【完結】社畜が異世界転移しましたが、第2王子の妃になったので、この度のんびり暮らしたいと思います。

11．俺以外のオメガ

「王子様が教会でお持ちですから、急ぎましょう♪ガーネットにスピネル、入って来なさーい♪」

彼女の呼びかけでオレンジのショートカットの少女とアイスブルーのロングヘアの少女が手を繋いで入ってくる。
空いている片手には花びらが入ったカゴを持っている。

「はじめまして、おうじひさま。がーねっと・ゔぁーにーるです」
「すぴねる・ゔぁーにーるです」

小さいながらも、2人は礼儀正しく自己紹介をする。
髪色は違うものの、よく見ると茶色のアーモンドアイが特徴的な可愛らしい顔はそっくりだ。
双子だと気付く。
歳は幼稚園児くらいだろうか?

…ん?
ヴァーニール?

「もしかして、王族の子？」
「「うん」」
「私の息子が王弟陛下に嫁入りしておりましてね、この子たちは2人の娘なんですよー♪」

その話を聞いて、ピンと来る。
もしかして…、
「息子さんはオメガだったり…、します？」
「そうです♪」

やったぁ、ビンゴ！
俺以外に別のオメガが見つかった！
もちろん既婚者だからトーニャのお嫁さん代わりにはなってはもらえないけど、せめて話を聞かなくては…！
発情期なんて恐ろしいものがあったら、平穏無事に暮らしていけないのだから！

「じゃあ、息子さんに会わせてほし「ガーネット、スピネル！2人とも王子妃様を教会まで案内してあげて！」

俺が話している途中なのに、ガーネットちゃんとスピネルちゃんが手を引き、サファイアさんもベールの裾を持ってしまったため、教会へとドンドン進んでいってしまう。

ひ、ひ、人の話を聞いてくれぇぇぇぇぇ！