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39.本気だから

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その態度にヴォルフとの間に存在する壁を感じた。
だけど、きっといつかヴォルフは全てを話してくれる。
ソニアはなぜだかそう確信することができた。
そして、同時に自分がこの男へそれほどまでに深い信頼を寄せているのだと気付いた。

「じゃあ、部屋に戻るね」
「おう」

去っていくヴォルフの後ろ姿をソニアはぼんやりとただ眺めていた。
ふと自分はあの大きく逞ましい背中に直接触れたのだと実感し、耳まで真っ赤に染め上げた。
その顔を見られなくて良かったと心の中でホッと安堵する。
にも関わらず、突然ヴォルフがばっと振り返った。
ソニアは反射的に布団を被ってしまう。

「な、何だ!?どうしたんだよっ!?」
「俺、本気だから」
「そ、そうか… 」
「本気だからねっ!」
「2回言わなくても、伝わってるっつーの!」

ソニアが言うと、満足そうな顔でヴォルフは部屋から出て行った。

(『本気だ』って宣言するくらい、ベリルのこと大切に思ってるんだな、あいつ。…ん?でも、いちいち俺に宣言する必要ある?文脈的にもおかしいし。もしかして、『本気だ』は俺に関することだったりする?番の件か?いやいや、まさかあいつに限って…。あれは本気か?冗談か?どっちだ!)

ソニアは考えても分からず、結局眠ることができなかった。
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