度に身体が密着するため、やたらと心臓の音がうるさくなって仕方ない。

「緊張してるのか?」
「え!?」

触れたところから鼓動の大きさが伝わったのだろうかと思い、後ろを振り向く。

「「っっ!?」」

想像以上の顔の近さに、俺もトーニャもビックリする。
俺に至っては余計に高鳴りが抑えられなくなってしまう。

「…城の外へ出るのは初めてだろう?だから緊張しているんじゃないかと…」
「うん、そうだね…」

そう言われてみると、こちらの世界に来てから、外出するのは初のことだった。
言われるまで全く気づかなかった。
同時にデートの事ばかり考えていた自分の浮かれ具合にも気づいてしまい、急に恥ずかしくなる。
赤面する顔を隠すために、初めての街中を見物することなく、うつむくしかなかった。

馬繋場で一旦降り、馬を預けた後、5分ほど歩く。

「着いたぞ」

そこはたくさんの人々で賑わう広場だった。
色とりどりの花びらが浮かべられた噴水を取り囲むように、たこ焼きやヨーヨー釣り、金魚すくいなど見覚えのある屋台が立ち並んでいる。


「すごいな、現代の祭りとほとんど変わらないよ」
「だろうな」
「ん?それってどういう…、痛ってぇ!!」

トーニャの言葉を不思議に思い、その意味を聞こうとしたら、足元に大きな衝撃を受けた。
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