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スン稼ぎにて 3
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ロイヤリーは違法店から遠ざかり、冒険者ギルドに向かっていた。ヤコは横を飛んでいるが、特に気にされることは無い。
ヤコのような妖精や他の人ならざる存在とは契約が必要だ。しかし、それさえ満たしていれば極端な話、誰でも従える事が出来る。王都では珍しい光景ではない。
実際、冒険者や騎士の育成学校では妖精との契約を結ぶ授業もあるぐらいだ。それぐらい妖精というのは一般的な存在であり、最も契約のしやすい相手と言える。
そんなヤコとの契約内容といえば……。
「ロイヤリー?考え事?あっ。さっきの詐欺店で警備局の人来たからその人からスン貰おうとか思ってる?後悔してる?」
「あっ……。いや、警備局はイイかな。ほら。人助けしただけだし?慈善事業慈善事業!アハハハ……」
「……本音は?」
「スンめっちゃ欲しい。多分がっぽり貰える。でも警備局とかに関わるのは絶ッ対に嫌だ」
きっぱり言い切る。ロイヤリーにとって警備局や治安維持の公的機関。そして《数者》……ナンバーズとの関わりはなるべく避けたかった。
「ふぅん……まぁロイヤリーの事情があるんだろうから深くは聞かないわ。さ、それよりも冒険者ギルド見えてきたわよ」
そんなふうに駄弁っていると冒険者ギルドが見えてくる。
縦に四階構造。横は何メートルあるのか。とにかくデカい。それもそのはず。
冒険者ギルドはただ冒険者を派遣する為だけの機関ではない。優秀な冒険者を手元に置いておくために宿を併設したり、駆け出し冒険者がスンに困ってシャワーを浴びる事が出来ない……などの福利厚生がしっかり整えられているからだ。
ただし、それは王都での話であって他の冒険者ギルドは単に受注、完了、報酬。という所が多い。寧ろ王都のギルドが異常とも呼べる。
「んじゃ入りますか!たーのもー」
ロイヤリーが笑顔で扉をガラッと開けると、そこは戦場であった。
「あぁん!?テメェ、俺たちが先に依頼を受けたっつってんだろ!」
「その言葉返してやるよ!俺様たちが先に依頼を受けたんだ!すっこんでろ!」
いい歳したオッサンが喧嘩している。よくある光景だが、これは一触即発……といった感じだ。コソッとロイヤリーは端の席に行って男性冒険者に話しかける。
「なぁ、あれどういう状況……?」
するとロイヤリーが横にいたのに気づかなかったのか、唐突に話しかけられて焦ったのか。うわっ!と声を上げながら冒険者は飲んでいた飲み物を落としかけながら説明してくれる。
「ビックリした……。あ、あれかい?何か魔物……確か……グリフォンだったかな。うん。グリフォンの討伐依頼。王都の近郊にはぐれたグリフォンがいるから討伐してくれって依頼をどっちが先に受けたかって喧嘩しているんだ」
話を聞きながらなるほど、と納得する。
グリフォンは基本山奥にいる魔物であり、人を襲う事もある。だが山奥の魔物である為にその討伐は度を超えない程度……それこそ冒険者の登竜門のような存在である。
そしてグリフォンの依頼は総じて高く、上手いこと討伐すればその素材も美味しく売れる。ましてや王都の近くに一匹だけ、などこれ以上甘美な依頼はないだろう。
「ほほー。ありがとありがと!」
「いえ、どういたしまして……」
笑顔で席を立つロイヤリーに対して未だ驚いている冒険者を尻目に見ながらヤコが話しかけてくる。
「どうするの?あのままだと武器とか魔法とか使いかねないわよ?」
「それはよろしくないよな。って事で俺が依頼を貰いに行く」
「……は?はぁぁ!?」
冒険者ギルドで武器と魔法の使用は『ギルドを壊さない範疇で』許されている。つまり決闘が始まってもおかしくないという事だ。
「そういう事なら……やるしかないよなぁ?」
そう言って片方のオッサンが剣を抜く。
「俺様だってその気だぜ……せいぜい喧嘩を売ったの後悔しとけ……?」
もう片方のオッサンが背負っていた斧を前に出す。
一触即発。それを観衆が見守る中ー
「やぁやぁごきげんよう!天気もいいしグリフォンの狩りもあるなんてツイてるね!しかもはぐれ!いやぁ、旨い!」
ロイヤリーがど真ん中に突入した。ヤコは危険を察知して少し離れた場所にいる。
「……ぁ?んだとこのガキ」
「それは俺様たちの依頼だ。それともなんだ?お前もやんのか?」
案の定喧嘩している二人が注目してくる。そんな事何も気にせず、受け付けカウンターに向かう。
「すみませーん!はぐれグリフォンの依頼を受けたー」
「人の話は聞けッ!このクソガキがよォッ!」
遂にキレた斧を持ったオッサンがこちらに来て振り下ろしてくる。が……。
「こっちは受注で忙しいから邪魔しないで欲しいナー?ほら。受け付けの人も迷惑してるし?」
「な、な……」
ロイヤリーは屈んで、片手で斧の柄の部分を持ってニコニコと笑顔を浮かべたまま喋りかける。そしてそのまま空いたもう片手で握り拳を作って身体を滑らせるように移動させて鳩尾にパンチをお見舞する。
「ごふっ……!?」
その勢いで倒れた男を見ながら、もう片方のオッサンが話しかけてくる。
「敵が減って助かったぜ。……後はテメェを処理すればいいんだな?」
「やだなあ、そんな人を殺すみたいに……」
「はっ……『不慮の事故』……なら仕方ないよなぁ?」
その言葉を聞いてスっと目を鋭くさせると、冷静に言う。
「……人を殺した事も、無いくせに?」
ゾクリ。その場にいる冒険者も、受け付けも。事務も。契約している人外も。全ての存在が味わった。
背筋が凍るという感覚。無意識に張り詰めた筋肉。荒くなる、或いは止まりかける息。
ロイヤリーのその一言には、その場を支配する程の重圧がかけられていた。
無論敵対している男とて例外ではない。
(なんだ……なんだこのガキ……!剣が、剣が上手く持てねえ……ッ!本能がこのガキを相手にするなと囁いている……!そんな……バカな事がッ!)
「ぁあん!?言ったなぁ!このガキがよ!」
そう言って踏み込んだ。剣を振るった。
……はずだった。
踏み込んだ先にロイヤリーはおらず、代わりに男の後頭部に強烈な何かが叩き込まれる。
「がっ……」
そのまま、男は気絶した。周りのどよめきの中で。
ロイヤリーがした事自体は大したことではない。ただ、相手が極限状態で視界が絞られている中、その範囲から出て後ろからかかと落としをしただけの事。
しかしそれを実行するのがどれ程の速さが必要なのか。どれほどの技量が必要なのか。何より、何故躊躇いなくそんな事ができたのか……。
周囲の冒険者は分からなかった。しかし、これで一つだけ分かった。
グリフォンの依頼は、この人に任せよう、と……。
ヤコのような妖精や他の人ならざる存在とは契約が必要だ。しかし、それさえ満たしていれば極端な話、誰でも従える事が出来る。王都では珍しい光景ではない。
実際、冒険者や騎士の育成学校では妖精との契約を結ぶ授業もあるぐらいだ。それぐらい妖精というのは一般的な存在であり、最も契約のしやすい相手と言える。
そんなヤコとの契約内容といえば……。
「ロイヤリー?考え事?あっ。さっきの詐欺店で警備局の人来たからその人からスン貰おうとか思ってる?後悔してる?」
「あっ……。いや、警備局はイイかな。ほら。人助けしただけだし?慈善事業慈善事業!アハハハ……」
「……本音は?」
「スンめっちゃ欲しい。多分がっぽり貰える。でも警備局とかに関わるのは絶ッ対に嫌だ」
きっぱり言い切る。ロイヤリーにとって警備局や治安維持の公的機関。そして《数者》……ナンバーズとの関わりはなるべく避けたかった。
「ふぅん……まぁロイヤリーの事情があるんだろうから深くは聞かないわ。さ、それよりも冒険者ギルド見えてきたわよ」
そんなふうに駄弁っていると冒険者ギルドが見えてくる。
縦に四階構造。横は何メートルあるのか。とにかくデカい。それもそのはず。
冒険者ギルドはただ冒険者を派遣する為だけの機関ではない。優秀な冒険者を手元に置いておくために宿を併設したり、駆け出し冒険者がスンに困ってシャワーを浴びる事が出来ない……などの福利厚生がしっかり整えられているからだ。
ただし、それは王都での話であって他の冒険者ギルドは単に受注、完了、報酬。という所が多い。寧ろ王都のギルドが異常とも呼べる。
「んじゃ入りますか!たーのもー」
ロイヤリーが笑顔で扉をガラッと開けると、そこは戦場であった。
「あぁん!?テメェ、俺たちが先に依頼を受けたっつってんだろ!」
「その言葉返してやるよ!俺様たちが先に依頼を受けたんだ!すっこんでろ!」
いい歳したオッサンが喧嘩している。よくある光景だが、これは一触即発……といった感じだ。コソッとロイヤリーは端の席に行って男性冒険者に話しかける。
「なぁ、あれどういう状況……?」
するとロイヤリーが横にいたのに気づかなかったのか、唐突に話しかけられて焦ったのか。うわっ!と声を上げながら冒険者は飲んでいた飲み物を落としかけながら説明してくれる。
「ビックリした……。あ、あれかい?何か魔物……確か……グリフォンだったかな。うん。グリフォンの討伐依頼。王都の近郊にはぐれたグリフォンがいるから討伐してくれって依頼をどっちが先に受けたかって喧嘩しているんだ」
話を聞きながらなるほど、と納得する。
グリフォンは基本山奥にいる魔物であり、人を襲う事もある。だが山奥の魔物である為にその討伐は度を超えない程度……それこそ冒険者の登竜門のような存在である。
そしてグリフォンの依頼は総じて高く、上手いこと討伐すればその素材も美味しく売れる。ましてや王都の近くに一匹だけ、などこれ以上甘美な依頼はないだろう。
「ほほー。ありがとありがと!」
「いえ、どういたしまして……」
笑顔で席を立つロイヤリーに対して未だ驚いている冒険者を尻目に見ながらヤコが話しかけてくる。
「どうするの?あのままだと武器とか魔法とか使いかねないわよ?」
「それはよろしくないよな。って事で俺が依頼を貰いに行く」
「……は?はぁぁ!?」
冒険者ギルドで武器と魔法の使用は『ギルドを壊さない範疇で』許されている。つまり決闘が始まってもおかしくないという事だ。
「そういう事なら……やるしかないよなぁ?」
そう言って片方のオッサンが剣を抜く。
「俺様だってその気だぜ……せいぜい喧嘩を売ったの後悔しとけ……?」
もう片方のオッサンが背負っていた斧を前に出す。
一触即発。それを観衆が見守る中ー
「やぁやぁごきげんよう!天気もいいしグリフォンの狩りもあるなんてツイてるね!しかもはぐれ!いやぁ、旨い!」
ロイヤリーがど真ん中に突入した。ヤコは危険を察知して少し離れた場所にいる。
「……ぁ?んだとこのガキ」
「それは俺様たちの依頼だ。それともなんだ?お前もやんのか?」
案の定喧嘩している二人が注目してくる。そんな事何も気にせず、受け付けカウンターに向かう。
「すみませーん!はぐれグリフォンの依頼を受けたー」
「人の話は聞けッ!このクソガキがよォッ!」
遂にキレた斧を持ったオッサンがこちらに来て振り下ろしてくる。が……。
「こっちは受注で忙しいから邪魔しないで欲しいナー?ほら。受け付けの人も迷惑してるし?」
「な、な……」
ロイヤリーは屈んで、片手で斧の柄の部分を持ってニコニコと笑顔を浮かべたまま喋りかける。そしてそのまま空いたもう片手で握り拳を作って身体を滑らせるように移動させて鳩尾にパンチをお見舞する。
「ごふっ……!?」
その勢いで倒れた男を見ながら、もう片方のオッサンが話しかけてくる。
「敵が減って助かったぜ。……後はテメェを処理すればいいんだな?」
「やだなあ、そんな人を殺すみたいに……」
「はっ……『不慮の事故』……なら仕方ないよなぁ?」
その言葉を聞いてスっと目を鋭くさせると、冷静に言う。
「……人を殺した事も、無いくせに?」
ゾクリ。その場にいる冒険者も、受け付けも。事務も。契約している人外も。全ての存在が味わった。
背筋が凍るという感覚。無意識に張り詰めた筋肉。荒くなる、或いは止まりかける息。
ロイヤリーのその一言には、その場を支配する程の重圧がかけられていた。
無論敵対している男とて例外ではない。
(なんだ……なんだこのガキ……!剣が、剣が上手く持てねえ……ッ!本能がこのガキを相手にするなと囁いている……!そんな……バカな事がッ!)
「ぁあん!?言ったなぁ!このガキがよ!」
そう言って踏み込んだ。剣を振るった。
……はずだった。
踏み込んだ先にロイヤリーはおらず、代わりに男の後頭部に強烈な何かが叩き込まれる。
「がっ……」
そのまま、男は気絶した。周りのどよめきの中で。
ロイヤリーがした事自体は大したことではない。ただ、相手が極限状態で視界が絞られている中、その範囲から出て後ろからかかと落としをしただけの事。
しかしそれを実行するのがどれ程の速さが必要なのか。どれほどの技量が必要なのか。何より、何故躊躇いなくそんな事ができたのか……。
周囲の冒険者は分からなかった。しかし、これで一つだけ分かった。
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